【名城大学】建築学科の谷田研究室が日本のどこにもない自動車図書館の制作を担当し初披露
本学理工学部建築学科の谷田真准教授の研究室と名古屋市の鶴舞中央図書館が自動車図書館の新車両プロジェクトで連携し、5月26日、名古屋市中区の「サカエ ヒロバス」でお披露目されました。
名古屋市自動車図書館は市内で2館しかなかった図書館の本を遠方の市民にも届けようと1956年に導入され、伊勢湾台風など通常の図書館運営が困難な場面でも活躍を続けてきました。これまで大型車両2台で市内全域を定期的に巡回して本の貸出を行ってきましたが、17年ぶりに車両入れ替えを機に、2024年度から小型車両4台の運行に切り替え。大型車両では出向くことが難しかった公園や公営住宅にも行けるようになり、自動車図書館が持つ「本と人が出合う場」の機能を最大限に発揮することが期待されています。
新車両4台のうち1台のデザインやファニチャーは谷田研究室が製作し、日本のどこにもない全く新しい自動車図書館が完成しました。
セレモニーで谷田准教授は今回手掛けた自動車図書館のコンセプトを、本の貸し借りだけではない「居場所作り」、簡単に組み立てできる家具の「機能性」、家具の数を増やせばより大きな動く建築として活用できる「拡張性」と説明。「親子で本を読む姿を思い浮かべながら作り上げました」と話しました。セレモニー後には早速、珍しい自動車図書館に子供たちは興味津々。次々と乗り込み、車内で絵本を探したり、周囲のベンチに座って親子で絵本を読む姿が見られました。
このプロジェクトには谷田研究室の7人が携わり、横井実のりさん(修士課程2年)は「普通の図書館にはない空気感を体験してほしい。自分たちが考えてきたことが形になって、実際に親子でベンチに座って本を読んでくれる姿が見られて嬉しい」と満足感を口にしました。
新しい自動車図書館は各車両に1,000冊を積載し、市内118カ所を巡回予定。谷田研究室が手掛けた新車両はイベントや商業施設などへの出張にも使われます。