「Oracle Enterprise Manager」トップダウン方式のアプリケーション管理に独自の新機能を提供
2007年11月13日「Oracle OpenWorld」サンフランシスコ発 ―― オラクルは本日、アプリケーションとITインフラストラクチャ・リソースの管理に対する「トップダウン」方式のアプローチを発展させる、「Oracle Enterprise Manager 10g」の新たな強化機能を発表しました。この強化機能はアプリケーションのライフサイクル全体にわたり、カスタムとSOAベースのアプリケーション、およびパッケージ・アプリケーションを対象としてさまざまな機能の提供や、本番環境のアプリケーションに対して高速なパフォーマンス診断を行います。また、オラクルの「Siebel CRM HelpDesk」および「PeopleSoft Enterprise HelpDesk」アプリケーションとの統合による簡素化されたインシデントおよび問題管理、「Oracle Business Intelligence」に対する拡張された管理機能、およびアプリケーションのライフサイクル全体を通じたシンプルかつ安全なデータ共有も提供しています。
アプリケーション管理に対するオラクルのトップダウン方式のアプローチは、技術的な視点からのものかビジネス的な視点からのものかを問わず、アプリケーションをエンド・ツー・エンドで監視するというニーズに独自の方法で対処します。またシステム障害に対して容易に関連付けることができない、低レベルのアラートによって引き起こされる混乱を事実上解消します。これは従来のシステム管理ソフトウェアでは一般的な、また大きなコスト要因となる問題であり、またしばしば長期にわたるアプリケーション停止の原因ともなっていたものです。
オラクルのシステム管理製品担当バイスプレジデントのRichard Sarwalは、「アプリケーション管理に対するオラクルのトップダウン方式のアプローチは、顧客がより優れた業績を達成されることを目的として用意されたものです。Siebel CRM HelpDeskおよびPeopleSoft Enterprise HelpDeskアプリケーションによるインシデントおよび問題追跡を可能にするコネクタの追加、およびOracle Enterprise ManagerのApplication Diagnostics for Java機能を使用したアプリケーション・パフォーマンス管理機能により、オラクルはトップダウン方式によるアプリケーション管理戦略に沿った新しい大きな一歩を刻みました」と述べています。
IDCのEnterprise System Management Software担当プログラム・バイスプレジデント、Tim Grieser氏は、「この新バージョンにより、オラクルはOracle Enterprise Managerを通じたアプリケーション管理機能の幅と深さをいずれも拡大し、本番環境におけるJavaアプリケーションのパフォーマンスの問題を詳細に診断する機能を提供しています。またJavaアプリケーション・サーバーとデータベース・セッションとの間のやり取りを追跡することも可能になりました」と述べています。
【アプリケーション・パフォーマンスの管理を次のレベルへ】
「Oracle Enterprise Manager」に新しく装備された「Oracle Application Diagnostics for Java」機能は、アプリケーションの性能と可用性に対する影響を最小限に抑えながら、本番環境のJavaアプリケーションに関する性能上の問題を監視および診断することができます。BCI (Byte Code Instruction) を利用する大半のJavaパフォーマンス管理ツールとは異なり、この機能は本番アプリケーションに対して1%未満のオーバーヘッド負荷しか掛けず、また、アプリケーション・ロジックへの深い理解も必要としない、画期的な診断エンジンを使用しています。この新機能はまたホット・プラガブルなアーキテクチャを持ち、アプリケーション・サーバーを停止することなく異種混在のミドルウェア環境においても診断エンジンを利用することができます。「Oracle Application Diagnostics for Java」は、「Oracle Application Server Diagnostics Pack」および新ライセンス「Oracle Diagnostics Pack for Non-Oracle Middleware」に含まれています。
【アプリケーション階層全体にわたってパフォーマンス診断を改善】
エンドユーザーが抱えるパフォーマンス上の問題の診断は、複数の層にまたがるWebアプリケーションや、Webベースのアプリケーションが持つ動的な性質のため複雑さを増してきています。「Oracle Application Diagnostics for Java」は、アプリケーション管理者が稼働中のトランザクションを追跡し、ユーザーからのJavaアプリケーションに対するリクエストとデータベースでのアクティビティとを関連付ける強力な診断機能を備えています。同様に、データベース管理者はデータベース内でリソース競合を引き起こしているJavaアプリケーションを迅速に特定することができます。この複数の層にまたがる診断を通して、各層でのリソースのボトルネック特定が可能になるため、問題解決までの時間が短縮されます。
【「Siebel CRM Diagnostics」と「Oracle Enterprise Manager」との統合】
「Siebel CRM」の診断機能は「Oracle Enterprise Manager」に組み込まれ、「Siebel CRM」とそのベースとなるインフラストラクチャ内において問題の診断を行う、ひとつに統合された環境が実現しました。「Siebel CRM」の管理者は「Oracle Enterprise Manager」を「Siebel CRM」のエンド・ツー・エンドの管理に使用することができ、またユーザーとサーバーのパフォーマンス分析に基づく「Siebel CRM」の診断を簡素化することができます。また「Siebel CRM 8.0、7.8、および7.7」を含むサポート範囲の拡大も「Siebel CRM」を利用されている顧客に貢献しています。
