欧州における一世帯あたりのエネルギー支出は過去10年で40%上昇
株式会社グローバル インフォメーションは、エナデータが発行した年間情報「Global Energy & CO2 Data (世界のエネルギーおよびCO2データ)」の販売を開始しました。
欧州の家庭におけるエネルギー支出の将来予測
欧州のエネルギー価格は2011年におよそ15%上昇しており、原油価格が1バレル100ドルを上回る水準で推移した場合、今後も上昇基調が続くと思われます。昨今の原油価格急騰は、各世帯のエネルギー支出に多大な影響を及ぼしており、将来的にも同じような形でインパクトを与え続ける可能性があります。
過去10年間のエネルギー価格急騰で、1世帯あたりのエネルギー支出は40%上昇
1990年代には、世界のエネルギー市場が比較的安定しており、消費者もその恩恵を受けることができました。
しかし、このような時期は長続きせず、1世帯平均のエネルギー価格と世界のエネルギー価格は、2000年代に入って急上昇を続けています。2000年以降、石油とガスの価格は40%値上がりしており、電気料金は20%、石炭の価格もおよそ50%上昇しました。
このような価格の動きは、燃料の国際的な市場価格と直接連動しており、世界市場でも、天然ガスの価格は2倍、石炭の価格は3倍、石油の価格は4倍に跳ね上がっています。
燃料価格の上昇は、欧州の家庭におけるエネルギー支出に大きな影響を及ぼしています。
欧州では、2000年以降、1世帯あたりのエネルギー消費量が10%減少し、ドイツ以外の国では大幅な増税が行なわれていないにもかかわらず、エネルギー支出がおよそ40%増加しました。
概して上昇幅が大きいのは、2000年の支出額が他国に比べて低かった国々です。チェコでは、1世帯あたりのエネルギー消費が8%減少したにもかかわらず、支出はほぼ3倍になりました。支出額を押し上げる主な要因となったのは、ガス料金と電気料金の大幅な値上がり(ガスが40%以上、電気は30%)で、それぞれチェコの家庭におけるエネルギー支出の40%と20%を占めています。
またポーランドでは、石炭価格の急騰(40%以上)が主な要因となってエネルギー支出が急上昇し、2000年の支出額が欧州で最も低い水準だった英国も、今やスペイン、イタリア、スウェーデン、オランダ、フランスとほぼ同じ水準になっています。
ドイツでは、ガス料金が50%、電気料金が60%値上がりしたことで、支出額が60%増加しましたが、その半分は増税によるものです。チェコ、ポーランド、ドイツ、フィンランドでは、1世帯あたりの年間エネルギー支出が2,000ユーロを超えており、1,500ユーロ前後の水準にとどまっている他の欧州諸国とは対照的です。
またこの4ヶ国とスウェーデンでは、世帯収入に占めるエネルギー支出の割合も大きくなっています(いずれも5%を大きく上回っています)。
シナリオによって異なるものの、欧州における1世帯あたりのエネルギー支出は2030年までに15%から30%上昇
欧州では、各家庭のエネルギー支出の上昇傾向が今後も続くと思われます。
基本的なシナリオは、2030年までの支出額の伸びを15%と予想しています。この数字は、国際的な燃料価格の上昇(石油が50%以上、ガスが80%以上、石炭が30%以上)によって1世帯あたりのエネルギー支出が20%増加する一方、エネルギー消費は若干減少するという2つの相反するトレンドから導き出されたものです。
しかし、気候変動に関する国際的な交渉のプロセスが成功裏に進んだ場合、エネルギー支出はさらに大きな影響を受けることになります。この場合、各国で炭素税が導入されることなどにより、エネルギーの平均価格は75%、エネルギー支出は30%上昇しますが、1世帯あたりのエネルギー消費は25%減るため、ある程度相殺される可能性があります。
いずれのシナリオでも、エネルギー支出は大きな影響を受けることになります。今後家庭のエネルギー支出を削減するための有力な手段になると思われるのが再生可能エネルギーですが、これも国際的な燃料価格の動きや炭素税導入の動きに左右されます。
Global Energy & CO2 Dataは、エネルギー供給、需要、価格、温室効果ガス排出など、幅広い分野を網羅する最新のデータベースです。Enerdataは、世界のエネルギー市場から集めた個々の専門分野に関する200種類以上の資料をもとに、世界のエネルギー市場を網羅する大規模かつ信頼性の高いデータベースを構築しており、適宜アップデートしながら同じオンラインインタフェースで提供いたします。
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