自動車用鉛蓄電池の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表

2026-08-20 13:30
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「自動車用鉛蓄電池の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Automotive Lead Acid Battery Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、自動車用鉛蓄電池の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本の自動車用鉛蓄電池市場は、2025年時点で21.4億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)8.1%で拡大し、2035年には46.6億米ドルに達すると予測されている。市場成長を支える主な要因は、アイドリングストップ車の普及、車載電子機器の増加、交換需要の継続、そして自動車メーカーと電池メーカーの共同開発強化である。地域別では関東が2025年に市場を主導し、予測期間中のCAGRは8.9%とされる。製品別ではモーティブ用途が7.6%、構造別ではVRLAが7.9%で成長すると予測されている。

自動車用鉛蓄電池は、依然として始動、照明、点火、いわゆるSLI用途を中心に広く利用されている。近年は単純なエンジン始動用途だけでなく、インフォテインメント、ADAS、安全装備などの電子機器に安定した補助電力を供給する役割も重要になっている。こうした車載電装品の増加によって、従来型の鉛蓄電池よりも高い充放電性能や耐久性を持つEFBやAGMへの需要が拡大している。

特にアイドリングストップ車では、エンジンの停止と再始動を頻繁に繰り返すため、通常の鉛蓄電池よりも高いサイクル耐久性と充電受入性が必要になる。このため、AGMやEFBが重要な製品カテゴリーとなっている。レポートでは、燃料消費やCO2排出の削減を目的とするアイドリングストップ技術の普及が、高性能鉛蓄電池への投資を促しているとしている。

交換市場も大きな需要源である。鉛蓄電池は自動車本体より寿命が短いため、保有車両が存在する限り定期的な交換需要が発生する。日本では既存車両の保有台数が大きく、乗用車・商用車の双方で安定したアフターマーケットが形成されている。

OEMとの関係も市場成長に重要である。自動車メーカーは、車種ごとの電装負荷、補助電源要件、始動性能などに合わせて電池メーカーと共同開発を進めている。2026年4月にはGS Yuasaの電池技術がToyotaの新型RAV4に採用されたとされ、既存の鉛蓄電池メーカーが新型車でも引き続き重要なサプライヤーであることを示している。

製品別では、SLI、定置用、モーティブに分類される。このうちSLIが最大シェアを占め、乗用車や商用車の始動、照明、点火に広く利用されている。モーティブ電池は、フォークリフトや自動化設備など、自動車物流や工場内搬送設備で利用され、予測期間中のCAGRは7.6%とされる。

定置用電池は、自動車サービス施設、バックアップ電源、UPSなどで利用される。レポートでは、自動車用途に加えて、産業施設、通信、データセンターなどの安定電源需要も関連市場として挙げられている。ただし、今回の市場名は「自動車用鉛蓄電池」であるため、こうした定置用途の記述は市場範囲がやや広く取られている点に注意が必要である。

構造別では、フラッド型とVRLAに分類される。フラッド型は低コストで製造しやすく、従来型車両や価格重視の用途で引き続き利用されている。一方、VRLAはメンテナンスフリー、液漏れしにくい、高い充電性能を持つことから、現代の高電装車両で採用が増えている。

VRLAは予測期間中にCAGR7.9%で成長するとされる。特にAGMやEFBはアイドリングストップ車や高い電装負荷を持つ車両との相性がよく、今後も需要拡大が見込まれる。

2025年4月にはGS Yuasaが、ハイブリッド車向けの補助用VRLAシリーズ「ECO.R HV」を投入した。これは、ハイブリッド車でも12V系補助電源として鉛蓄電池が引き続き必要とされていることを示している。

2025年1月にはClariosが高性能AGM電池の受注を獲得し、2024年11月にはExideがアイドリングストップ車向けAGM製品群を拡大したとされる。こうした動きからも、鉛蓄電池市場が単純な低価格製品市場ではなく、高サイクル・高充電性能を持つ高付加価値製品へ移行していることが分かる。

