ラー博史上最大のプロジェクト「あの銘店をもう一度」第24弾  昭和22年創業。クセがあるけどクセになる  北海道・旭川「蜂屋」

2023年10月31日(火)~11月20日(月)ラー博に復活

新横浜ラーメン博物館(横浜市港北区、代表取締役:岩岡 洋志)は、30周年を迎える2024年へ向けた取り組みとして、過去に出店した約40店舗の銘店が2年間かけ、3週間のリレー形式で出店するプロジェクト「あの銘店をもう一度」を2022年7月1日(金)にスタートさせました。
宮城・気仙沼「かもめ食堂」に続く第24弾として、2023年10月31日(火)~11月20日(月)まで、北海道・旭川「蜂屋」が出店します。
同店は、旭川ラーメンの特徴を確立した老舗であり、1999年11月27日~2009年8月30日の間、圧倒的なオリジナリティを持つ唯一無二の旭川ラーメンをご提供いただきました。詳細は下記をご参照ください。

クセがあるけどクセになる「蜂屋」のラーメン

●旭川「蜂屋」の歴史
戦後の混沌期、初代・加藤 枝直氏は、当時としては珍しい蜂蜜を使ったアイスクリーム店を昭和21年に開業。屋号「蜂屋」は蜂蜜の「蜂」に由来しています。そして、アイスクリーム店を営業する傍ら、近所の日本蕎麦屋店から「中華そばという食べ物がある」ことを聞きつけました。好奇心が強かった枝直氏は、全くの独学で特徴的な風味を持つラーメンを作り上げ、昭和22年12月8日に、アイスクリーム店「蜂屋」からラーメン店「蜂屋」に生まれ変わりました。
そのラーメンは爆発的な人気を呼び、昭和30年代に入ると「休日には映画を見てから蜂屋でラーメンを食べる」というスタイルが旭川及び周辺町村の「休日の過ごし方」として定着するまでになりました。

初代・加藤 枝直氏と奥様
昭和22年当時の外観。看板にソフトクリームの文字が

このように順風満帆だった蜂屋ですが、突然大きな事件が起きます。東京オリンピックが開催された昭和39年、初代・枝直氏が交通事故にあい、記憶喪失になってしまったのです。
初代のみが知る一部のレシピは記憶喪失によって闇に包まれてしまいました。この当時、二代目・加藤 直純氏はまだ15歳でした。直純氏は13歳から蜂屋の手伝いをはじめ、大学時代は旭川を離れていましたが、卒業した昭和47年に正式に蜂屋で働きはじめることとなりました。
直純氏曰く「私は父のように何か新しいことを生み出すというよりも、ひたすら父が築き上げた歴史とお客様を守ってきました。父が偉大だったこともあり守るということも本当に大変でした。おかげさまで父の代から衰退することもなく、常に多くのお客様にお越しいただけたことは自分の自信にもつながりました」とのこと。
二代目が初代の精神を受け継ぎ、絶え間ない苦労・挑戦をしたことにより、蜂屋は今もなお繁盛を続けているのです。

二代目 加藤 直純氏(昭和50年撮影)

●新横浜ラーメン博物館への出店
蜂屋が当館に出店したのは1999年ですが、私たちは1991年に初めて蜂屋を訪れており、それまでラーメンに抱いていた概念を打ち破る衝撃を受け、1991年に誘致交渉を始めていました。当館の設立趣旨にはご理解いただいたものの、人員面や特殊厨房設備などの問題もあり、幾度となく通うも1994年の開業時の出店はかないませんでした。
その後も足しげく通う中、転機は急に訪れました。1991年の交渉時にはまだ小学生だった長男の信晶氏が、ちょうど高校を卒業し大学に進学するタイミングに訪れた際、「ラー博でやってみたい」という想いを信晶氏が持たれていたことから、とんとん拍子で出店が実現。誘致交渉8年の末、念願の出店となりました。

二代目 直純氏(左)と信晶氏(右) 2005年撮影
ラー博店外観

●「蜂屋」のラーメン

「蜂屋」のラーメン

・スープ
蜂屋のスープは、鯵(あじ)の丸干しでとった魚介スープと、とんこつスープを別々にとって、最後にブレンドする、いわゆる「ダブルスープ」。
とんこつは一度冷水で冷やして余分な油を取り除きます。トンコツスープと魚介スープでは美味しく仕上げる時間帯が異なるため、別々にとってブレンドするという手法を考えました。この手法はあまりにも手間と技術を要するため普及することはなく「蜂屋」の特徴の一つになりました。

誰もが真似できなかった「ダブルスープ」

・麺
旭川ラーメン一番の特徴となるのがこの「低加水麺(小麦に加える水が少ない麺)」。初代・加藤 枝直氏と兄にあたる加藤 熊彦氏によって作り上げられたこの麺は、麺に加える水の量が少ないため、スープをよく吸って麺とスープとの一体感が味わえます。
その後、この麺は兄の会社「加藤ラーメン」によって旭川市内のラーメン店に普及し、この「低加水麺」は旭川のスタイルを象徴するものとなりました。

低加水のちぢれ麺

・焦がしラード
旭川ラーメンの特徴の1つである、どんぶり一面を覆う「ラード」。
しかし蜂屋のラードは他店とは異なり独特な風味を持ったもので、蜂屋の代名詞である「クセはあるけどクセになる」と言わせた蜂屋一番の特徴となっています。
その焦がしラードの作り方は、寸胴鍋に良質なラードと豚の脂身、鰹節などの節類を加え焦がします。ラードだけだと表面の油が分離し、香りもよくないということで初代店主がいろいろ試行錯誤した結果、この焦がしラードが誕生しました。

人々を魅了した「焦がしラード」

「蜂屋」の更に詳しい情報はこちら
https://note.com/ramenmuseum/n/ne7456e287cc9

あの銘店をもう一度

北海道・旭川「蜂屋」に続く25店舗目には、北海道・札幌「けやき」にご出店いただきます。出店期間は、2023年11月21日(火)~12月11日(月)の3週間となっております。第26弾以降の出店スケジュールは、改めてお知らせいたします。

過去のニュースリリースはこちら
https://www.raumen.co.jp/information/release/

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