AILEX、利用者数1,000名を突破 ― パラリーガル・事務員を含む「事務所単位」での導入が進展。mints機能の強化案を発表

mints電子提出義務化から3か月、施行後の実務課題に対応する新機能を実装予定

2026-08-25 19:40
AILEX合同会社

弁護士事務所向けAIリーガルプラットフォーム「AILEX(エーアイレックス)」を開発・提供するAILEX合同会社(東京都渋谷区、代表社員:上村 十勝)は、AILEXの累計利用者数が1,000名を突破したことをお知らせいたします。あわせて、2026年5月21日に全面施行された改正民事訴訟法のもとで顕在化した実務課題に対応するため、民事裁判書類電子提出システム「mints(ミンツ)」関連機能の拡張を予定していることをお知らせいたします。

https://ailex.co.jp

本リリースにおける利用者数は、弁護士のみならず、パラリーガル・事務職員の皆さまを含めた実際にAILEXをご利用いただいているアカウント数を指します。
AILEXは、法律事務所の業務が弁護士単独ではなく事務局を含めたチームで遂行されている実態を踏まえ、事務職員の方の利用環境整備を重視した設計を進めてまいりました。

◼️ 利用者数1,000名突破の背景 ― 「弁護士だけのツール」からの脱却

法律事務所の実務において、書類の作成・整理・提出準備といった工程の多くは、パラリーガルや事務職員の皆さまが担っています。しかしながら、法律事務所向けの業務支援ツールの多くは弁護士個人を利用単位として設計されており、事務職員の方が同じ環境で作業できないことが、かえって業務の分断を招くという課題が指摘されてきました。

AILEXは、この課題に対応するため、弁護士1名につき事務職員1名分のアカウントを無償でご利用いただける枠を設けています(2026年3月11日時点の提供条件)。この方針により、弁護士と事務職員が同一のデータ基盤の上で作業を分担できる環境が整い、事務所全体としての導入が進みました。今回の1,000名突破は、こうした「事務所単位」での導入が積み上がった結果であると認識しております。

ご利用中の法律事務所様からは、「これまで弁護士に確認しなければ進められなかった作業を、事務局側で下準備まで進められるようになった」「同じ画面を見ながら指示ができるため、口頭やメールでのやり取りが減った」といったご評価をいただいております。

◼️ 主たる導入層は弁護士1名から5名規模の法律事務所

日本の法律事務所の大半は、弁護士1名から5名規模のいわゆる小規模事務所です。これらの事務所では、専任の情報システム担当者を置くことが難しく、業務システムの選定・導入・運用のすべてを弁護士自身または少数の事務職員が担っているのが実情です。

一方で、既存の法律事務所向けシステムの多くは、企業法務を扱う大規模事務所や企業の法務部門を主たる想定利用者として設計されてきました。契約書のレビューや条項の管理を中心とする機能構成は、一般民事・家事事件を主に取り扱う小規模事務所の日常業務とは必ずしも合致しません。

AILEXは、この層に固有の業務、すなわち事件記録の管理、期日と期限の管理、書面作成、証拠の整理、依頼者とのやり取り、そして裁判所への提出準備までを一つの基盤の上で完結させることを設計思想としています。導入にあたって専門的な設定作業を要さず、ブラウザから利用を開始できる点も、この層に受け入れられた要因であると考えております。

◼️ パラリーガル・事務職員の業務環境の整備

法律事務所の生産性を左右するのは、弁護士個人の作業速度だけではありません。事務局が担う定型業務をどれだけ円滑に処理できるかが、事務所全体の処理能力を決定づけます。

とりわけ電子提出が義務化された現在、書類のPDF化、ファイル名の整備、証拠番号の付与、提出前の形式確認といった工程は、その多くが事務職員の方の担当領域に属します。しかし前述の弁護士ドットコムの調査によれば、mintsの操作について「すべて自分でしている」と回答した弁護士が71.7%を占め、「一部を秘書・事務員に任せている」は16.4%にとどまっています。本来であれば分担が可能な工程まで弁護士が抱え込んでいる実態がうかがえます。

