動物園・水族館の保全活動に7割超が期待、 約8割が企業による保全支援を「必要」と回答  wizooが調査結果を公開

動物園・水族館の社会的価値に関する生活者意識調査  企業に求められるのは「具体・透明・継続」の保全支援

2026-08-18 10:30
株式会社SHINME

動物園・水族館から未来を考えるメディア「wizoo」(運営:株式会社SHINME、代表取締役:高野 洋)は、動物園・水族館の来園・来館経験者453名を対象に、「動物園・水族館の社会的価値に関する生活者意識調査」を実施しました。

動物園・水族館の社会的価値に関する生活者意識調査

動物園・水族館の社会的価値に関する生活者意識調査

本調査では、生きものの保全や生物多様性をめぐり、生活者が動物園・水族館にどのような役割を期待しているのか、また、企業による保全支援をどのように受け止めているのかを分析しました。

その結果、73.1%が動物園・水族館に保全の役割を期待し、76.2%が企業による保全支援を「必要」と回答。一方で、施設内の保全に関する展示を「積極的に見た」と回答した人は17.4%にとどまり、施設への期待と実際の展示体験との間にギャップがあることも明らかになりました。

さらに、企業による保全支援への共感や信頼には、活動内容の「具体性」、支援金額や使途の「透明性」、取り組みの「継続性」が重要であることが示されました。

調査の背景と目的

動物園・水族館は、生きものを展示する場にとどまらず、種の保存や調査・研究、環境教育などを通じて、自然と社会をつなぐ重要な役割を担っています。

一方で、こうした役割や取り組みが生活者にどの程度認識され、施設での体験を通じてどのように受け止められているのかについては、十分に可視化されているとはいえません。

また、生物多様性やネイチャーポジティブへの社会的関心が高まるなか、企業による自然・生物多様性分野への参画も広がりつつあります。

そこでwizooでは、生活者が動物園・水族館にどのような社会的役割を期待し、どのような体験に価値を感じているのか、さらに企業による保全支援をどのように捉えているのかを明らかにすることを目的として、9つの設問を設定し、回答結果および設問間のクロス分析を行いました。

主な調査結果

  1. 動物園・水族館による保全への期待は7割超。一方、展示体験との間にはギャップも
施設に対する保全への期待は高いが、実際の体験接触とのギャップがある-1

施設に対する保全への期待は高いが、実際の体験接触とのギャップがある-1

施設に対する保全への期待は高いが、実際の体験接触とのギャップがある-2

施設に対する保全への期待は高いが、実際の体験接触とのギャップがある-2

・動物園・水族館が保全の役割を担うことを期待する人は73.1%にのぼり、施設の社会的役割に対する期待の高さがうかがえました。

・一方、施設内の保全に関する展示を「積極的に見た」と回答した人は17.4%にとどまりました。

・また、保全について「もっと知りたい」と回答した人は62.7%に達しており、保全そのものへの関心は決して低くありません。

これらの結果から、保全への高い関心や期待がある一方で、それが施設内での展示体験に十分につながっていない可能性が見えてきました。展示や案内サイン、解説などを通じて、保全の背景や意味をより分かりやすく届ける工夫が求められます。

  1. 「専門用語」は知らなくても、「保全の価値観」には共感
"専門用語"は知らなくても、“保全の価値観”には共感している

"専門用語"は知らなくても、“保全の価値観”には共感している

・「アニマルウェルフェア(動物福祉)」という言葉を知っている人は23.8%にとどまりました。

・一方で、動物福祉に配慮した施設に「行きたい」と回答した人は66.7%に達しました。

専門用語そのものの認知度は高くない一方で、その背景にある考え方や価値には、多くの生活者が共感していることがうかがえます。

また、ワシントン条約(59.4%)や生物多様性条約(25.6%)などの認知状況には男女間で差が見られました。自然保護や生物多様性に関する情報の届き方や理解には、属性によって違いがある可能性も示されています。

