Yendoller(ドル円研究所)バックテストで「未来の情報」を使わないためのドル円データを、MT4/MT5向けに無償公開

CFTC建玉の「観測日」と「公表時刻」の3日のずれを、機械可読で提供

2026-08-16 06:29
YenDoller

Yendoller(ドル円研究所)は2026年8月16日、USD/JPY特化のデータ基盤「Yendoller(ドル円観測所)」(https://yendoller.com )において、MetaTrader 4/MetaTrader 5 向けのデータ配信とインジケーターの無償提供を開始しました。

本配信の目的は一点に絞られています。バックテストにおいて、その時点で市場が知り得なかった情報を使わせないことです。

CFTC(米商品先物取引委員会)が公表する建玉報告は、火曜日時点の数字です。しかし公表されるのは、その週の金曜日15時30分(米東部時間)です。この3日間、市場はまだその数字を知りません。

観測日を時系列インデックスとして扱うと、ストラテジーテスターは火曜日の時点で金曜日に公表される数字を参照します。成績は必ず良く出ます。それは事実ではありません。

Yendollerは、すべての観測値に「観測対象の日付」と「市場が初めて知り得た時刻」を別々の項目として保持しています。MT4/MT5向けの配信は後者を主キーとして並べており、観測日しか保持していないデータ源では、これは原理的に提供できません。

本配信は無償です。インジケーターのソースコードも公開します。売買シグナル、相場予想、イベントの重要度判定は一切含みません。

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■ 1.背景 ― 「いつの数字か」と「いつ知り得たか」は別物である
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為替のバックテストにおいて、外部データを取り込む際に見過ごされやすい問題があります。データに付与されている日付が、観測対象の日付なのか、公表された日時なのかという区別です。

CFTC建玉報告を例に取ります。

観測日 2026年8月11日(火)
公表時刻 2026年8月14日15時30分(米東部時間・金曜)
ずれ 3日
値 非商業ネット建玉 −42,085枚

この−42,085という数字を、8月11日の足に紐づけて時系列化した場合、テスターは8月11日の時点でこの数字を参照できてしまいます。実際には、市場がこれを知ったのは8月14日15時30分以降です。

3日分の未来を見た戦略は、当然ながら良い成績を示します。そして実運用では再現しません。

この問題は、CFTC建玉に限りません。多くの公的統計は、観測期間の終了から公表まで日数を要します。データ提供者が公表時刻を保持していない場合、利用者はその差を自分で調べ、自分で補正する必要があります。

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■ 2.提供内容 ― 公表時刻を主キーとした配信
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Yendollerは、すべての観測値に次の4つの時刻を保持しています。

observation_date 観測対象の日付
publisher_release_at 公表元が公表した日時(市場が初めて知り得た時刻)
source_first_seen_at 当所が最初に確認した日時
ingested_at 当所が取り込んだ日時

さらに、公表時刻をどのように求めたかを明示します。

rule_derived 公表元が定めた規則から算出(例:CFTCは火曜時点を金曜15時30分に公表)
announced 公表元が個別に告知した日時を転記
unknown 当所で確立できていない

推定値を「告知された時刻」として記録することはしません。確立できていないものは unknown とし、数値を入れません。たとえば財務省の国債金利情報について、当所は正確な公表時刻を確立できていないため、該当系列は unknown としています。

MT4/MT5向けには、次の10ファイルを配信します。

/api/v0/mt/latest.txt
現在値。KEY=VALUE形式。

/api/v0/mt/events.txt
今後の公表予定17件。1行1件、縦棒区切り。

/api/v0/mt/{系列ID}.csv
公表時刻順のヒストリカル。8系列。
CFTC建玉は2018年12月21日から2026年8月14日までの400行。

/api/v0/mt/index.json
上記の目録。各ファイルのSHA-256を含む。

ヒストリカルCSVの列は次のとおりです。

release_epoch 公表時刻(UNIX秒)
release_utc 公表時刻(協定世界時)
value 値
observation_date 観測対象の日付
status ORIGINAL / REVISED / SUPERSEDED / DELETED_BY_SOURCE
record_id レコード識別子

行は公表時刻順に並んでいます。観測日順ではありません。観測日も併記していますので、両者の差は利用者が確認できます。

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■ 3.MQLで扱える形式 ― JSONを配らない理由
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MQL4およびMQL5には、標準のJSONパーサがありません。JSON形式で配信した場合、利用者は自前で文字列処理を実装することになり、そこが不具合の発生源になります。

このため、MetaTrader向けには平坦な形式で配信します。

latest.txt KEY=VALUE 形式。1行1項目。#で始まる行は注釈。
events.txt 縦棒区切り。1行1件。

いずれも StringSplit 関数のみで読み取れます。

latest.txt の記述例は次のとおりです。

CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_VALUE=-42085
CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_WOW_CHANGE=3388
CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_PERCENTILE_5Y=64.6
CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_OBS_DATE=2026-08-11
CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_RELEASE_EPOCH=1786735800
CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_RELEASE_METHOD=rule_derived
CFTC_LEGACY_JPY_NONCOMM_NET_STATUS=ORIGINAL
NO_SIGNALS=1
NO_FORECAST=1

末尾の NO_SIGNALS および NO_FORECAST は、この配信に売買シグナルおよび相場予想が含まれないことを、機械可読な形で示すものです。

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■ 4.インジケーター ― 売買シグナルを出さない
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MT4版(MQL4)とMT5版(MQL5)の両方を、ソースコードで公開します。

YendollerPanel.mq4 MT4用 11,828バイト build 600以降が必要
YendollerPanel.mq5 MT5用 10,991バイト 制限なし

