日本の三次元座標測定機(CMM)市場2025~2032年、市場規模・企業動向・分析レポートを発表

2026-09-08 11:00
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「日本の三次元座標測定機(CMM)市場2025~2032年、英文タイトル:Japan Coordinate Measuring Machine Market Research 2025-2032」調査資料を発表しました。本資料には、日本市場規模、企業動向、セグメント別予測、市場シェアなどの情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本の三次元測定機(Coordinate Measuring Machine:CMM)市場は、2024年に7,284万米ドルに達し、2032年には1億8,257万米ドルまで拡大すると予測されている。2025~2032年の年平均成長率(CAGR)は12.27%とされており、精密製造、高度な品質管理、自動化、EVや航空宇宙分野での高精度部品需要の拡大を背景に、比較的高い成長が見込まれている。

CMMは、部品や製品の三次元形状、寸法、位置関係などを高精度に測定する装置であり、自動車、航空宇宙、防衛、電子機器、エネルギー、医療など、精密加工や厳格な品質保証が求められる産業で広く使用される。日本は従来から精密工学や高度な製造技術で高い評価を受けており、各産業で品質基準が厳しくなるにつれて、CMMの重要性が高まっている。

特に自動車産業は、日本のCMM市場を支える主要需要分野である。日本の自動車生産台数は2023年12月時点で899万7,440台とされ、2022年12月の783万5,539台から増加した。1997~2023年の年次平均では約977万4,665台であり、日本が依然として世界有数の自動車生産国であることが分かる。自動車部品では、エンジン、駆動系、シャシー、車体、電動化部品など多数の部品について高い寸法精度が求められるため、生産台数の多さがCMM需要につながっている。

航空宇宙産業も重要な成長要因である。日本では国内航空機関連の生産・整備分野への投資が進んでおり、航空宇宙産業全体が緩やかに成長している。原文ではBoeing Market Outlook 2024に基づき、2040年までの航空機需要においてアジア太平洋地域が大きな比重を占める見通しが示されており、これが日本における高精度計測機器需要をさらに押し上げる要因とされている。航空機部品は安全性と信頼性への要求が極めて高く、微小な寸法誤差も性能や安全に影響するため、CMMの活用価値が高い。

市場全体では、製造工程の自動化と超精密部品への需要増加を背景に、CMM技術も継続的に進化している。特に注目されるのが、CMMとスマートファクトリーの統合である。従来のCMMは完成した部品を検査室で測定する用途が中心だったが、現在では生産設備と連携し、測定結果をリアルタイムで製造工程へフィードバックする使い方が増えている。これにより、製造中に寸法異常を検出し、加工条件を自動調整するクローズドループ型の品質管理が実現しやすくなる。

日本では、Industry 4.0やIoTに対応したCMMの導入も進んでいる。代表的な事例として、Mitutoyo CorporationはCRYSTA-Apex Vシリーズなどの高度なCNC CMMを展開している。これらはIndustry 4.0環境との互換性を持ち、IoTを利用した検査工程への対応が可能とされる。温度補正機能やリアルタイムフィードバック機能も搭載されており、測定環境の変化による誤差を抑えながら、生産ラインと連動した品質管理を行うことができる。

こうした機能は、とりわけ自動車メーカーにとって重要である。ToyotaやMazdaなどではEV生産ラインを含め、高精度な寸法検証が必要になる。EVでは、従来の内燃機関車とは異なるバッテリーケース、モーター、インバーター、各種電子モジュールなどの部品が増え、部品同士の組み付け精度や熱管理の観点から、寸法公差管理が重要になる。そのため、リアルタイムで測定データを取得し、製造工程へ反映できるCMMの価値が高まっている。

市場の主要な成長ドライバーとして、特に自動車産業における品質と生産効率への要求の高まりが挙げられている。日本にはToyota、Honda、Nissan、Subaruなど世界的な自動車メーカーが存在し、これらの企業は精密工学と製品信頼性を重視している。そのため、部品や完成車が厳格な寸法公差や品質基準を満たしているかを検証するために、高度な計測技術への依存度が高まっている。