AILEXは、事務職員の方が担当できる工程を明確に切り分け、弁護士による確認が必要な箇所のみを弁護士に回す運用を支援します。事務職員向けのアカウントを無償枠として提供しているのも、こうした分担が金銭的な理由で妨げられないようにするためです。

◼️ mints電子提出義務化から3か月 ― 市場の課題は「準備」から「運用定着」へ

2026年5月21日、改正民事訴訟法(令和4年法律第48号)が全面施行され、弁護士等の訴訟代理人による裁判書類の電子提出が原則として義務化されました。対象となるのは全国の地方裁判所・高等裁判所・簡易裁判所における通常民事訴訟であり、正当な理由なく書面で提出した場合には、方式違反として却下される可能性があります。

施行前、リーガルテック業界の関心はもっぱら「義務化にどう備えるか」に向けられていました。しかし施行から3か月が経過した現在、現場の課題は明確に次の段階へ移行しています。

弁護士ドットコム株式会社が2026年5月19日に公表した「民事裁判IT化に向けた弁護士への意識調査2026年版」(会員弁護士301名を対象、2026年4月19日から20日にかけて実施)によれば、mintsの利用者登録を済ませた弁護士は86.7%に達しています。一方で、担当事件において「実際の裁判では使用したことがない」と回答した弁護士は39.1%にのぼりました。

つまり、登録という形式的な準備は大きく進んだにもかかわらず、実務での運用に不安を残す弁護士が今なお約4割存在するということです。同調査では、義務化後も「きちんと綴じた紙ファイルを作る」との回答が57.5%を占めており、紙を前提とした業務慣行が根強く残っている実態も示されています。

AILEXは、この「登録は済んだが、日常の運用が固まっていない」という段階にこそ、業務支援ツールの果たすべき役割があると考えています。

また施行にあわせて、手続の各所で運用が大きく変わりました。書面への押印は不要となり、識別符号と暗証符号および二要素認証によって本人性が担保されます。申立て手数料は収入印紙に代えてペイジーによる電子納付が原則となり、送達のための郵便費用も手数料に一本化されたため、郵便切手の予納が不要になりました。訴訟記録は電磁的記録として保管され、当事者および代理人は開庁時間にかかわらず閲覧・ダウンロードが可能となっています。

これらは個々に見れば負担の軽減につながる変更ですが、実務の手順が一斉に切り替わったことにより、事務所内の作業標準を組み直す必要が生じています。

◼️ 現在提供中のmints対応機能

AILEXは、mintsへの提出準備を支援する機能群を標準機能として提供しています。主な内容は以下のとおりです。

・mints提出パッケージの自動生成
 事件に紐づく主張書面・書証・証拠説明書を、mintsの提出要件に沿ったフォルダ構成のZIPパッケージとして生成します。提出用のPDFと補助資料を明確に分離し、アップロード対象を取り違えないよう配慮しています。

・提出前の形式チェック
 1ファイルあたり50MBの容量上限、ファイル名50文字以内という制限、ファイル名に使用できない記号の混入、PDFのパスワード保護の有無、テキストレイヤーの有無などを提出前に検証し、アップロード時のエラーを未然に防ぎます。

・証拠番号の自動採番と証拠番号スタンプ
 書証への通番付与と、PDF上への証拠番号の自動表記に対応しています。差分提出の際には、前回パッケージの最終番号からの続番を割り当て、重複や欠番の発生を防ぎます。

・証拠説明書のAIドラフト生成
 書証の内容から、標目・作成者・作成日・立証趣旨の記載案を作成します。立証趣旨は訴訟戦略に関わる事項であるため、必ず下書きとして提示し、弁護士による修正を前提とした設計としています。

・50MB超ファイルの分割支援
 容量上限を超える録音データや大量ページのPDFについて、枝番ファイル名を自動生成しながら分割案を提示します。

・閲覧等制限の要否チェック
 マイナンバー、金融機関口座、医療情報など、閲覧等の制限の申立てを検討すべき情報が書面に含まれていないかを検査します。本機能は外部のAIサービスを一切利用せず、完全にサーバー内部で実行されるため、依頼者の情報が外部へ送信されることはありません。