VRLA技術そのものも改良が続いている。レポートでは、サイクル寿命、安定性、充電性能、漏液防止などが主要な技術開発テーマとして挙げられている。2026年3月にはPanasonicが「New-R」シリーズを投入し、サイクル性能と寿命の改善を図ったとされる。

車種別では乗用車が大きな市場を占める。乗用車ではエンジン始動だけでなく、インフォテインメント、安全装備、各種ECUなどに12V系電源が必要であり、ハイブリッド車でも補助電源用途として鉛蓄電池が残る。

一方、商用車も重要な成長分野である。長時間稼働、高い始動負荷、迅速な再充電、耐久性が求められるため、乗用車以上に電池性能への要求が厳しい。2026年3月にはGS Yuasaが商用車向けAGM電池Yuasa YBX9625を開発したとされる。

乗用車では、既存車両の交換需要がアフターマーケットを支えている。レポートでは、日本の比較的古い乗用車保有基盤によって定期交換需要が維持されているとしている。

地域別では関東が2025年に市場を主導し、予測期間中のCAGRも8.9%とされる。東京を中心に自動車メーカー、販売網、電池メーカーの地域拠点が集積し、サプライチェーンや顧客接点の整備が進んでいることが背景にある。

一方、2025年の関西の市場シェアは23.4%とされる。関西にはGS YuasaやPanasonicなど電池関連企業の技術・製造基盤があり、自動車・エネルギー分野のサプライヤー集積が市場を支えている。

中部は自動車生産・組立の集積を背景に、継続的な電池需要を持つ地域として位置付けられている。Toyotaを中心とする自動車産業の存在により、OEM向けと交換市場の双方で需要が形成されている。

競争環境では、GS Yuasa、Exide Industries、East Penn Manufacturing、Johnson Controls International、Leoch Internationalなどが挙げられている。各社はEFBやAGMの性能向上、生産能力拡大、OEMとの連携を強化している。

ただし、競争企業リストには注意が必要である。Northstar Recyclingは本文上、廃棄物管理・リサイクル企業として説明されており、自動車用鉛蓄電池メーカーとしての位置付けは不明確である。またJohnson Controlsについても、現在の自動車電池事業との関係をこのレポートだけで正確に判断するのは難しいため、これらはレポート上の競争企業として扱うのが適切である。

鉛蓄電池市場の強みの一つは、成熟したリサイクル体制との親和性である。レポートではフラッド型電池の利点としてリサイクル性が挙げられており、既存の回収・再資源化インフラを活用できることが他の電池化学系に対する競争力の一部になっている。

総合すると、日本の自動車用鉛蓄電池市場は2025年の21.4億米ドルから2035年には46.6億米ドルへ約2.2倍に拡大し、CAGR8.1%という比較的高い成長が見込まれている。

成長の本質は、EV化によって鉛蓄電池が完全に置き換えられるという構図ではなく、ハイブリッド車や高電装車でも12V補助電源、SLI、バックアップ用途が残り、さらに要求性能が高まっている点にある。特にAGM、EFB、VRLAのような高性能製品が市場の質的成長を支える。

2035年に向けた主要テーマは、「アイドリングストップ」「AGM・EFB」「VRLA」「12V補助電源」「高電装負荷」「交換市場」「OEM共同開発」「商用車」「リサイクル」に集約できる。日本の自動車用鉛蓄電池市場は、従来型の始動用電池市場から、複雑化する車載電装システムを支える高信頼・高耐久の補助電源市場へ移行していくと考えられる。

※目次構成

  1. エグゼクティブサマリー
    1.1 市場規模(2025~2026年)
    1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
    1.3 主な需要促進要因
    1.4 主要企業と競争構造
    1.5 業界のベストプラクティス
    1.6 最新動向と最近の展開
    1.7 業界見通し