CMMは、ISO/TS 16949などのグローバルな品質基準への適合を支援する役割も担う。例えば自動車のエンジンブロック、車軸、シャシーなどでは、わずかな寸法差でも振動、摩耗、燃費、安全性などに影響する可能性がある。原文では、Toyotaの生産工場が自動CMMシステムを組立ラインへ組み込み、エンジンブロックの公差、車軸寸法、シャシーのアライメントなどをマイクロメートル単位で検証している事例が紹介されている。こうした高度な検査は性能向上と安全性確保の両方に貢献する。

一方で、市場成長の大きな制約として、CMM設備の導入コストの高さが挙げられている。CMMは装置そのものが高額であり、精度や機能によっては数十万円規模から数百万円、あるいはそれ以上の投資が必要になる可能性がある。さらに、正確な測定を行うためには、単に機械を購入するだけでは十分ではない。

高精度なCMMを安定して運用するには、温度管理された計測室、振動を抑えるための設備、適切な設置環境、定期的な校正、保守、専門知識を持つ人材などが必要になる。温度変化は金属部品や測定機の寸法に影響を与えるため、高精度計測では測定環境を厳密に制御しなければならない。また、床振動や機械振動も測定誤差の原因になるため、振動隔離対策も必要になる。

こうした初期投資と運用負担は、特に中小製造業にとって大きな課題となる。日本の製造業では中小企業が重要な役割を担っており、自動車や電子機器のサプライチェーンにも多数の中小部品メーカーが参加している。これらの企業では大手メーカーほど設備投資余力がない場合があり、高性能CMMの導入をためらう要因となる。そのため、設備価格の高さが市場普及の速度を抑える可能性がある。

市場は、タイプ、コンポーネント、用途、エンドユーザーによって分類されている。タイプ別では固定型CMMとポータブルCMM、コンポーネント別では接触式、非接触式、マルチセンサー方式、用途別では品質管理・検査、リバースエンジニアリング、仮想シミュレーション、その他に分けられる。エンドユーザー別では、自動車、航空宇宙・防衛、エネルギー・電力、電子機器、医療、その他が主要分野となっている。

このうち、ポータブルCMMが日本市場で特に重要なセグメントとして成長しており、柔軟性、使いやすさ、現場での検査能力を背景に、市場を主導する存在になっているとされる。ポータブルCMMには、多関節アーム型の測定器や3Dレーザースキャナーなどが含まれ、測定対象を大型の固定式装置へ運ぶことなく、その場で測定できる点が大きな利点である。

自動車や航空宇宙では、大型部品や組立済み構造物を測定する必要があるため、ポータブルCMMの利便性が高い。生産ライン上や組立現場でリアルタイムに品質確認を行えば、部品を検査室へ運ぶ時間を削減でき、不具合の早期発見によってダウンタイムの短縮にもつながる。そのため、現場で即座に測定結果を得たい製造企業ほど、ポータブルCMMを導入するメリットが大きい。

具体例として、Nissan Motor CorporationではHexagonのROMER Absolute Armが利用されているとされる。多関節アーム型CMMは、作業者がアーム先端のプローブを対象物へ当てることで、さまざまな位置や角度から三次元座標を取得できる。固定型CMMでは測定しづらい大型部品や複雑形状にも対応しやすく、製造現場での即時検査に適している。

また、ポータブルCMMは非接触測定とも相性が良い。3Dレーザースキャナーなどを利用すれば、対象物に触れることなく大量の三次元データを短時間で取得できる。この特性は、壊れやすい電子部品や微細構造を持つ製品の検査で特に有効である。PanasonicやMurata Manufacturingなどでは、ハンドヘルド型レーザースキャナーを使用して、プリント基板やセンサーモジュールなどの損傷リスクを抑えながら検査する用途が紹介されている。

電子機器分野では、部品の小型化・高密度化が進むほど、高精度かつ非接触の計測技術が重要になる。例えば、基板やセンサー部品に物理的なプローブを当てると変形や損傷が生じる可能性があるが、レーザーや光学方式なら対象物へ接触せず形状や寸法を確認できる。このため、今後は非接触CMMやマルチセンサーCMMへの需要も高まる可能性がある。

