キャニオン新型グレイル発表、57mmタイヤ対応の第3世代へ
55mmタイヤでも前世代の40mmより低抗力。日本は4モデル展開、35万9000円から
キャニオンバイシクルズ・ジャパン株式会社は2026年9月17日(木)、グラベルレースバイク「グレイル(Grail)」の第3世代モデルを発表し、同日より販売を開始しました。フレーム・フォークともに最大57mm(2.25インチ)のタイヤクリアランスを確保し、風洞試験では実際のレースペースに近い35km/hで競合を上回る結果を記録しています。日本ではCFR Di2、CF SLX 8 AXS、CF SLX 7 Di2、CF 7の4モデルを展開し、価格は359,000円から940,000円(税込・輸入諸税込み)。キャニオン東京テストセンターでは本日より実車を展示します。

プロが求めた57mmのクリアランス
第3世代グレイルで最も大きく変わったのは、タイヤクリアランスです。第2世代の42mmに対し、第3世代はフレーム・フォークともに最大57mm(2.25インチ)幅のタイヤに対応します。15mmの拡大です。ISO規格上の余裕も4mm以上を確保しています。
開発の出発点は、選手からの要望でした。2024年のUnboundを制し、The Traka 360を新型グレイル CFRで勝ったロサ・クローザー選手は、荒れた路面を速く通過するために50mm超のタイヤを装着できるクリアランスを求めていました。50mmでは足りず、2.1インチ、2.2インチ、さらには2.25インチまで許容する必要がある。この判断が、プロジェクトの転換点になっています。
この数値を実現するため、Canyonは2×(フロントダブル)変速との互換性を手放しました。2×に対応させるとフレーム側のクリアランスは50mmが上限となり、2.25インチ幅のタイヤが入らないためです。第3世代グレイルは1×専用プラットフォームとなります。
あわせて、ドライブサイドのチェーンステーをソリッド構造としました。Canyonがこの構造を採用したのは今回が初めてで、細くても強度を保てる形状により、タイヤのための空間を最大限まで広げています。
なお、全モデルの標準装着タイヤは45mm幅です。57mmはあくまで上限であり、そこまでの範囲で路面や目的に応じてタイヤを選べる、という設計です。



第3世代で変わった8つのポイント
主な変更点は次のとおりです。
・タイヤクリアランス:フレーム・フォークともに最大57mm(2.25インチ)。第2世代は42mm
・駆動系:1×専用プラットフォームへ移行
・空力性能:35km/hでの風洞試験において、55mm幅タイヤ装着時でも第2世代の40mm装着時を下回る抗力を記録
・ホイールベース:第2世代より10mm延長
・スタック:前世代比15mm低下
・シートポスト:Canyon SP0093 VCLSエアロ(全モデル共通)。剛性重視の同等品と比較して25%高いコンプライアンスを確保
・LOADダウンチューブストレージ:CFRおよびCF SLXに搭載、収納量を拡大
・PACEテクノロジー:CFRおよびCF SLXに搭載。TX25の工具1本で、幅50mm・高さ20mmの範囲を調整でき、ひとつのコクピットで15通りのフィット設定が可能。ステアラーコラムの切断、スペーサーの積み増し、ブレーキのエア抜きはいずれも不要



空力性能の試験速度を35km/hに設定している点が、今回の開発姿勢を表しています。実際のグラベルレースで維持される巡航速度に近い条件で検証しており、より高い速度域での数値ではありません。
世代間の比較では、はっきりとした差が出ています。第2世代グレイルに40mm幅タイヤを装着した場合の抗力は115.7W。対して第3世代は、同じ40mmで110.0W、45mmで109.4Wでした。注目すべきは55mmを装着した場合で、113.6W。太いタイヤによる空力の不利を、フレーム側の改善が上回っています。つまり第3世代に55mmタイヤを履かせた状態は、第2世代に40mmを履かせた状態より速い、ということです。
ハンドリング面では、S〜Lの3サイズでヘッドチューブ角71.5度、トレール値69mmに揃えています。この範囲であれば、サイズが変わっても操作感が揃います。あわせてスタックを15mm下げ、より前傾の強いレースポジションを取れるようにしました。ホイールベースは57mmタイヤに対応するため10mm延長していますが、検証用の試作車による走行テストでは、ハンドリングへの悪影響は確認されていません。

