炭素繊維不織布市場の最新予測:2026年に927百万米ドル規模、成長率8.8%の見通し

2026-07-21 14:46
QY Research株式会社

炭素繊維不織布とは
炭素繊維不織布は、軽量性・高強度・導電性・耐熱性・耐腐食性を兼ね備えた高機能中間材料として、自動車、航空宇宙、燃料電池、電子機器など幅広い分野で採用が拡大している。織物とは異なり、炭素繊維をランダムまたは配向状態で積層・接着する構造を採用しているため、優れた成形性と複雑形状への追従性を実現できることが特徴である。2025年の世界販売量は約1.4万トン、平均販売価格は約62米ドル/kgとなり、製品によって20〜40%程度の粗利益率を維持している。近年は燃料電池や水電解装置向け材料としての需要が急速に高まり、市場の高付加価値化が進んでいる。

図. 炭素繊維不織布の世界市場規模
QYResearch調査チームの最新レポート「炭素繊維不織布―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」によると、炭素繊維不織布の世界市場は、2025年に859百万米ドルと推定され、2026年には927百万米ドルに達すると予測されています。その後、2026年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)8.8%で推移し、2032年には1537百万米ドルに拡大すると見込まれています。

上記の図表/データは、QYResearchの最新レポート「炭素繊維不織布―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」から引用されている。

炭素繊維不織布市場の特徴と製品構成
炭素繊維不織布は、炭素繊維トウや織物、プリプレグに比べると市場規模は限定的である一方、高い付加価値を持つ機能性材料として位置付けられている。短繊維やリサイクル炭素繊維、特殊炭素繊維を湿式法や乾式法によってシート化し、表面補強材や中間層、ガス拡散層(GDL)、断熱材など多様な用途へ展開されている。
製品はPAN系、ピッチ系、その他特殊素材に分類され、坪量では100g/m²未満と100g/m²以上、製造方法では湿式(Wet-Laid)と乾式(Dry-Laid)が主流である。高純度・高均一性を備えた炭素繊維不織布は、電気化学デバイスや高性能複合材料向けに高い競争力を有している。

炭素繊維不織布市場を支える需要拡大
世界の炭素繊維不織布市場では、自動車軽量化と環境負荷低減が最大の成長ドライバーとなっている。EVや鉄道車両、航空宇宙分野では、複雑形状への適応性や表面品質向上を目的として、リサイクル炭素繊維を活用した不織布の採用が進んでいる。
さらに、燃料電池や水素製造用電解装置、レドックスフロー電池向けでは、炭素ペーパーやガス拡散層(GDL)の需要が増加しており、高機能炭素繊維不織布市場を押し上げている。直近6か月では、水素エネルギー関連プロジェクトの拡大を背景に、耐久性や導電性を向上させた新製品の開発が活発化し、電子部品向けでは電磁波シールド用途への採用事例も増えている。

技術課題と競争環境
炭素繊維不織布は優れた等方性補強や樹脂含浸性を備える一方、連続繊維織物のような一次構造材としての強度には及ばないため、主に機能層や補強層として利用されている。このため、用途に応じた繊維配向制御や均質性確保、接着技術の高度化が重要な技術課題となっている。
市場ではToray、SGL Carbon、TOYOBO MC、Kureha、Tenowo、Teijin、Sigmatexなどが主要メーカーとして高い技術力を有している。特にガス拡散層や炭素フェルト、金属被覆炭素繊維ベールなどは認証取得や品質保証に長期間を要するため、新規参入障壁が高く、高い利益率を維持しやすい分野となっている。

地域別市場と今後の展望
地域別では、アジア太平洋地域が炭素繊維不織布市場の中心となっており、日本、中国、韓国では自動車、電子機器、水素エネルギー関連産業を背景に需要が拡大している。欧州では航空宇宙や燃料電池分野、北米では防衛産業や高性能複合材料市場が成長を支えている。
一方で、原料となる炭素繊維市場は供給サイクルの影響を受けやすく、供給過剰時には一般補強材の価格競争が激化する可能性がある。また、水素関連設備の投資動向によって高機能炭素繊維不織布の需要が変動する点も市場リスクとして挙げられる。
今後は、自動車軽量化、再生可能エネルギー、水素社会の進展に伴い、炭素繊維不織布市場は引き続き拡大すると予想される。特に、高純度、高均一性、認証取得済み製品や量産対応能力を備えたメーカーが競争優位を確立し、複合材料市場全体の高度化を支える重要な存在になるとみられる。

本記事は、QY Research発行のレポート「炭素繊維不織布―グローバル市場シェアとランキング、全体の売上と需要予測、2026~2032」に基づき、市場動向および競合分析の概要を解説します。
【レポート詳細・無料サンプルの取得】
https://www.qyresearch.co.jp/reports/1710985/carbon-fiber-non-woven-fabric

お問い合わせ先
QY Research株式会社
URL:https://www.qyresearch.co.jp
日本の住所:〒104-0061東京都中央区銀座 6-13-16 銀座 Wall ビル UCF5階
TEL:050-5893-6232(日本);0081-5058936232(グローバル)
マーケティング担当 japan@qyresearch.com

会社概要
QYResearch(QYリサーチ)は、2017年に東京で設立された市場調査・コンサルティング企業です。世界市場を対象に、市場調査レポート、受託調査、IPO関連コンサルティングなど多様なサービスを展開し、各業界の市場動向、成長可能性、競争構造を総合的に分析しています。これまでに160以上の国・地域、65,000社を超える企業へ産業情報サービスを提供しており、豊富な調査実績とグローバルネットワークを強みとしています。特に、競合分析、市場規模予測、業界構造分析、カスタマイズ調査分野において、多くの日本企業から高い信頼と評価を獲得しています。