品質管理・検査はCMMの最も基本的な用途である。製造した部品が設計図面どおりの寸法や幾何公差を満たしているかを確認することで、不良品の流出を防止し、製品の信頼性を確保する。特に自動車、航空宇宙、医療機器のように、部品精度が安全性へ直接影響する産業では、CMMは品質保証工程の中核装置となる。

リバースエンジニアリングでもCMMは重要な役割を果たす。既存部品の三次元形状を高精度に測定し、そのデータからCADモデルを作成することで、図面が存在しない部品の再設計や改良、旧製品の再生産などが可能になる。ポータブルCMMや3Dスキャナーの性能向上によって、複雑な自由曲面も短時間でデジタル化しやすくなっている。

仮想シミュレーションとの連携も市場の重要な方向性である。CMMで取得した実測データをCADやCAE、デジタルツインへ反映すれば、設計値と実物との差を解析できる。これにより、製造工程の問題点を早期に把握し、設計・加工条件を最適化できる。将来的には、CMMが単なる検査装置ではなく、設計、製造、品質管理をつなぐデータ基盤として利用される場面が増えると考えられる。

競争環境では、Hexagon AB、Mitutoyo Corporation、Tokyo Seimitsu、Keyence Corporation、Nikon Corporationなどが主要プレーヤーとして挙げられている。国内企業と海外計測機器メーカーの双方が市場に参入しており、固定型CMM、ポータブルアーム、レーザースキャナー、光学計測、マルチセンサー測定など、それぞれ異なる技術領域で競争している。

Mitutoyoは日本を代表する精密測定機器メーカーとして、CNC CMMを含む幅広い計測機器を展開している。Tokyo Seimitsuも精密計測や半導体関連装置に強みを持ち、KeyenceやNikonは光学・画像処理・非接触測定技術を活用した高精度計測分野で競争力を持つ。HexagonはポータブルCMMや3D計測技術に強みを持ち、日本市場でも幅広い用途へ展開している。

今後の競争では、単純な測定精度だけでなく、自動化への対応、測定速度、ソフトウェア性能、IoT接続、データ分析、操作性、柔軟性などが重要になる。製造現場では人手不足や熟練技術者不足も課題となるため、専門的な測定知識がなくても容易に使用できる装置や、自動測定プログラムを生成できるシステムへの需要が高まる可能性がある。

AIを利用した計測データ解析も今後の重要テーマとなり得る。大量の測定データから異常傾向を自動で検出し、不良が発生する前に加工条件の変化を察知できれば、予防的な品質管理が可能になる。これにより、CMMは「完成品が合格か不合格かを判定する装置」から、「製造工程を最適化するセンサー」へと役割を拡大していく可能性がある。

また、EVへの移行もCMM市場に大きな影響を与える。EVでは、バッテリーパック、モーター、パワーエレクトロニクス、軽量ボディ部品など、新しい部品群の品質管理が必要になる。特にバッテリー関連部品では、組み立て寸法、セル配置、ケースの平面度、冷却構造などが性能や安全性に影響するため、高精度な三次元測定の重要性が高まる。

航空宇宙分野では、複雑形状の大型部品への対応能力が競争力を左右する。航空機の翼、エンジン部品、構造部材などは大型かつ高精度であり、固定型CMMだけでなく、レーザートラッカー、ポータブルアーム、非接触スキャナーなどを組み合わせた計測が求められる。このため、マルチセンサー化やポータブル化が市場拡大の重要な方向性となる。

医療分野でもCMMの需要が期待される。人工関節、インプラント、手術器具などでは人体に使用するため極めて高い寸法精度と品質保証が求められる。複雑な自由曲面を持つ医療用インプラントなどでは、高精度3D測定による品質確認が重要であり、医療機器産業の高度化に伴って計測需要も増える可能性がある。