・提出履歴管理と差分パッケージ生成
 訴訟の進行に伴う複数回の提出に対応し、前回提出以降に追加された文書のみを抽出したパッケージを生成します。

・送達管理ダッシュボード
 電子送達について、閲覧・ダウンロード・通知からの経過期間を追跡し、応答期限を管理します。

◼️ 実装予定の新機能 ― 施行後に顕在化した3つの課題への対応

施行後の実務において新たに顕在化した課題に対応するため、AILEXは次期バージョンにおいて以下3機能の実装を予定しています。いずれもAIによる文章生成ではなく、形式チェックと期限計算を中心とした機能です。

【1】電子送達における起算点管理の精緻化

改正民事訴訟法のもとでのシステム送達は、書類を閲覧した時、ダウンロードした時、または通知が発せられた日から1週間を経過した時のいずれか早い時点で効力が生じます。この「1週間ルール」の見落としは、控訴期間の徒過に直結する重大なリスクです。

さらに実務上、より注意を要するのが改正民事訴訟法第109条の4の規律です。弁護士等の訴訟代理人に対しては、送達を受ける旨の届出をしていなくてもシステム送達が可能とされており、この場合には通知メールそのものが送信されません。効力発生の起算点は「措置がとられた日」に読み替えられるため、何の通知も受け取らないまま送達が完了し、控訴期間が進行するという事態が生じ得ます。

AILEXは、事件ごとに送達の届出状況を記録し、届出がなされていない事件について記録の定期確認を促す仕組みを実装します。あわせて、責めに帰することができない事由により閲覧・ダウンロードができなかった期間について、算入しない期間を登録して期限を再計算できるようにします。判決書については、控訴期間を他の応答期限とは区別して管理し、伸長することができない不変期間である旨を明示します。

また、補助者アカウントによる閲覧・ダウンロードによっても送達の効力が生じることを踏まえ、事務職員の方が記録を開く前に確認を促す手順を設けます。

【2】新法事件と旧法事件の自動判別

改正法は、施行後に提起された訴えに適用されます。施行前から係属している事件については、引き続き従来どおり書面で審理が進められます。控訴事件・抗告事件については、原審の申立日が基準となります。

その結果、多くの法律事務所では当面のあいだ、電子提出が義務づけられる事件と、書面で進行する事件とが並行して存在することになります。加えて、民事執行・民事保全・倒産手続・家事事件・人事訴訟・非訟事件・労働審判については現時点でmintsの対象外であり、これらのデジタル化は2028年6月までに順次進められる予定です。

AILEXは、事件の提起日と手続類型から適用区分を自動判定し、事件一覧および事件詳細に区分を表示します。書面で進行すべき事件についてmints提出パッケージの生成が行われようとした場合には、生成前に注意喚起を表示します。自動判定の結果は弁護士が手動で確定させることもできます。

なお、既存の登録済み事件については、受任日等からの機械的な推定は行いません。誤った推定は、書面で提出すべき事件を電子提出の対象と誤認させる結果を招きかねないためです。提起日が不明な事件は不明なものとして扱い、入力を促す設計としています。

【3】外字の検出と代替表記の提案

当事者の氏名に含まれる外字(機種依存文字)は、当事者情報のCSV取込時のエラーや、PDF生成時の文字化けの原因となります。

AILEXは、当事者の氏名・住所等に含まれる文字を複数の文字コード体系にわたって検証し、文字化けの生じやすさを4段階で判定する機能を実装します。判定結果に応じて、常用字体による表記案や、原表記を併記する運用、当該部分を手書きしたPDFを添付する運用などを案内します。

本機能は自動置換を行いません。当事者の氏名表記は当事者の同一性に関わる事項であり、代替表記を採用するか否かは法的判断を要するためです。AILEXは検出と選択肢の提示にとどめ、最終的な表記の決定は弁護士が行う設計としています。なお本機能も外部のAIサービスを利用せず、氏名等が外部へ送信されることはありません。

◼️ TreeeS移行を見据えた設計方針

最高裁判所が開発を進めてきた次期システム「TreeeS」は、開発の遅延により2026年2月に導入延期が決定されました。当面の全面デジタル化は改修されたmintsによって対応され、TreeeSの実際の導入は2027年度中との見通しが示されています(日本弁護士連合会 会長声明・2026年5月21日)。

