【名城大学】ポーランドからの招聘研究員が法学部で特別講義
日本研究者のナブロツカさん テーマは「日本研究の魅力:日本の食文化と…」
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本学と学術交流協定及び交換留学協定を締結しているワルシャワ大学(ポーランド)の東洋学部助教で、2024年9月から2025年2月 までの予定で招聘研究員として本学を訪れているモニカ・ナブロツカさんが12月16日、天白キャンパスで法学部の矢嶋光准教授が担当する2年次開講科目「政治史」でゲストスピーカーとして登壇し、「日本研究の魅力:日本の食文化と…」をテーマに特別講義を行いました。
日本料理の流派「四条流」の儀式「庖丁式」を解説 真奈庖丁と真奈箸を披露
ナブロツカさんは社会学や歴史学、文学など幅広く日本の文化を研究しており、お弁当が日本人に与える影響の研究で修士号を、日本料理の流派「四条流」などの庖丁師による儀式「庖丁式」の研究で博士号を取得している日本研究者です。この日は学生約180人を前に、流ちょうな日本語で庖丁式やお弁当の変遷など日本の食文化に関する研究の成果を解説しました。
ナブロツカさんは初めに、「室町時代に料理人が初めて専門的な職人になり、庖丁流派が成立して作法や調理法を伝承するようになった」と説明。公家を対象とした「四条流」による「四条庖丁書」が最も古い料理書で、現在のレシピ本とは異なり「盛り付けなどさまざまな作法が記され、単に調理の手順を書くだけでなく、随筆や日記のような内容で、歴史物語や和歌にも広がっている」と指摘しました。
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さらに、平安時代から伝わる日本料理の流派の儀式「庖丁式」について、「食材に手を触れず、右手に真奈庖丁、左手に真奈箸を持って魚を切り分けて並べ、神様に捧げる」と解説。「俎板の開きの儀」など5つのステップの写真や、四条流家元による庖丁式の動画もそれぞれの作法やその意味を説明しながら紹介。真奈庖丁と真奈箸の実物も学生たちに披露しました。
このほか、弥生時代の「強飯」や平安時代の「屯食から」、室町時代の「焼き握り飯」、江戸時代の「幕の内弁当」、そして駅弁や「日の丸弁当」、現代の「空弁」や「キャラ弁」に至る日本のお弁当の歴史の変遷や、古事記や万葉集などの古典文学によく出てくる食材がお米とお酒、魚であることも紹介。学生からの「ポーランドに弁当はありますか?」「ポーランドの伝承に出てくる食材は?」といった質問にも答えていました。
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