2026年4月施行女性活躍推進法の改正
情報公表義務の対象拡大を受け、 企業に求められる「3つの視点」に基づいたロードマップづくりとは
「自分らしいワーク&ライフの実現へ」をミッションに、女性活躍・DEI推進事業やライフキャリア教育事業を展開するスリール株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役:堀江敦子、以下スリール)は、2026年4月に施行される女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)の改正を受け、企業に求められる実効性のある取り組みのあり方を整理しました。
今回の改正では、これまで従業員301人以上の企業に義務付けられていた「男女間賃金差異」等の情報公表が、101人以上の企業へと拡大されます。この「情報の可視化」を単なる義務対応に終わらせず、持続的な企業成長へと繋げるための重要な指針を提示します。

■ 背景:制度はあるが「活躍」に繋がらない構造課題
多くの企業ではすでに女性活躍に関する情報開示や制度整備が進められています。しかし、その一方で「制度はあるが活躍につながらない」「管理職候補層が思うように育たない」「若手女性の離職が止まらない」といった声も少なくありません。さらに、経営層が掲げる方針と現場の実態との間に温度差が生じ、推進が停滞してしまうケースも見受けられます。
2025年11月にスリールが発行した『両立不安白書2025』では、男女合わせての約6割が「仕事と子育ての両立に不安」を感じていることが明らかになりました 。また、両立不安を感じている層ほど、管理職などのキャリア意欲が高い傾向にあり、この不安を解消できない組織設計は、優秀な人材の離職や意欲低下に直結しているといえます。
■ 企業が今取り組むべきこと
改正法への対応を機に、企業は以下の3つの柱で組織を再設計する必要があります。
現在地を把握した上で、具体的に着手すべき領域を「3つの視点7つのポイント」で整理します。組織変革は現場の取組みだけでは変化しません。経営陣の取組み・現場の取組み・社内外コミュニケーションの3つの視点で継続的に総合的に実施する必要があります。
■視点1. 経営陣の取り組み:
①ビジョン・目標の明確化
②能力を評価できる仕組みづくり
③現場と経営を繋ぐ体制構築
■視点2. 現場(人事)の取り組み:
④管理職パイプラインの構築
⑤マネジャー層のアンコンシャス・バイアス払拭
⑥働きやすい環境整備
■視点3. 社内外コミュニケーション:
⑦社内外コミュニケーションを強め、社員に浸透させる/外部環境の変化を捉え、対話を行う
- 「5つのステップ」で自社の現在地を可視化する
女性活躍推進は、自社の課題やステップに合っていない施策を行っていても効果が出ません。スリールでは、過去数百社の支援実績に基づき、推進状況を5つのステップで作成しました。また各ステップに基づいて優先する対象者や支援策を提示しています。
■ステップ1:意識醸成期(採用しても早期退職が続く状態)
■ステップ2:両立実践期(育児中社員の継続が困難な状態)
■ステップ3:活躍へのシフト期(就業継続はできるが活躍に課題がある状態)
■ステップ4:キャリアアップ期(管理職像が画一的な状態)
■ステップ5:エグゼクティブ育成期(上位管理職への登用に課題がある状態)

- 「3つの視点と7つのポイント」で組織変革を進める
- 「両立支援」と「活躍支援」を両輪で設計
女性活躍推進の上で大事な視点は、「育児をしながらキャリアアップできる」という職場環境を作ることです。その際に「両立支援」と「活躍支援」を両輪で設計することが大切です。
「両立支援」とは、柔軟な働き方や休みやすさなどの支援、「活躍支援」は、昇進機会や経験の提供などの上司からのキャリアアップ支援です。
女性活躍を推進する際に、休みやすい制度づくりの「両立支援」に偏りすぎて、「活躍支援」がされておらず、キャリアアップができない構造になっている場合があります。
どちらか一方に偏るのではなく、「両立支援」と「活躍支援」を両輪で設計することが、女性管理職比率の向上やエンゲージメント強化といった経営成果を生み出します。
■不均衡が生む構造課題:
どちらか一方に偏った施策は、新たな組織課題を生みます。両立支援に偏れば、育児期社員の就業継続はできても、責任ある仕事を任されにくい「マミートラック」が発生し、本人の意欲低下や「活躍しない状態」を招きます。一方で、活躍支援のみを強化すれば、挑戦機会はあっても家庭との両立が困難になり、優秀な人材の離職(バーンアウト)を加速させるリスクがあります。