この結果、法律事務所は「紙からmintsへ」に続いて「mintsからTreeeSへ」という二段階の移行に対応する必要が生じています。日弁連の会長声明においても、TreeeS導入後は申立て方法の異なる複数の事件が同時に併存することとなり、過誤が生じないよう注意が必要である旨が指摘されています。

AILEXは、提出に必要な情報を特定のシステムの仕様に依存しない形式で保持する設計を進めており、システムの移行に伴う事務所側の負担を吸収する層としての役割を担うことを目指しています。

◼️ 依頼者情報の保護に対する考え方

法律事務所におけるAI活用の最大の障壁は、依頼者情報の取扱いです。外部のAIサービスへ依頼者の情報を送信することについて、依頼者への説明や同意取得が必要になるとすれば、その時点で導入は現実的でなくなります。

AILEXは、外部のAIサービスへ情報を送信する前段階で、氏名・住所・電話番号等の個人情報を自動的に匿名化する仕組み(PIIマスキング)を備えています。AIによる処理が完了した後、事務所内で結果を表示する際に元の情報へ復元します。本技術については特許出願を準備しております。

あわせて、閲覧等制限チェックおよび外字チェックのように、依頼者情報を直接扱う機能については、外部サービスを一切利用せずサーバー内部で完結する実装を採用しています。

◼️ 「検証可能なAIリーガルOS」という位置づけ

AILEXが掲げるのは、AIの「便利さ」ではなく「証明可能性」です。すべての生成は記録され、すべての判断は検証できる状態に置かれるべきであるという考え方に基づいています。

この考え方を技術仕様として整理したものを、インターネット技術の標準化を担うIETF(Internet Engineering Task Force)にInternet-Draftとして提出しています。本ドラフトは2026年8月時点でドラフトとして公開されている段階であり、IETFによる承認や標準としての採択を受けたものではありません。

 ドラフト情報:https://datatracker.ietf.org/doc/draft-ailex-vap-legal-ai-provenance/

◼️ モバイル対応

AILEXはiOSアプリを提供しています。裁判所への出廷、依頼者訪問、接見など、弁護士の業務の相当部分は事務所外で発生します。送達通知や期日のリマインドを確実に受け取れる環境は、期限管理の観点から重要性を増しています。

 App Store:https://apps.apple.com/app/id6760126068

◼️ 今後の展開

AILEXは今後、以下の領域について順次対応を進めてまいります。

・手数料の電子納付(ペイジー)に関する管理機能
・システム障害等により書面で提出する場合の、例外事由を記載した書面の作成支援
・補助者アカウントの管理機能
・受任前の相談受付から事件登録までの一貫した処理
・AWS東京リージョンへの基盤移行と、第三者認証の取得に向けた体制整備

また、事業基盤の強化と外部資本の受入れを見据え、AILEX合同会社からAILEX株式会社への組織変更を今年度内に予定しております。

◼️ 弁護士法に関する注記

AILEXは、弁護士の業務効率化を支援するツールであり、弁護士法第72条に基づく法律事務を行うものではありません。AILEXが生成する文書・分析・チェック結果は、いずれも参考情報および下書きであり、最終的な内容の確認・修正・判断は弁護士が行うことを前提としています。

本リリースに記載した期限計算・形式チェック・外字判定等の機能についても同様であり、実際の手続における適用法令および期限については、弁護士による確認が必要です。

本リリースの一部にはAIによる生成物が含まれており、公開にあたって当社にて内容を確認しております。

◼️ 会社概要

商号:AILEX合同会社
事業責任者:山川 慎太郎
所在地:〒150-0043 東京都渋谷区道玄坂1-10-8 渋谷道玄坂東急ビル
法人番号:6011003023659
事業内容:弁護士事務所向けAIリーガルプラットフォーム「AILEX」の開発・提供
顧問弁護士事務所:弁護士法人えそら
コーポレートサイト:https://ailex.co.jp
サービスサイト:https://users.ailex.co.jp
公式LINE:https://lin.ee/P9JAWZp

◼️ 本件に関するお問い合わせ

AILEX合同会社 広報担当
電話:03-6821-7462
メール:info@ailex.co.jp
受付時間:平日10時から18時

以上