「その腹痛、いつものこと」で済ませてない? 20代こそ知っておきたい、下痢・便秘の"本当の原因"と大腸カメラ

2026-09-21 11:10
用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック

「最近、なんとなくお腹の調子が悪い」

「便秘と下痢を繰り返している」

「お腹が痛いけれど、若いから大したことはないだろう」

そんなふうに考えて、症状をそのままにしていませんか?

腹痛や便通の変化は、日常生活でも起こりやすい症状です。

食生活の乱れ、睡眠不足、ストレスなどが関係していることもあります。

そのため、「忙しいから」「ストレスのせいだから」「昔からお腹が弱いから」と、自分で原因を決めてしまう方も少なくありません。

しかし、お腹の不調には、さまざまな病気が隠れている可能性があります。

「若いから大丈夫」と決めつけず、症状の原因を確認することも大切です。

「お腹が弱い体質」と思っていたら?

20代の方にも比較的身近な病気の一つが、**過敏性腸症候群(IBS)**です。

腹痛と便通異常を繰り返す疾患で、下痢を繰り返すタイプ、便秘を繰り返すタイプ、下痢と便秘を繰り返すタイプなどがあります。

仕事や学校、人間関係などによるストレス、生活リズムの変化などをきっかけに症状を感じる方もいます。

しかし、ここで注意したいのが、

「腹痛や下痢がある=過敏性腸症候群」ではない

ということです。

似たような症状を起こす病気は、ほかにもあります。

例えば、

・潰瘍性大腸炎
・クローン病
・感染性腸炎
・大腸ポリープ
・大腸がん
・憩室炎
・痔疾患

などです。

また、症状によっては大腸以外の消化器疾患が関係している場合もあります。

だからこそ、症状が長く続く場合には、「自分はIBSだろう」と自己判断しないことが重要です。

特に注意したい「血便」「繰り返す下痢」「体重減少」

例えば、

・血便が出た
・下痢が何度も続く
・腹痛を繰り返している
・便秘と下痢を繰り返す
・以前と便の状態が変わった
・原因が分からないまま症状が続いている
・体重が意図せず減っている
・貧血を指摘された

といった場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。

特に、血便や体重減少など、単純な「お腹の弱さ」だけでは説明しにくい症状がある場合は、自己判断で放置しないことが大切です。

IBSと潰瘍性大腸炎は、症状だけでは判断できないことも

「下痢や腹痛があるからIBSだと思っていた」

ところが、実際には別の病気が背景にある――。

こうした可能性を考えるうえで知っておきたいのが、潰瘍性大腸炎です。

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に炎症が起こる炎症性腸疾患です。

代表的な症状として、下痢、血便、腹痛などがあります。

IBSにも腹痛や便通異常がみられるため、症状だけでは区別が難しいケースがあります。

潰瘍性大腸炎が疑われる場合には、血液検査や便検査などに加え、内視鏡検査によって大腸の状態を確認することがあります。

大腸カメラは、単に「大腸がんを見つけるためだけの検査」ではありません。

「お腹の症状の原因を調べる」ための重要な検査の一つでもあります。

20代でも「大腸の病気」は無関係ではない

大腸がんは一般的に年齢とともに罹患率が上昇し、特に40歳代以降で増えていきます。

だからといって、20代では大腸の病気を考えなくていい、ということではありません。

若年でも、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患が発症することがあります。

また、家族歴などによって注意が必要なケースもあります。

大切なのは、

「20代だから大腸カメラを受けなければならない」

ということではありません。

症状や既往歴、家族歴などを踏まえて、

「自分の場合、検査が必要なのか?」を医師に相談すること

です。

「病気を見つける」だけではなく「原因を知る」

腹痛がある。

下痢をする。

便秘になる。

お腹が張る。

そんな症状を何度も繰り返しているのに、

「まあ、いつものこと」

と放置してしまう。

それは、自分の身体からのサインを見逃している可能性があります。

症状の原因が生活習慣によるものなのか、IBSなのか、炎症性腸疾患など別の病気が関係しているのか。

まずは診察を受け、必要に応じて検査をすることで、原因を確認できる可能性があります。

「若いから大丈夫」ではなく、「若いからこそ、原因を知っておく」。

20代の今から、自分のお腹の状態に目を向けてみてはいかがでしょうか。

気になる症状が続いている方は、まず消化器内科に相談してみてください。

監修

用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック / 医学博士
院長 菊池 真大

※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としたものであり、個々の患者さんの診断・治療を行うものではありません。検査の必要性については、症状や既往歴などを踏まえて医師にご相談ください。