日本オラクル、企業用グリッドコンピューティングのための「Oracle 10g」製品戦略を発表
日本オラクル株式会社(本社:千代田区紀尾井町4-1、代表取締役社長:新宅正明)は企業でグリッドコンピューティングを容易に実現する「Oracle 10g」の日本市場投入を発表いたします。
ITシステムの自動化、簡便性、そしてグリッドコンピューティングの実現を機軸にした基盤ソフト「Oracle 10g」は、2003年9月7日(日)から11日(木)まで米国サンフランシスコにて開催された「OracleWorld」でその構想が発表されました。日本オラクルではこれを受け、「Oracle 10g」製品の日本市場における製品戦略を以下の通りといたします。
日本オラクルでは、「Oracle 10g」を日本市場投入に向けて、早期の定着と実績を確保するために1)技術検証施設の拡充、2)早期アクセス・プログラム開始、3)技術者の育成、4)対応パッケージ開発支援プログラムの開始、5)コンサルティングのメニューに「Oracle 10g」の追加、などを積極的に行ってまいります。
1)技術検証施設の拡充
「Oracle 10g」出荷に向けて、以下のビジネスパートナー各社により、顧客企業が「Oracle 10g」導入検討に必要となる様々なシステム環境の稼動検証を行うための技術検証施設を開設、または既存施設の強化をする予定です。
伊藤忠テクノサイエンス株式会社
サン・マイクロシステムズ株式会社
新日鉄ソリューションズ株式会社 ※
東芝ソリューション株式会社
日本電気株式会社
日本ヒューレット・パッカード株式会社
株式会社 日立製作所
富士通株式会社
※ 新日鉄ソリューションズ株式会社の「NSSOL Oracle 10gソリューションセンター」は2003年9月10日に米国OracleWorld会場にて発表し、開設をしております。
2)早期アクセス・プログラム開始
「Oracle Database 10g」の早期アクセス・プログラム(EAP:Early Access Program)を本日より開始します。「Oracle Database 10g」を先行して導入を希望する「Oracle PartnerNetwork」企業を対象に、EAP版の提供、技術資料および技術セミナー等による各種技術情報の提供や、共同マーケティングの実施を予定しています。
3)技術者の育成
「Oracle 10g」新機能を中心とした技術セミナーの開催や5000名の「Oracle 10g」技術者育成を目指す、2日間のスペシャル・ハンズオン・トレーニングコース「Oracle 10g TOP Gun」をはじめ、他社製品からのマイグレーション・コース、Oracle8、Oracle8iからのバージョンアップ・コースなどの開発、導入から運用までを網羅する定期トレーニング・コースを順次開催していきます。
4)対応パッケージ開発支援プログラムの開始
技術資料やベータ版のオンライン配布などのサービスを通じ、WebLogic、WebSphere、Tomcatなどで動作するJ2EEアプリケーションパッケージ製品を対象に、「Oracle Application Server 10g」対応へ移行する支援プログラムを開始します。
5)コンサルティングのメニューに「Oracle 10g」を追加
コンサルティング・サービスのメニューに「Oracle 10g」対応サービスを追加し、ITシステム基盤構築に要するコストの効率化を支援してまいります。
日本オラクルでは、「Oracle PartnerNetwork」に所属するビジネスパートナー820社とともに広範な営業活動を推進してまいります。また、中堅市場を狙うコミュニケーションチャネル「OracleDirect」では、「Oracle 10g」の出荷にあわせてコンテンツを強化し、新製品のセミナーを実施するなど、技術者への最新情報提供を行ってまいります。
「Oracle 10g」について
「Oracle 10g」は、データベース管理ソフト「Oracle Database 10g」、アプリケーションサーバーソフト「Oracle Application Server 10g」、システムの統合型管理ツール「Oracle Enterprise Manager 10g」で構成されています。
■「Oracle Database 10g」
「Oracle Database 10g」では、高いレベルの自動管理機能、コンピュータの処理能力を負荷状況に応じて動的に変更できる新たな並列化技術「Oracle Real Application Clusters 10g」、ストレージの管理を自動化する「Automatic Storage Management」など、グリッドコンピューティングのための機能強化を行っております。
企業向けのグリッドコンピューティングにより、顧客はブレード・サーバーやラックマウント型ストレージなど、比較的安価で標準化されたコンポーネントを利用して、大規模のコンピューティング能力を迅速かつ安価で実現することができます。エンタープライズ・グリッド・コンピューティングを実現するには、これまでになく 高いレベルでの管理の自動化が必要になります。この新しい要求に応えるため、「Oracle Database 10g」は総合自己診断エンジンや自動チューニング機能、アラート生成機能の搭載などに加え、「Oracle Enterprise Manager 10g」に新搭載した「Oracle Grid Control」、「Database Control」と連動し、高いレベルの自動管理機能を提供します。
「Oracle9i Real Application Clusters」を強化した「Oracle Real Application Clusters 10g」では、ビジネス上の要求の変化に応じて、クラスタ化されたデータベース間でコンピュータの処理能力を動的に変更する、新しいクラスタ負荷管理機能を搭載しました。この新機能により、顧客はブレード・サーバーなど低コストのサーバー上で大規模のクラスタを稼動し、エンタープライズ・グリッドを実現することができます。