新設計のControl Dropsを標準装備、あとから変更も可能
第3世代では、CFRとCF SLXの完成車すべてに新設計のControl Dropsを標準装備しました。オフロードでの操作精度を高めることを狙ったドロップ形状です。
・バー幅:370/395/420mm
・ドロップ量:120mm
・フレア角:17度
・リーチ:Classic Dropsと同等
PACE Technologyの利点は、この形状が固定ではないことです。ドロップバーを単品で購入して交換すれば、ポジションの方向性そのものを変えられます。
・Race Drops:46,000円(税込・輸入諸税込み)/リーチ+10mm(Classic Drops比)、フレア角14度、ドロップ量116mm、バー幅350〜400mm
・Compact Drops:46,000円(税込・輸入諸税込み)/リーチ-10mm(Classic Drops比)、フレア角8度、ドロップ量108mm、バー幅390〜440mm
また、全モデルに備わるGear Grooveには、Canyon GEAR GROOVEエアロエクステンション(110,000円、税込・輸入諸税込み)を装着できます。スピードマックスのプラットフォームに着想を得た設計で、重量は680g。長さ、高さ、グリップ角度、アームレストシェルの位置の4か所を調整でき、前腕サポートが手首の負担を軽減します。ウルトラエンデュランス系のイベントで長時間巡航する場面に対応する装備です。
※Canyon GEAR GROOVEエアロエクステンションはUCI規則には準拠していません。




日本展開は4モデル、35万9000円から
日本国内では4モデルを展開します。価格はいずれも税込・輸入諸税込みです。
・グレイル CFR Di2:940,000円/シマノGRX Di2 800系、DT Swiss GRC 1100(リムハイト50mm)
・グレイル CF SLX 8 AXS:779,000円/SRAM Force XPLR AXS、DT Swiss GRC 1400
・グレイル CF SLX 7 Di2:619,000円/シマノGRX Di2 700系、Canyon GR 50 CFカーボンホイール
・グレイル CF 7:359,000円/シマノGRX 600系(機械式)、Newmen Advanced G.34カーボンホイール
サイズ:2XSから2XLまでの7サイズ
上位2グレードのCFRとCF SLXは、PACEテクノロジーとLOADストレージを搭載します。CF 7は機械式変速ですが、カーボンホイールを標準装備しており、35万9000円という価格でグラベルレースの土俵に立てる構成です。
全モデルにGear Grooveを装備し、ライトやサイクルコンピューターのマウント、調整幅の広いエアロエクステンションを取り付けられます。CF SLXとCF はDEFEND Fast Fendersにも対応するため、季節を問わず走れます。





Cycliteと共同開発の新しいフレームバッグ
CanyonはバイクパッキングブランドのCycliteと協業し、ミッドローダーとトップチューブバッグを新たに用意しました。超軽量かつ防水で、走行を妨げない設計です。
ミッドローダーはプッシュ式の着脱機構を備えており、工具を使わずに素早く取り外しと装着ができます。レース中の補給ポイントやチェックポイントでの作業時間を削れる仕組みです。


Pirelliと共同開発した適正空気圧計算をCanyonアプリに追加
太いグラベルタイヤは、空気圧を下げて適度に変形させることで、路面の凹凸を吸収し、グリップと快適性を高めることができます。
Canyonはタイヤの変形量約20%を目安とし、Pirelliと共同開発した適正空気圧計算機能をCanyonアプリに追加しました。購入したバイクの仕様があらかじめ入力された状態で計算でき、すべての項目を自分で調整することもできます。

キャニオン東京テストセンターで試乗可能
場所:キャニオン東京テストセンター
所在地:〒192-0362 東京都八王子市松木51-7
試乗開始:2026年10月1日(木)
展示車両:グレイル CF SLX、グレイル CF
時間:9:00〜13:00(最終受付12:00)
費用:2,500円(税込)
※試乗開始日は予定です。変更となる場合があります。最新情報は予約ページをご確認ください。