  2. 市場概要およびステークホルダー分析
    2.1 市場動向
    2.2 主要産業分野
    2.3 主要地域/国
    2.4 サプライヤーの交渉力
    2.5 買い手の交渉力
    2.6 主な市場機会とリスク
    2.7 ステークホルダーによる主要施策

  3. 経済概要
    3.1 GDP見通し
    3.2 一人当たりGDPの成長
    3.3 インフレ動向
    3.4 民主主義指数
    3.5 政府総債務比率
    3.6 国際収支(BoP)の状況
    3.7 人口見通し
    3.8 都市化動向

  4. カントリーリスク分析
    4.1 カントリーリスク
    4.2 ビジネス環境

  5. アジア太平洋地域の自動車用鉛蓄電池市場分析
    5.1 主要業界ハイライト
    5.2 アジア太平洋地域の自動車用鉛蓄電池市場の過去実績(2019~2025年)
    5.3 アジア太平洋地域の自動車用鉛蓄電池市場予測(2026~2035年)

  6. 製品別・日本の自動車用鉛蓄電池市場

6.1 SLI(始動・照明・点火用)
 6.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.1.2 予測推移(2026~2035年)

6.2 据置用
 6.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.2.2 予測推移(2026~2035年)

6.3 動力用
 6.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.3.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 構造別・日本の自動車用鉛蓄電池市場

7.1 開放型
 7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 7.1.2 予測推移(2026~2035年)

7.2 VRLA(制御弁式鉛蓄電池)
 7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 7.2.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 車両タイプ別・日本の自動車用鉛蓄電池市場

8.1 乗用車
 8.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 8.1.2 予測推移(2026~2035年)

8.2 商用車
 8.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 8.2.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 地域別・日本の自動車用鉛蓄電池市場

9.1 関東
 9.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.1.2 予測推移(2026~2035年)

9.2 関西
 9.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.2.2 予測推移(2026~2035年)

9.3 中部
 9.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.3.2 予測推移(2026~2035年)

9.4 その他

  1. 市場ダイナミクス
    10.1 SWOT分析
    10.1.1 強み
    10.1.2 弱み
    10.1.3 機会
    10.1.4 脅威

10.2 ポーターの5フォース分析
10.2.1 サプライヤーの交渉力
10.2.2 買い手の交渉力
10.2.3 新規参入の脅威
10.2.4 競争の激しさ
10.2.5 代替品の脅威

10.3 主要需要指標
10.4 主要価格指標

  1. バリューチェーン分析
    11.1 主要ステークホルダー
    11.2 バリューチェーンの各段階

  2. 競争環境
    12.1 サプライヤー選定
    12.2 日本の主要企業
    12.3 主要地域企業
    12.4 主要企業の戦略
    12.5 企業プロファイル

12.5.1 East Penn Manufacturing Co.
 12.5.1.1 企業概要
 12.5.1.2 製品ポートフォリオ
 12.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.1.4 認証

12.5.2 EXIDE Industries
 12.5.2.1 企業概要
 12.5.2.2 製品ポートフォリオ
 12.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.2.4 認証

12.5.3 Johnson Controls International PLC
 12.5.3.1 企業概要
 12.5.3.2 製品ポートフォリオ
 12.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.3.4 認証

12.5.4 Northstar Recycling
 12.5.4.1 企業概要
 12.5.4.2 製品ポートフォリオ
 12.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.4.4 認証

12.5.5 GS Yuasa Corp(株式会社GSユアサ)
 12.5.5.1 企業概要
 12.5.5.2 製品ポートフォリオ
 12.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.5.4 認証

12.5.6 Crown Holdings Inc.
 12.5.6.1 企業概要
 12.5.6.2 製品ポートフォリオ
 12.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.6.4 認証

12.5.7 Leoch International Technology Ltd
 12.5.7.1 企業概要
 12.5.7.2 製品ポートフォリオ
 12.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 12.5.7.4 認証

12.5.8 その他

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