総合すると、日本のCMM市場は、2024年の7,284万米ドルから2032年には1億8,257万米ドルへと約2.5倍に拡大する見通しであり、CAGR12.27%という高い成長が予測されている。その背景には、自動車、航空宇宙、電子機器、医療などでの品質基準の高度化、スマートファクトリー化、IoT、自動化、EVへの移行、非接触測定技術の普及などがある。

特に、市場構造は固定型CMM中心から、ポータブルCMMや非接触3Dスキャナーを組み合わせた柔軟な計測環境へと変化しつつある。製造現場でその場で測定し、その結果をリアルタイムで生産工程へ戻す仕組みが広がることで、CMMは単なる品質検査装置ではなく、スマート製造を支える重要なデータ取得装置になっていくと考えられる。

一方で、装置価格、温度管理された測定室、振動対策、校正、保守、専門人材などを含む総導入コストの高さは、特に中小製造業にとって大きな障壁である。そのため今後は、高性能化だけでなく、設置の容易さ、持ち運びやすさ、専門設備を必要としない測定方式、操作の自動化、クラウドやサブスクリプション型サービスなどによって、導入負担をいかに低減できるかも重要になる。

レポートでは、固定型・ポータブル型といったタイプ別分析、接触式・非接触式・マルチセンサーといった技術構成別分析、品質管理、リバースエンジニアリング、仮想シミュレーションなどの用途別分析、自動車、航空宇宙・防衛、エネルギー、電子機器、医療などのエンドユーザー別分析を行うとしている。また、競争環境、企業プロファイル、市場規模、市場シェア、成長性なども主要な分析対象となっている。

想定読者は、CMMや計測機器を製造・購入する企業、自動車・航空宇宙・電子・医療などの製造企業、業界投資家や投資銀行、調査・研究担当者、新興企業などである。特に、日本の製造業DX、EV生産設備、高精度部品、スマートファクトリー、品質自動化などに関わる企業にとって、今後の設備投資や競争戦略を検討するうえで重要な市場と位置づけられる。

※目次構成

  1. 調査方法および調査範囲
    調査方法
    調査目的およびレポートの対象範囲
  2. 定義および概要
  3. エグゼクティブサマリー
    タイプ別市場概要
    コンポーネント別市場概要
    用途別市場概要
    エンドユーザー別市場概要
  4. 市場動向
    市場への影響要因
    成長要因
    自動車産業における品質・性能確保ニーズの高まり
    阻害要因
    CMM設備導入に伴う高コスト
    市場機会
    影響分析
  5. 業界分析
    ポーターの5フォース分析
    サプライチェーン分析
    価格分析
    規制・コンプライアンス分析
    サステナビリティ分析
    DMI見解
  6. タイプ別
    はじめに
    タイプ別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    タイプ別市場魅力度指数
    固定型CMM*
    はじめに
    市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    ブリッジ型
    カンチレバー型
    ガントリー型
    ポータブルCMM
    多関節アーム型
    ハンドヘルド型
  7. コンポーネント/測定方式別
    はじめに
    コンポーネント別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    コンポーネント別市場魅力度指数
    接触式*
    はじめに
    市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    非接触式
    マルチセンサー式
  8. 用途別
    はじめに
    用途別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    用途別市場魅力度指数
    品質管理・検査*
    はじめに
    市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    リバースエンジニアリング
    バーチャルシミュレーション
    その他
  9. エンドユーザー別
    はじめに
    エンドユーザー別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    エンドユーザー別市場魅力度指数
    自動車*
    はじめに
    市場規模分析および前年比成長率分析(%)
    航空宇宙・防衛
    エネルギー・電力
    電子機器
    医療
    その他
  10. 企業プロファイル
    10.1 Hexagon AB*
    企業概要
    製品ポートフォリオおよび製品概要
    財務概要
    主な動向
    10.2 その他の主要企業
    Mitutoyo Corporation(株式会社ミツトヨ)
    Tokyo Seimitsu(株式会社東京精密)
    Keyence Corporation(株式会社キーエンス)
    Nikon Corporation(株式会社ニコン)

※企業一覧は網羅的なものではありません。

  1. 付録
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    お問い合わせ

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