凜研究所、ADC創薬ベンチャー「キャストバイオ」を設立  ― 独自リンカー技術を基盤にPre-seedラウンドを開始、 5年以内のM&A Exitを目指す ―

2026-03-30 09:00
株式会社凜研究所

株式会社凜研究所(本社:東京都中央区、代表取締役:松村 保広、以下 「凜研究所」)は、同社が保有するVLKリンカーおよび抗不溶性フィブリン抗体技術を基盤とする抗体薬物複合体(ADC:Antibody-Drug Conjugate)関連事業を承継する新会社「株式会社キャストバイオ(CAST Bio Inc.)」を新設分割により2026年3月30日付で設立しました。

キャストバイオは、凜研究所の独自リンカー技術を核としたADC創薬プラットフォームの確立と革新的医薬品の創出を目的とする創薬ベンチャーとして設立されます。凜研究所が長年にわたり研究開発を進めてきた独自技術および知的財産を承継し、ADC創薬に特化した研究開発体制を構築します。

急拡大するADC市場

抗体薬物複合体(ADC)は、抗体の標的特異性と低分子薬物の細胞毒性を組み合わせた医薬品として、がん治療を中心に急速に市場が拡大しています。
近年では世界の大手製薬企業による大型買収や提携が相次いでおり、ADC創薬はグローバル製薬業界における最重要分野の一つと位置づけられています。
キャストバイオは、この成長市場において独自リンカー技術を核としたADC創薬技術に関する研究開発型企業として事業を展開します。

独自のADC創薬プラットフォーム

キャストバイオの中核技術は、独自コンセプトであるCAST(Cancer Stromal Targeting)療法のもとで凜研究所が研究開発してきたVLKリンカー技術に基づくADC創薬プラットフォームです。
特に、腫瘍組織の間質内に存在する不溶性フィブリン(以下「IF」)を標的とする新規抗体である抗不溶性フィブリン抗体と組み合わせたADC(以下「IF-ADC」)は、GBM*や膵がんといった難治がんを治療対象として、腫瘍組織に効率的に薬物を送達することを可能とする新しいドラッグデリバリー戦略として期待されます。既に、ヒトのGBM腫瘍をマウスの脳に同所移植した疾患モデルへIF-ADCを静脈注射するin vivo試験により、対照群と比較して生存期間を大きく延ばすことを確認しています。またVLKリンカーが既存のリンカーよりも優れた効果を示すことを確認し、その結果に基づき2024年11月に特許申請を行いました。さらに、2025年10月には従来から同リンカーを使用したADCの製造委託先であるMycenax Biotech Inc.と同特許のCDMO事業におけるライセンス契約を締結しましたが、同契約もキャストバイオに承継されます。(2025年11月4日付プレスリリース https://www.atpress.ne.jp/news/553631 )また、VLKリンカーに関しては、がん細胞膜抗原に結合する既存の抗体や新規抗体に応用可能であり、既知のリンカーのADCに対する優位性も確認しており、幅広い応用を期待しています。
キャストバイオは、この技術基盤の活用により、従来のADCでは実現が難しかった新たな治療手段の開発を目指します。

Pre-seedラウンドによる資金調達

キャストバイオでは、主にVLKリンカー技術とIF-ADCの非臨床開発の推進を目的として、Pre-seedラウンドでの資金調達活動を開始しています。
国内外のベンチャーキャピタル、CVC、製薬企業等からの出資を広く募集し、調達資金は主に以下に充当する予定です。
・IF-ADCの研究開発体制の構築
・IF-ADCの非臨床開発の推進
・知的財産の強化・保全

Exit戦略

キャストバイオは、ADC創薬プラットフォームの研究開発の加速とともに製薬企業との戦略的提携を推進し、企業価値の最大化を図ります。
概ね5年後を目途に、製薬企業によるM&AによるExitの実現を目標としており、ADC分野における革新的技術を持つ創薬ベンチャーとしてグローバル市場での成長を目指します。

新会社概要

会社名   :株式会社キャストバイオ(CAST Bio Inc.)
所在地   :東京都中央区築地一丁目13番10号 サクセス銀座東ビル2F
設立予定日 :2026年3月30日
代表者   :代表取締役 藤原 正明
資本金   :1,000万円
株主    :株式会社凜研究所(100%)
主な事業内容:・抗体薬物複合体(ADC)を含む医薬品の研究開発
       ・ADC関連技術の研究開発およびライセンス事業
       ・医療機器、体外診断用医薬品、研究用試薬の研究開発
       ・創薬研究に関するコンサルティング

コメント

●凜研究所 代表取締役 松村 保広
「当社がCAST療法の実現を目指し長年研究してきたVLKリンカーおよび抗不溶性フィブリン抗体は、次世代ADC創薬において大きな可能性を持つ技術です。また、VLKリンカーはがん細胞を直接狙う抗体にも応用可能であり、これらの技術の研究開発と事業化を加速するため、専門会社としてキャストバイオを設立することといたしました。国内外の投資家や製薬企業との連携を通じて、革新的な創薬の実現を目指してまいります。」

●キャストバイオ 代表取締役 藤原 正明
「キャストバイオは、独自のADC創薬プラットフォームを基盤とする創薬ベンチャーとして設立されました。現在、Pre-seedラウンドでの資金調達を推進しており、研究開発を加速させるため、国内外の投資家および戦略的パートナーとの連携を積極的に進めていきたいと考えています。5年後の製薬企業との提携やM&Aを目標に、企業価値の最大化と現行医療の限界を突き破る革新的な治療薬の創出に向けて取り組んでまいります。」

会社概要

会社名 : 株式会社凜研究所(RIN Institute Inc.)
所在地 : 東京都中央区築地1-13-10 サクセス銀座東ビル2F
代表  : 松村 保広
設立  : 2016年1月21日
事業内容: 抗体を主体とした医薬品及び体外診断用医薬品の研究開発
URL   : https://rinmab.co.jp/

*:GBM(Glioblastoma、膠芽腫)は、大人に最も多い悪性脳腫瘍で、非常に進行が速いタイプのがんです。脳の神経細胞を支えるアストロサイト(星状膠細胞)から発生し、WHOグレード4に分類されます。腫瘍が周囲の脳組織に深く入り込むため、完全に取り除くことが難しいことが治療上の課題です。GBMの5年生存率はおよそ5~7%とされています。