参考資料(Oracle AppsWorld 2002 San Diego特別レポート)Oracle AppsWorld 2002開幕
カリフォルニア州サンディエゴで4月8日、「Oracle AppsWorld 2002」カンファレンスが開幕しました。オラクル・コーポレーション(米国カリフォルニア州レッドウッドショアズ、会長兼CEO:ラリー・エリソン、NASDAQ:ORCL)が本社を置くサンフランシスコから南約800マイルに位置するサンディエゴは、ラリー・エリソン会長兼CEOがチャレンジするヨットレース、アメリカズカップの開催地として知られています。会期中の登録来場者9000名が集う本カンファレンスは「Oracle E-Business Suite」の最新情報を得られる重要な機会として定着しております。
オープニングの基調講演に登場したオラクルのチーフマーケティングオフィサー,マーク・ジャービス上級副社長は,「今回のテーマは、旧バージョンから新バージョンへの移行、つまり”アップグレード”であり,それをいかにサポートしていくかにフォーカスしている」と話しました。オラクルでは、今回のAppsWorldカンファレンスを通じて「E-Business Suite 11i」導入による成功事例を示しながら、「11i」の機能を完全に適用することによって、顧客の競争優位性を確保する「早期アップグレード」を促していきたいとしています。
オラクルは1999年,他社に先駆けてインターネットベースのCRMをリリース、当時のバージョンに統合して「E-Business Suite」を出荷いたしました。SAPやピープルソフト競合他社は当初、各々のアプリケーションをつぎはぎする手法「ベスト・オブ・ブリード」を唱えましたが,その後は統合、スイート(suite)化が主流となっています。
「1つのデータベース,1つのデータモデルの上で一連のアプリケーション,例えばCRMとERPがギャップなく連係し、世界中いつ、どこからでも同じ情報にアクセスできるようにするのがわれわれのE-Business Suite」とジャービス氏。
また、「Oracle9i」という1つのパワフルなデータベースに情報が格納されているため,日々ビジネスが行われていく中で、どこに問題が隠れているのかを発見し、素早く手を打つこともできます。オラクルは今年1月、アムステルダムで行われた欧州版のAppsWorldで、日々のビジネスを可視化する「Daily Business Close」をコンセプトに掲げ、俊敏な経営の重要性も説いています。
ジャービス氏は,「E-Business Suiteにビジネスインテリジェンスの機能を持たせれば,問題がどこにあるのかすぐに分かるようになる。(Daily Business Closeベースの)新しい機能がどんどんスイートに追加されていくと期待してほしい」と話しています。
●「カスタマイズなし」をアピール
「スイート vs. ベスト・オブ・ブリード」の戦いに決着をつけたオラクルは、再び大胆な「ノー・カスタマイズ」キャンペーンを打ち出しました。
基調講演の中でジャービス氏は、昨年、粗鋼の生産量で世界トップに立った韓国の浦項総合製鉄(ポスコ)が「11i」を稼動させ,早くも年間1.2億ドルのコスト削減を実現している事例を紹介しています。「ポスコのアプローチは,全社をE-Business Suite 11iで標準化し,しかもカスタマイズはしていない。むしろ、ビジネスプロセスを再設計した」(ジャービス氏)
オラクルでは、製品のスイート化を機に「Oracle Applications」の名称を「E-Business Suite」に切り替え、過去のバージョンも併せてブランドを統一していますが、実際には12,000ユーザー中、最新の「11i」ユーザーは10パーセントに過ぎません。ジャービス氏も「顧客の”アップグレード”をいかにサポートしていくかが重要である」と話しています。正式にカンファレンスが開幕する前日の日曜日には特設セッションとして「11i Upgrade Forum」が開催されました。
一方、本日、アップグレードを検討する顧客たちを支援するための具体的なプログラムが発表されました。
「Oracle's 11i Upgrade to E-Business Suite Outsourcing」と呼ばれるアップグレードサービスは、従来バージョン「10.7」や「11.0」ベースのシステムを「11i」で構築したオラクルのホスティングサービスへと移行してもらうことで、短期間で「11i」へのアップグレードとITコストの大幅削減を提供しようというものです。このプログラムを採用する顧客企業は、引き続き5年間、メジャーリリースへのアップグレードサービスを受けられます。
オープニングの基調講演のあとに行われたプレス向けのQ&Aセッションでは、幾つかの「11i」採用企業が紹介されました。中でもワシントンD.C.に本社を置くジョン・アイ・ハァスは、「E-Business Suite 11i」をオラクルのオンラインサービス(Oracle Online Services)で利用し、運用コストが従来の20パーセントという、劇的な引き下げに成功しています。
■本件に関する報道関係お問い合わせ
日本オラクル株式会社 広報部 玉川