■統合設計の具体策:
具体的には、法定以上の育児休業や在宅勤務、フレックスタイム制などの「両立支援」を土台としつつ、それらを活用しても不利にならない人事考課基準の明確化や、女性の役職者登用を促進する「活躍支援」を組み合わせていきます。さらに、思い込みを排除するアンコンシャス・バイアス研修を実施し、本人のキャリア意欲を引き出す「対話」をセットにすることが重要です。
■期待される経営成果:
この両輪を回す設計は、単なる女性施策にとどまりません。若手の離職率改善、管理職候補層の拡大、さらには全社員のエンゲージメント向上や採用競争力の強化といった、人的資本経営における重要課題の解決に直結します。
人的資本経営の実現と社員の「活躍創出」を支援するプログラム一覧
スリールでは、 2010年から15年以上、女性活躍・DEIのコンサルテーションを数百社に実施してきました。人的資本の情報開示など企業価値向上の支援までできるだけではなく、研修では参加者の94.6%が「行動しようと思った」と回答し、意識が変革する支援をしています。累計2万人以上へ実施した実績と専門性を活かし、法改正を契機とした本質的な組織変革に伴走します。
人事部門や経営企画部門の担当者が自ら課題を分析し、ロードマップを策定・推進できる「自走型人材」の育成に力を入れています。また、企業向けサービスとして、課題分析からロードマップ作成、施策実行、効果測定まで、PDCAを回しながら一貫した伴走支援を行う点を特長としています。各社の課題に応じて、制度・風土・意識の変革を支援し、持続的な組織変革の実現を後押しします。
【企業への自走支援】
▼「女性活躍リードコンサルタント」養成講座:
社内の担当者が自ら課題を分析し、必要な施策を考えロードマップまで作成できる力を育成。
▼事例のご紹介:日本生活協同組合連合会:全国の担当者を「変革のリーダー」に育成する組織改革
【サービス提供】
■課題分析リサーチ:
人事データを用いた定量調査と社員意識調査(ヒアリング等)を用いて課題を浮き彫りにし、実効性の高いアクションプラン・ロードマップを策定。
■管理職・経営陣への変革を促す体感型プログラム:
管理職・経営層が育児期社員の状況を疑似体験(両立家庭への訪問や1週間定時退社等)することで、課題の本質を理解し、DEI推進の本気度を高める、「育ボスブートキャンプ」「育ボストライ」などの独自の支援プログラム。
■女性社員向け・マネジメント層向け研修:
体験型プログラムを提供し続けてきた知見を活かし、実践的にワークを多く取り入れ、行動変容にコミットした研修を若手・育児中~管理職・経営層まで幅広く提供。
スリール株式会社 代表取締役 堀江 敦子のコメント
今回の改正は、企業が真の人的資本経営へと舵を切る大きな転換点です。今求められているのは、表面的な数値公表や制度作りではなく、性別やライフイベントに関わらず「誰もが能力を発揮し続けられる組織への再設計」に他なりません。
私たちが発表した『両立不安白書2025』では、男性の約6割が両立不安から離職を検討しているという実態も明らかになりました。女性活躍は、もはや一部の層のためではなく、全社員のパフォーマンスを最大化させるための経営戦略です。この法改正を、組織の未来を創る「攻めの組織変革」の好機と捉え、実効性のあるロードマップを共に描いていければ幸いです。
書籍のご案内:「女性活躍から始める人的資本経営 多様性を活かす組織マネジメント」
スリール代表堀江がこれまで女性活躍推進を本質的に進め、経営成果に繋げるための理論と実践をまとめた一冊です。
まだ世の中で女性活躍推進が注目されていない2010年から組織のダイバーシティ推進コンサルティング・研修を1.5万人以上に提供してきた長年の知見を生かした書籍になっています。なぜ今人的資本経営が注目されているのかといった歴史的背景から、ダイバーシティが組織に与えるポジティブな効果、具体的なアクションプランの作り方まで、理論・実践・データの全てを網羅しています。
スリール株式会社 企業概要
代表 : 堀江 敦子
設立 : 2010年11月
所在地 : 〒113-0033 東京都文京区本郷三丁目30-10 本郷K&Kビル5階・6階
小野田総合法律事務所内 social hive HONGO
HP : https://sourire-heart.com/
業務内容: 企業向けコンサルティング・研修、ライフとキャリアの
デザイン教育(ワーク&ライフ・インターン運営)、 個人向けセミナー開催など