立川志らく監修の漫画『古典ねこ落語』12/9発売
江戸の粋と人情を、猫たちが生き生きと演じる名作5編
株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、2024年12月9日に『古典ねこ落語』(立川志らく 監修/伊藤カヅヒロ 漫画/税込1,760円)を発売します。本書は、落語家の立川志らく氏が厳選した5つの古典落語を、登場人物すべて〈猫〉に置き換えて漫画化した一冊です。浮世絵師・歌川国芳が猫を擬人化した浮世絵を通じて、江戸の暮らしぶりを地方出身者や子どもにわかりやすく表現したことに着想を得て、落語を可視化しました。落語通から知識ゼロの初心者まで、誰もが見て、読んで楽しむことができます。
志らく氏唸る「とにかく面白い!」
監修をつとめた立川志らく氏は、当初、「猫を主役にして落語を描いて、一体何が面白いのだろうかと、不安に思った」と、本書のまえがきで明かしています。しかし、その不安は作品を読んですぐに消え、「とにかく面白い!」と、ねこ落語に太鼓判を押しました。その理由を、元来は表情のない猫が漫画内で喜怒哀楽を表すことで、読む側が感情移入し、想像の世界が広がるからだと説明しています。志らく氏は監修者として、演目や掲載順、参考にすべき落語家など、本書の根幹部分について助言。「落語未経験者も落語マニアも、さらに本職の落語家にも、是非一読してもらいたい作品です!」と、手放しで推しています。
落語の喜怒哀楽を味わえる5つの演目を収録
本書に収録された噺は、「初天神」「粗忽の釘」「死神」「目薬」「文七元結」の5つ。「初天神」は聞き分けのない息子と父親が交わす滑稽な会話が見所の作品で、「死神」は死神と寿命のやり取りをするはめになった男の恐怖に聴き手も震え上がる、志らく氏の十八番といえる作品です。元となる噺を忠実に漫画化しましたが、登場人物を表情豊かな猫が演じるぶん、落語の笑い所や江戸時代の庶民文化を知らない人でもストーリーを理解しやすくなっています。また、5作品を通読することで、寄席に丸一日こもって落語を聴く流れを追体験できます。志らく氏ならではの粋な構成が、江戸っ子気分を盛り上げます。
〈収録作品一覧〉
【初天神】
息子連れでお参りに繰り出した父親は、「あれ買え、これ買え」とねだる息子に手を焼き……。
【粗忽の釘】
柱と間違えて薄壁に釘を打った粗忽者の大工が、隣家に釘が飛び出てないかを気にして……。
【死神】
金に困って首をくくろうとした男の前に死神が現れ、金持ちになる方法を教えてくれたが……。
【目薬】
目を悪くした夫に妻が目薬を買ってきたが、能書きが見えない夫は目薬を差す場所を勘違いし……。
【文七元結】
娘が自らを身売りして工面した金を、橋から身投げしようとしていた男にあげてしまった父親は……。
【略歴】
監修:立川志らく(たてかわ・しらく)
落語家、映画監督、映画評論家、劇団主宰、TVコメンテーター。
1963(昭和 38)年生まれ。東京都出身。1985(昭和 60)年に立川談志に入門。1995(平成 7)年、真打昇進。多くの著作があり、近著では『師匠』(集英社)、『決定版 寅さんの金言・現代に響く名言集』(ART NEXT)、『進化する全身落語家 時代と芸を斬る超絶まくら集』(竹書房)などがある。
漫画:伊藤カヅヒロ(いとう・かづひろ)
イラストレーター。北海道出身。大学在学中 21 歳の時に、集英社より漫画家デビュー。その後はイラストレーターとして活動し、書籍イラスト、漫画などを手がける他、テレビ番組や、お笑いライブなどのVTRイラストを数多く担当している。
【書誌情報】
書名:古典ねこ落語
監修:立川志らく/漫画:伊藤カヅヒロ
発売日:2024年12月9日
判型:B6判変型並製
ページ数:176ページ
定価:1,760円(税込)
ISBN:978-4-569-85836-4
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