ディスプレイ用オプティカル・コーティングおよびフィルム市場が2019年までに売上額で100億米ドル近くにまで成長

株式会社グローバルインフォメーション
2012-09-28 14:30

株式会社グローバル インフォメーションは、NanoMarketsが発行した報告書「Markets for Optically Functional Films and Coatings in Displays - 2012 (ディスプレイにおける光学機能性フィルム・コーティング市場)」の販売を開始しました。

ディスプレイ用フィルム・ビジネスは成熟産業となっていますが、有機ELディスプレイが従来液晶ディスプレイの牙城であったモバイル機器ディスプレイやテレビの分野で市場シェアを築き始めており、NanoMarkets社では有機ELディスプレイがフィルム製造企業にとって長期にわたって強固な市場となることを見出しました。液晶ディスプレイと同様に、有機ELディスプレイでもぎらつき防止/反射防止フィルムを使用しますが、有機ELディスプレイが広まると、特定の種類の特殊なフィルムの販売が伸びることになるでしょう。ビジネスチャンスが期待できるものの一つとしては、広い視野角にわたって有機ELディスプレイの色表示の均一性を強化できるように設計されたフィルムがあります。他には、明るい場所での有機ELディスプレイの見やすさを改善できるある種の偏光フィルムがあります。

また、同レポートでは、もっとさしあたってのビジネスチャンスは、今なお液晶ディスプレイ用フィルム・ビジネスの方にあるとしています。

2016年までには、コントラストや色調改善のための液晶ディスプレイ用フィルムの売上が3億ドル近くとなるでしょう。この分野についてはNanoMarkets社では先行きが明るいものと捉えています。というのは液晶メーカーが、高性能液晶ディスプレイの方に生産を移行する傾向がますます強まっていて、こういった種類のフィルムが緊急に必要となっているからです。生産を移行しているのは、有機ELディスプレイとの競争と、精通した消費者からの3DやHDの映像環境要求とに迫られていることによります。こういったフィルムは、ぎらつき防止/反射防止フィルムと一体化して多機能商品としての製品化もでき、さらなるコスト低減も可能となります。

プリズムフィルム(輝度増強フィルム)は、ディスプレイ用光学フィルム市場の中で、すでに最大の部門を占めるものとなっていますが、今後もさらに発展するものと期待されています。売上が伸びるのは、モバイル機器用のディスプレイにおいて、バックライト・ユニットからの光量を一定のパワーレベルに最適化する必要性があるからです。こういったフィルムでは、反射型偏光フィルムのような今までより高度なフィルムを使用することによるコスト上昇を、バックライト・ユニットのLED数を減らすことによるコスト低減によって相殺することができます。

多機能光学フィルムの開発と商品化、例えばプリズム機能と光分散機能とを併せ持つフィルムの開発と商品化とが、重要な市場動向となっています。そのような多機能フィルムを使えば、フィルムのコストを低減できるばかりでなく、ディスプレイの厚みを薄くすることができます。また、その製造ももっと簡単にすることができます。NanoMarktes社はバックライト用多機能フィルムが5年以内に5億米ドル以上の市場に成長するものと確信しています。

市場調査レポート: ディスプレイにおける光学機能性フィルム・コーティング市場
Markets for Optically Functional Films and Coatings in Displays - 2012
http://www.gii.co.jp/report/nan248737-markets-optically-functional-films-coatings.html
出版日: 2012年09月11日
発行: NanoMarkets

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