「Oracle Database 10g」はまた、データベースに必要なストレージの構成・管理を大幅に簡素化する新しいソフトウェア「Automatic Storage Management」(ASM)を提供します。「ASM」によって、データベースがどのようにデータ・ファイルとストレージのサブシステムを扱うかという複雑な問題を意識する必要がなくなります。「ASM」はまた、ストレージの負荷分散を自動化し、最適なパフォーマンスにします。「ASM」は負荷の集中している箇所やパフォーマンス上のボトルネックなど、データ処理を減速する要因となるストレージ・システム上の問題に対応し、管理者の労力を劇的に減らすことができます。
「Oracle Database 10g」では、従来継続的に対応してきたプラットフォームに加え、x86 SolarisやMac OS X版も予定されています。
日本国内出荷予定:2004年1月29日
価格:未定
対応OS:Sun Solaris Operating Environment (SPARC 64-bit)、HP HP-UX PA-RISC (64-bit)、Linux x86、IBM AIX5L Based Systems
順次提供版:HP HP-UX Itanium、HP Tru64 UNIX、HP OpenVMS Alpha、IBM S/390 Based Linux、Linux Itanium、Microsoft Windows 2000/XP Professional/2003(32-bit)、Microsoft Windows 2003(64-bit)、Sun Solaris Operating Environment (x86)、Apple Mac OS X
■「Oracle Application Server 10g」
「Oracle Application Server 10g」を利用することにより、管理者は、サーバー利用率やエンドユーザーの応答時間といった情報に基づいてコンピューティング・キャパシティを調整することができます。また、月末の給与計算処理や四半期末ごとの決算処理など、あらかじめスケジュールしておいたイベントに応じた調整を行うことが可能なため、コンピュータリソースの有効活用が可能となります。
「Oracle Application Server 10g」は、クラスタやエンタープライズ・グリッド上で稼動するアプリケーションの信頼性を向上しました。新たに搭載した「Fast Start Fault Recovery Architecture and Failure Notification 」(FaN)では、データベースとアプリケーションサーバーのノード間の連携を簡素化し、ハードウェアやその他のシステムでの障害発生時のフェイルオーバーを行い、復旧したことをシステムが自動認識します。これにより、復旧から認識までの時間差がなくなり、システムの可用性がさらに向上します。
さらに、高度なアプリケーション統合機能により、単一の製品でアプリケーション間・企業間・Webサービスの統合を実現する環境を企業に提供します。その結果、企業は企業全体を包括する単一のデータモデルを構築して単一の情報のハブとして機能させ、将来のシステム統合プロジェクトに要するコストを削減することが可能になります。
また、WS-Iが策定する最新のWebサービス標準に対する完全なサポートや、.NET に準拠したWebサービスとの相互運用性により、企業は安全にエンタープライズ用途のWebサービスを実装・管理することが可能になります。
日本国内出荷予定:2004年1月29日
価格:未定
対応OS:Sun Solaris Operating Environment (SPARC 32-bit)、HP HP-UX PA-RISC (64-bit)、 IBM AIX5L Based Systems、HP Tru64 UNIX、Linux x86、Microsoft Windows NT/2000/2003
■「Oracle Enterprise Manager 10g」
「Oracle Enterprise Manager 10g」は、企業のコンピューティング基盤全体を完全に可視化する、自動化された管理用ソフトウェアです。システム管理者は、ビジネス上の要求の変化に応じて、ポリシーの強化、サービスレベルの管理、既存のコンピューティング・リソースとアプリケーションの再調整を行うことができます。
今回新たに搭載された「Oracle Grid Control」は、データベースやアプリケーションからストレージまで、オラクルのグリッド基盤全てを単一のコンソール内で監視・管理する、のグリッド管理製品です。「Oracle Grid Control」を利用することにより、管理者は複雑なクラスタ内の複数のサーバー管理を容易にし、コンピューティング・リソースの管理を自動化することができます。
「Oracle Enterprise Manager 10g」はオープンかつ標準準拠のアーキテクチャ上に構築されています。「Common Information Model」 (CIM) 、「Distributed Management Task Force 」(DMTF)により開発された「Web-based Enterprise Management」 (WBEM)など、主要な標準の管理をサポートしています。
日本国内出荷予定:2004年1月29日
価格:未定
日本オラクル株式会社について
日本オラクル株式会社は、オラクル・コーポレーションの日本法人として1985年に設立されました。国内を拠点として情報システム構築のためのソフトウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育の事業を展開しています。1999年2月5日の店頭市場への株式公開、2000年4月28日に東証一部上場。従業員数1,440名(2003年5月末現在)。Webサイトは、 http://www.oracle.co.jp
■本件に関する報道関係お問い合わせ先
日本オラクル株式会社 マーケティング本部
コーポレートコミュニケーションズグループ 広報担当 玉川
Tel: 03-5213-6144 / Fax: 03-5213-6990
e-mail: Takeo.Tamagawa@oracle.com mailto:Takeo.Tamagawa@oracle.com
プレスルーム http://www.oracle.co.jp/press/
Oracleは、Oracle Corporationの登録商標です。本文中の商品名は、各社の商標または登録商標です。