  1. 求められているのは「人が伝える体験」と「保全・研究を深く知る体験」
動物園・水族館の体験に求められるのは「人が伝える体験」と「保全の深い中身」

動物園・水族館の体験に求められるのは「人が伝える体験」と「保全の深い中身」

・今後、動物園・水族館で充実させてほしい体験として最も多く挙げられたのは、「飼育員・研究者によるライブ解説」(35.5%)でした。

・次いで、「保全活動・研究を詳しく伝える展示」(31.1%)が続きました。

・ARなどのデジタル技術を活用した体験は19.9%でした。

デジタル技術を活用した新しい体験への期待がある一方で、それ以上に、飼育員や研究者などの専門家から直接話を聞くことや、保全・研究の背景まで深く理解できる体験が求められていることが分かりました。

  1. 約8割が企業による保全支援を「必要」と回答。評価を高める鍵は「具体・透明・継続」
企業への好意は「継続性」「透明性」など具体的な支援条件によって決まる

企業への好意は「継続性」「透明性」など具体的な支援条件によって決まる

・企業による保全支援を「必要」と回答した人は76.2%にのぼり、「必要ではない」と回答した人は2.9%にとどまりました。

・企業による保全支援に好意を持つ条件として最も多かったのは、「具体的な活動内容(種の保護など)が示されていること」(53.0%)でした。

・次いで、「支援金額や使途が公開されていること」(38.9%)、「継続的な支援であることが明示されていること」(38.2%)が続きました。

企業による保全支援は、単に「支援している」という事実だけではなく、何を支援しているのかという「具体性」、どのように支援が活用されているのかという「透明性」、そして一過性ではない「継続性」を伴うことで、生活者の共感や信頼につながる可能性が示されました。

調査から見えたこと――「見る」から「知る・共感する・参加する」体験へ

本調査から、生活者は動物園・水族館に対して、生きものを展示する場としてだけではなく、保全や研究について知り、自然や生きものとの関係を考える場としての役割を期待していることが見えてきました。

その一方で、保全への高い関心や「もっと知りたい」という意識が、現在の展示体験には十分につながっていない可能性も示されています。

これからの動物園・水族館には、情報を「置く」だけではなく、飼育員や研究者によるライブ解説、保全・研究の背景を伝える展示やサインなどを通じて、「語り、届ける」コミュニケーションをより充実させていくことが重要になると考えられます。

また、企業による保全支援についても、76.2%がその必要性を認識していることから、動物園・水族館と企業が連携して保全活動を支えることに対して、生活者の一定の理解と期待があることが分かりました。

一方、その支援が生活者から共感や信頼を得るためには、「何を支援しているのか」「支援がどのように活用されているのか」「継続して取り組んでいるのか」を具体的に伝えることが重要です。

動物園・水族館、企業、そして生活者。それぞれをつなぎながら、保全への関心を理解や共感、さらには参加へとつなげていくコミュニケーションのあり方が、今後ますます求められると考えられます。

調査概要

・調査名  : 動物園・水族館の社会的価値に関する生活者意識調査
・調査期間 : 2026年6月18日~7月1日
・調査対象 : 動物園・水族館の来園・来館経験者(スクリーニングにより抽出)
・サンプル数: 453名(男性200名/女性253名)
・調査手法 : インターネット調査(単一回答・複数回答)

調査資料について

本調査の詳細資料は、動物園・水族館から未来を考えるメディア「wizoo」公式サイトにて公開しています。
https://wizoo.jp/news/report1

会社概要

商号  : 株式会社SHINME
代表  : 高野 洋 / Takano Hiroshi
所在地 : 東京都渋谷区神宮前六丁目23番4号 桑野ビル2階
所属協会: 日本動物園水族館協会(JAZA) 維持会員
      国際自然保護連合日本委員会(IUCN-J)サポート会員
URL   : https://shinme.jp/