【子どもの伸ばし方】「頑張れ!」より大切?子どもの可能性を引き出す"イメージコントロール"とは

「なんでこんな簡単なこともできないの?」
「また失敗したの?」
「もっと頑張らないとダメだよ」
子どもや選手を指導していると、ついこんな言葉をかけてしまうことはないでしょうか。
もちろん、本人を思っての言葉です。
しかし、もしその言葉が、子どもの「できる可能性」を引き出すどころか、無意識のうちに「自分にはできない」というイメージを作ってしまっているとしたら――。
株式会社脳レボ代表・川谷潤太が、スポーツ指導や企業研修などで伝えている「イメージコントロール」の考え方から、子どもの可能性を引き出すための「言葉かけ」の本質について解説します。
「できる」と思うか、「無理」と思うかで、見えるものが変わる
先日、大阪のサッカークラブチームで指導者研修を行いました。
そこでお伝えしたポイントの一つが「イメージコントロール」です。
人間は、頭の中に持っている「イメージ」に大きく影響されます。
例えば、
「自分はできる」
と思っている人は、できるために必要な情報や方法に意識が向きやすくなります。
一方で、
「どうせ自分には無理だ」
と思っている人は、無意識のうちに「できない理由」に目が向きやすくなります。
同じ出来事を経験していても、持っているイメージによって「何を見るのか」「何を受け取るのか」が変わってくるのです。
だからこそ、子ども自身がどんな「イメージ」を持っているのかは、とても重要なポイントになります。
「ミスをする子」に、あなたなら何と声をかけますか?
スポーツの現場をイメージしてみてください。
選手がミスをしました。
そのとき、
「お前は本当にミスばっかりだな。全然ダメじゃないか!」
と声をかけるのか。
それとも、
「ミスは忘れよう!トライしよう!さあ、もう1回!必ずできる!」
と声をかけるのか。
どちらの言葉が、その選手に「自分はできる」というイメージを持たせるでしょうか。
おそらく、多くの方が後者を選ぶのではないでしょうか。
しかし、ここで一つ重要なことがあります。
「良い言葉をかければ、それでいい」というわけではありません。
大切なのは「何を言うか」ではなく「相手がどう受け取るか」
指導者研修の際にも、
「子どもや選手には、具体的にどんな言葉をかければいいのでしょうか?」
という質問をいただきます。
もちろん、言葉は重要です。
しかし、それ以上に重要なのは、
「その言葉によって、相手がどんなイメージを持つのか?」
ということです。
同じ言葉をかけても、選手の状態やこれまでの経験によって、受け取るイメージは変わります。
例えば、
「もっと頑張ろう!」
という言葉。
ある子どもにとっては、
「よし、もっとやってみよう!」
という前向きなイメージになるかもしれません。
しかし別の子どもにとっては、
「今の自分は頑張りが足りないんだ……」
という否定的なイメージになってしまう可能性もあります。
だからこそ、指導者や保護者が考えるべきなのは、
「何を言うか?」ではなく、「この言葉を受け取った子どもは、どんなイメージを持つだろう?」
ということなのです。
「プラスのイメージ」にも、大きさの違いがある
さらに、「イメージ」にはもう一つ重要なポイントがあります。
それは、単純に「プラス」か「マイナス」かだけではないということです。
例えば、次のような選手がいたとします。
レギュラーになることをイメージしている
次の大会で優勝することをイメージしている
日本一になることをイメージしている
オリンピックに出場することをイメージしている
オリンピックで金メダルを獲得することをイメージしている
どれも「プラス」のイメージです。
しかし、その「大きさ」は同じではありません。
「レギュラーになりたい」というイメージと、
「日本一になりたい」というイメージでは、
当然、目に入ってくる情報や、考えること、行動の選択肢も変わってきます。
一般的には「意識の差」と表現されることもありますが、私はここに「イメージの規模」という考え方があると捉えています。
より大きなイメージを持つことで、見える世界そのものが変わっていく。
これは、子どもの可能性を引き出すうえで非常に重要な視点です。
子どもの「行動」だけを見ていませんか?
私たち大人は、どうしても子どもの「行動」に目が向きます。
「練習をサボった」
「宿題をしない」
「すぐ諦める」
「ミスが多い」
「積極性がない」
もちろん、行動を改善することは大切です。
しかし、その行動だけを見て叱ってしまうと、本当の原因を見落としてしまうことがあります。
なぜなら、その「行動」の背景には、その子が持っている「イメージ」があるからです。
「どうせできない」
「失敗したら恥ずかしい」
「自分には才能がない」
そんなイメージを持っている子どもに、
「もっと積極的にやりなさい!」
と何度言っても、なかなか行動は変わらないかもしれません。
必要なのは、表面に出ている「行動」だけを変えようとするのではなく、その行動の背景にある「イメージ」に目を向けることです。
子どもを変える前に、「子どもの見ている世界」を考える
子どもの行動が気になったとき、
「どうしてこんなことをするの?」
と考えるのではなく、
「この子は今、どんなイメージを持っているのだろう?」
と考えてみてください。
そして、
「どうすれば、この子がもっと大きく、前向きなイメージを持てるだろう?」
と考えてみる。
それだけでも、かける言葉や接し方は大きく変わるはずです。
子どもの可能性を引き出すために必要なのは、ただ褒めることでも、ただ叱らないことでもありません。
子ども自身が「自分はできる」「もっとやってみたい」と思えるイメージを育てること。
それこそが、指導者や保護者に求められる大切な役割の一つなのではないでしょうか。
子どもの「行動」を変えたいと思ったときこそ、その奥にある「イメージ」に目を向ける。
その小さな視点の変化が、子どもの未来を変えるきっかけになるかもしれません。
明るく、元気に、楽しく、笑顔で。
株式会社脳レボでは、脳科学・大脳生理学・バイオフィードバック工学などの知見をベースに、スポーツ・教育・企業などさまざまな分野で、人の可能性を引き出すための「脳レボ」メソッドを伝えています。
監修者:川谷 潤太(かわたに じゅんた)
株式会社脳レボ 代表取締役
https://nourevo.co.jp/
大手学習塾にて最年少校長、全国塾講師No.1を獲得。その後、高校でスポーツメンタル指導を行い、多くの部活を地区優勝や世界一へ導く。2019年に株式会社脳レボを創設。脳科学や大脳生理学、バイオフィードバック工学をベースとした実践的手法で、オリンピック選手から企業、教育現場まで幅広く指導。9年間で1,600回以上の講演や研修を行い、受講者は15万名を突破している。