ライセンスは CC BY 4.0 です。改変・再配布が可能です。

このインジケーターは、売買シグナルを出しません。矢印も、強弱を示す色分けも、「買い」「売り」の判定も表示しません。

表示するのは、公表元が公表した数字と、それがいつ公表されたかだけです。CFTC建玉については、観測日と公表時刻の両方を画面上に併記します。利用者が、両者が別物であることを常に確認できるようにするためです。

公表予定を示す縦線は、すべて同一の色・同一の太さで描画します。イベントの重要度による色分けは行いません。どのイベントが重要かは、当所が決めることではないという判断によるものです。

MT4版とMT5版は機能が同一ですが、MQL4に存在しないAPIがあるため、短縮名の設定、バッファ宣言、縦線の移動、WebRequestの引数の4箇所で実装を作り分けています。

利用にあたっては、MetaTraderの「ツール」→「オプション」→「エキスパートアドバイザ」→「WebRequestを許可するURLリスト」に https://yendoller.com を追加する必要があります。未設定の場合、MT4はエラー4060、MT5はエラー4014を返します。インジケーターは、この場合に設定手順をログへ出力します。

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■ 5.この配信に含まれないもの
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以下は提供しません。今後も提供する予定はありません。

売買シグナル、エントリーおよびエグジットの指示
相場予想、見通し、目標値
イベントの重要度、注目度、星印などの判定
市場予想、コンセンサス
自動売買プログラム(EA)
リアルタイム価格(価格は利用者の取引業者から取得してください)

これらを提供しないことは、当所の会則(全9章49条・v0.3)に明記されており、会則そのものをSHA-256とともに公開しています。改正した場合も旧版を削除せず、改正理由とともに保存します。

会則は運営者を拘束するために存在します。「予想しない」と書いた以上、後から予想を載せることはできません。

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■ 6.料金 ― 無償で提供する
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MT4/MT5向けの配信ファイル、ヒストリカルCSV、インジケーターのソースコードは、いずれも無償で提供します。申請も認証も不要です。

当所の会則第38条は、基本データおよび基本APIの無償公開を維持することを定めています。保証やSLAを伴う商用提供を将来行う場合も、無償の基本系を廃止しません。これは運営者自身を拘束する規定として、会則に明記しています。

有償プラン(Pro)で提供予定の内容は、商用利用の技術サポート、更新通知、稼働保証です。データそのものではありません。

なお、有償プランは現時点では開始していません。「更新通知」が未実装であり、稼働率の測定を開始したばかりであるためです。提供していないものを販売しないという方針により、これらが揃うまで課金を行いません。進捗は https://yendoller.com/api/v0/billing.json に機械可読な形で公開しています。

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■ 7.データの範囲と、現在の配信状態
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現在、10系列を実データで配信しています。

価格 USD/JPY日足終値、通貨分解(ドル成分/円成分)
金利差 日米金利差(2年・10年)、米国債2年・10年、日本国債2年・10年
持高 CFTC建玉(非商業ネット、レバレッジドファンドネット)
変動率 実現ボラティリティ(5通りの公開式)

層ごとの配信状態は https://yendoller.com/api/v0/status.json で公開しています。実際に配信されている系列ファイルから機械的に判定しており、表示と実態がずれない構造にしています。

全履歴の一括エクスポート(21ファイル・1,962行)も無償で公開しています。公表元による訂正で置き換えられた値も、statusで区別したうえで含まれています。

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■ 8.不具合の報告
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MT4/MT5に関する不具合の報告フォームを設置しています。

https://yendoller.com/report.php

連絡先の記入は任意です。返信が不要な場合でも、報告のみ受け付けます。プラットフォーム、ビルド番号、エラー番号を添えていただけると、原因の特定が早くなります。

なお、ログを送信される際は、アクセストークンやAPIキーが含まれていないかご確認ください。当所側でも機械的に伏せる処理を行いますが、含めないことが確実です。

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■ 9.検証可能性について
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当所は、自らが公開する数字についても検証手段を提供します。

すべての観測値に系列ID、観測日、公表時刻、出典、改訂状態を付与
公表元による訂正は削除せず、旧値をSUPERSEDEDとして保存
派生値の算出コードのSHA-256、出力のSHA-256を併記
会則の正本と全改正履歴をSHA-256とともに公開
稼働率の外形監視記録を公開(30日に満たない期間は達成率を算出しない)

引用にあたっては、statusを省略しないでください。置き換えられた旧値が現行値として流通することは、当所が存在する理由と正面から衝突します。

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【関連URL】
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MT4/MT5連携 https://yendoller.com/mt.html
不具合報告フォーム https://yendoller.com/report.php
MT配信の目録 https://yendoller.com/api/v0/mt/index.json
配信状態 https://yendoller.com/api/v0/status.json
会則(全9章49条) https://yendoller.com/rules.html
データソース台帳 https://yendoller.com/sources.html
一括エクスポート https://yendoller.com/export/index.json
AI向け案内 https://yendoller.com/ai.html
トップページ https://yendoller.com

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【会社概要】
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商号 AIMQL合同会社
事業内容 金融データ基盤の開発・運営
運営サイト Yendoller(ドル円観測所) https://yendoller.com
為替介入研究所(FXIR) https://fxir.jp

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【本件に関するお問い合わせ】
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AIMQL合同会社
電子メール info@yendoller.com

取材、掲載、データ利用に関するご相談を承ります。
データの引用は CC BY 4.0 の範囲で自由に行えます。
引用の際は、観測日と改訂状態(status)を省略せずに記載してください。

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本リリースに記載した数値は、2026年8月16日時点で当所が公表元から取得した一次データに基づくものです。当所は相場の予想、見通し、投資判断の提供を行いません。投資に関する判断は、利用者ご自身の責任において行ってください。

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