風力タービンは原点に帰る

株式会社グローバルインフォメーション
2012-12-26 17:30

株式会社グローバル インフォメーションは、GlobalDataが発行した報告書「Wind Turbine Gearbox and Direct Drive Systems - Global Market Size, Company Share, Gearbox Refurbishments and Key Country Analysis to 2020 (世界の風力タービン・ギアボックスおよびダイレクトドライブシステム:世界市場の規模、企業シェア、ギアボックスの改修、主要国分析)」の販売を開始しました。

再生可能エネルギーを用いる発電技術の単純化が進んでおり、風力タービン装置では古き良きダイレクトドライブ方式タービンの方を選んで、ギアボックスをやめる動きが始まっています。

風力タービン・ギアボックスの世界市場はWinergy社とChina High Speed Transmission Equipment 社とが支配的な地位にあり、両社併せて2011年における世界の風力タービン・ギアボックス生産量の52%のシェアを占めています。風力タービン世界市場で据え付けがなされた全ギアボックス装置台数は2006年の9075台から、年平均成長率(CAGR)にて19%の伸びを示し、2011年には21192台となっています。しかし平均的なタービンサイズの大型化が進み、ダイレクトドライブシステムの採用が広がる中で、当レポートの市場予測期間内、すなわち2020年までにギアボックス方式風力タービン装置は減少を見せ、現在のレベルから2020年までには12662台に落ち込むものと予測されます。

一方、ダイレクトドライブ技術ではギアボックスは使用せず、風力タービンシステムのすべての部分が低速で駆動されることになるので、このためシステムの摩耗が減り、優れた信頼性を得ることができます。ダイレクトドライブ方式風力タービンは長い間風力発電市場に姿を見せてはいましたが、近年になってその人気が高まってきました。これはギアボックス部品の信頼性が低く、また補修費用が高いことによります。

ドイツのEnercon GmbH と中国のXinjiang GoldWind Science and Technology Company Limited がダイレクトドライブ方式風力タービンの主要な製造企業であり、両企業とも製品シリーズを取り揃えています。Enercon 社の環状多極発電機は使用される可動部品の数を減らすことができ、一方Xinjiang社のGoldWindは永久磁石のダイレクトドライブ技術を使用しています。これによって大幅に信頼性を向上でき、保守コストと保守作業時間とを削減でき、また実働生産時間を増やすことができるので利益の向上につながります。しかしながら永久磁石発電機のコストはネオジムなどのレアアース材のコスト次第ということになってしまいます。

世界の風力タービン装置の内、ダイレクトドライブ方式風力タービンの市場シェアは2006年の約18%から2011年には22%と伸びを見せており、さらにSiemensやGE等の風力タービン製造企業がギアボックス方式風力タービンから永久磁石ダイレクトドライブ方式風力タービンに移行するのに伴って、2020年までに市場シェアは29%にまで増加するものと予測されます。

市場調査レポート: 世界の風力タービン・ギアボックスおよびダイレクトドライブシステム:世界市場の規模、企業シェア、ギアボックスの改修、主要国分析
Wind Turbine Gearbox and Direct Drive Systems - Global Market Size, Company Share, Gearbox Refurbishments and Key Country Analysis to 2020
http://www.gii.co.jp/report/gd256541-wind-turbine-gearbox-direct-drive-systems-global.html
出版日: 2012年12月05日
発行: GlobalData

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