【アプリケーションのライフサイクル全体を通じて管理機能を強化】
新しい「Siebel CRM HelpDesk」および「Peoplesoft Enterprise HelpDesk」アプリケーション向けの「Management Connectors」は、従来にないレベルでの自動化と問題解決が可能な、エンド・ツー・エンドのITインシデントおよび問題管理ソリューションの提供を可能にしました。これらのコネクタは、「Siebel CRM HelpDesk」と「PeopleSoft Enterprise HelpDesk」の顧客に対し、インシデントのログ記録と追跡からスタック全体にわたる問題管理、パッチ適用、および調達を含むトップダウン方式のアプリケーション管理までにわたる、統合されたソリューションのメリットを提供します。「Oracle Enterprise Manager」と「Siebel CRM HelpDesk」および「PeopleSoft Enterprise HelpDesk」アプリケーションの間の双方向の統合は、「Oracle Enterprise Manager」によって取得されたインシデントについてサービス要求を自動的に作成することによる、サポート・プロセスの省力化を支援します。サポート・アナリストの皆さんは、これらのヘルプデスク製品を使用することで、問題の解決までの時間を短縮できます。
【ビジネス・インテリジェンス管理機能の拡大】
「Oracle Management Pack for Business Intelligence」は「Oracle Enterprise Manager」の新たなライセンスであり、トップダウン方式のアプリケーション管理のメリットを「Oracle Business Intelligence Enterprise Edition Plus」にも拡大するものです。BI Management Packを使用することで、顧客には発生が予想される問題についてアラートが事前に提供され、パフォーマンス上の問題のトラブルシューティングとチューニングを行えます。また構成管理や構成ポリシーの強制、そして「Oracle Business Intelligence Enterprise Edition Plus」の展開に対するSLAの適用が可能となります。
【アプリケーションのライフサイクル全体を通じた容易で安全なデータ共有】
更なる新機能として「Oracle Data Masking Pack」があります。これはマスキングのルールを使用して、本番環境の機密情報を現実的かつ安全なデータに置き換えることで、本番環境に含まれる機密データを保護する機能です。本機能によってアプリケーション開発、テスト、品質保証、および業務処理を含むさまざまなニーズに対応した、アプリケーション・データ共有のための拡張性に富む、安全なソリューションが提供されます。詳細については本日の関連ニュースリリースをご覧ください。
● 提供予定と価格
上記の新機能/強化機能は「Oracle Enterprise Manager 10g Release 4」としてすでに提供開始されています。
「Oracle Application Server Diagnostics Pack」と「Oracle Diagnostics Pack for Non-Oracle Middleware」はそれぞれ、CPUあたり6,000米ドルとなっています。「Management Connectors」は5,000米ドルです。「Oracle Management Pack for Business Intelligence」はCPUあたり10,000米ドルとなっています。「Oracle Data Masking Pack」はマスキング対象となるデータのあるサーバーのCPUあたり10,000米ドルとなっています。
※日本での提供予定および価格は未定です。
「Oracle Enterprise Manager 10g Release 4」とプラグイン、コネクタ、および「Management Packs」製品群の詳細に関しては、http://www.oracle.com/enterprisemanager/ からダウンロードできる無料の評価用コピーをご利用ください。一定の規約、条件、および制限が適用されます。
●「Oracle Enterprise Manager 10g」について
「Oracle Enterprise Manager」は、アプリケーション、ミドルウェア、データベース管理を横断して、オラクル・システムと他社システムの管理を行う統合エンタープライズ管理ソリューションで、世界各地に21,000を超える「Management Pack」顧客を有しています。アプリケーションとITインフラの管理に「トップダウン」方式を採用した「Oracle Enterprise Manager」を使用すれば、俊敏性の向上、サービス品質の向上、業務コストの低減といった、ビジネスに重要な要素に注力できます。システム管理、構成管理、プロビジョニング、エンド・ツー・エンドのモニタリング、サービスレベル管理、セキュリティなど、豊富な機能を備えた「Oracle Enterprise Manager」では、サービスレベルを管理し、非常事態に至る前にビジネスの例外事象を予防的に切り分け、アプリケーションから異種混在のインフラまで含めたあらゆるレベルで問題を修正することができ、すべての作業を単一の管理ソリューション内で効果的に実行できます。
詳細については、http://www.oracle.com/enterprisemanagerをご覧ください。
● オラクルについて
オラクルは世界最大の企業向けソフトウェア会社です。オラクルに関するより詳しい情報は、http://www.oracle.com をご覧ください。
■本件に関するお問い合わせ先
日本オラクル株式会社 広報部 玉川
Tel: 03-6238-8178 / Fax: 03-5213-6990 / E-mail: Takeo.Tamagawa@oracle.com
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