グリーンピース声明 太平洋クロマグロ長期資源回復計画の合意は前進だが、 目標達成率75%超えで漁獲枠の増加案に強く反対
ーWCPFC北小委員会閉幕へー
国際環境NGOグリーンピース・ジャパンは、2017年8月28日(月)から9月1日(金)まで開催されていた中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)第13回北小委員会の閉幕を受けて、本日1日、声明を発表しました。
委員会では、
1)新たに、長期資源回復計画と漁獲戦略策定の骨子が合意(注)。
2)資源量を歴史的中間値まで回復させる現行の暫定回復計画に、目標達成率が75%を超えた場合に漁獲枠の増加を検討する項目を追加。
グリーンピース・ジャパン 海洋生態系担当 小松原和恵
「昨年より先送りにされていた長期回復計画の合意は大きな前進であり、太平洋クロマグロの保全はようやくスタートラインに立ちました。現在、太平洋クロマグロは初期資源量の2.6%しか残っておらず、一刻も早く20%まで回復させる必要があります。グリーンピースは、今回の合意を元にした長期回復計画の確実な遂行を、WCPFC加盟国と北小委員会に引き続き要請します。
前進が見られた反面、漁獲枠の増加を検討する項目が盛り込まれたことは、非常に大きな懸念です。早急に健全な資源レベルまで回復させることが求められる中、暫定目標値である歴史的中間値への到達前に漁獲枠を増やすことを強く反対します。
また、太平洋クロマグロを漁獲する5カ国のうち日本を含む4カ国が現行の漁獲枠を超過していることから、設定した目標を確実に達成するためには、オブザーバーの強化をはじめとする国内における管理とモニタリングの徹底が必要不可欠です。特に日本は、最大の漁獲国および消費国として、国内における漁獲ルールを徹底し、持続可能な漁業にシフトすることで、早期資源回復に向けて最大の貢献をすべきです」
(注)合意した長期資源回復計画では、二次目標として歴史的中間値達成後10年以内もしくは2034年までいずれかの早い時期に初期資源量20%までに少なくとも60%の確率で回復させることが決定。