感情のレイヤーを絵画と陶芸で表現する。韓国で活躍する新進気鋭のアーティストが原宿の地に!コ・スンヨン個展「Omnibus」
MEDEL GALLERY SHUでは、8月1日より8月13日までコ・スンヨンの個展「Omnibus」を開催いたします。

OVERVIEW
MEDEL GALLERY SHUでは、8月1日より8月13日までコ・スンヨンの個展「Omnibus」を開催いたします。
コ・スンヨンは感覚と記憶、文化と現実の狭間に立ち、単なる視覚的構成ではなく、現代社会を生きる私たちの感情のレイヤーを絵画と陶芸で表現する作家です。
本展は、作家が捉えた感覚的な場面や文化的な遊戯、そしてその背後に潜む現実への認識が重なり合う狭間で行き来する視点から出発します。
流れていくイメージの中で、何が残り、何が消えていくのかを見つめながら、日常の楽しい瞬間を描き出します。
美しさと同時にそこに潜む危うさへのまなざしをもって、見る者の記憶と共鳴するコ・スンヨンの作品をぜひご高覧ください。
《Omnibus》は、異なるエピソードがひとつの物語として織り成される構造を持っています。私たちは知っています。繰り返される悲劇的なニュースと、同時に展開される無限の消費の風景を。無意識のうちに通り過ぎるイメージの中には、ある現実が省かれ、ある欲望が膨らまされていきます。その狭間で、作家は自らが佇んだ場面をとらえ、再び描き、重ねていきます。
見慣れた風景に潜む違和感、美しさへの憧れに潜在する不安、そしてその間を漂う感情たち。意図的にピントを合わせたりぼかしたりしながら構成された画面は、ひとつの認識の手がかりを提示しつつも、決して結論を押しつけることはありません。
それは、ある場面への愛着と、それを成り立たせている世界のひび割れに対する繊細なまなざしを映し出しています。日常のイメージは独立しながらも、互いに映し合い、似通っていきます。観客はその中のある瞬間に留まることも、つながる流れの中を泳ぐように通り過ぎることもできます。
これは、そのようにして流れていく物語への視線の記録なのです。― コ・スンヨン | COSEUNGYEON
コ・スンヨン | COSEUNGYEON
私の作品は、イメージの上にさらに別のイメージを、痕跡の上にまた別の痕跡を重ねていく行為です。
意図的にピントを合わせながら画面を構成し、今日の私たちの日常を再構成する手法に基づいています。
私たちは、1日のうちに無数の場面を通り過ぎています。ニュース、広告、バラエティ、戦争、流行、災害、美しさ、恐怖、喜び。
日常というものは常に、複数の現実が重なり合った複雑な風景として現れます。
私は、絵画を通して自分が享受している「文化的な遊び」の瞬間を記録しています。
しかし同時に、それを享受することのできない場所や人への意識もまた共存しています。
平面上のイメージ、あるいは一連のイメージの背後には、多くの過程や記が省略されたまま、目の前に提示されています。
私たちは今や、絶えず起こる犯罪を知り、戦争の現実や数々の自然災害を遠くから見聞きしています。
その一方で、文化の美しさへの憧れは止まることがありません。
異なる断片が一つの画面の中に重ねられ、注視と忘却が絶えず交錯します。
記録と忘却の間を動き回る焦点の画面は、不完全なまま並べられますが、
それでもなお、私が描き出したいと思うある一場面への愛着が込められています。
見慣れた風景に染み込んだ感情、日常に潜む既得、楽しさと疑問、記録と忘却が
一つの画面の中でレイヤーとなり、焦点を交錯させながら、新たなイメージとして再構成されていきます。
Artist Statement
My work involves layering images upon images, traces upon traces.
Through a process of selective focus and intentional composition, I reconstructed fragments of contemporary everyday life.
Modern daily life is shaped by countless overlapping scenes—news, advertisements, entertainment, war, trends, disasters, beauty, fear, and joy. These paintings reflect moments of cultural pleasure, while also recognizing the realities of those excluded from such experiences.
What appears on the surface often hides the complex histories and processes beneath.
Today, distant tragedies—conflict, crime, and natural disasters—are constantly visible, even as the desire for beauty and culture intensifies. In this tension, fragments of different realities intersect, and acts of attention and forgetfulness coexist.
An interplay of spotlight, documentation, and forgetting produces an imperfect sequence of images.
Each layer captures traces of daily emotions, pleasures, and memories, reassembled through selective focus and composition.
EDUCATION
MA Ceramics and MA Art History, College of Art & Design, Ewha Womans University, 2022
BA Ceramics, College of Art & Design, Ewha Womans University, 2018
EXHIBITION
<1000VASES>, Group,Joseph Gallery, Paris, France, 2023
<Alibi series 3; Loves, Solo, Gallery DOS, Seoul, 2023
<보이지 _않는 _것에 _대하여 _; About The Invisible>Three-person, WWW SPACE GALLERY, Seoul, 2021
MEDEL GALLERY SHU
MEDEL GALLERY SHU|愛でるギャラリー祝
https://medelgalleryshu.com/
東京都渋谷区神宮前4-28-18
カトル・バン原宿B1
info@medelgalleryshu.com
13:00〜19:00(最終日は17時まで)
木曜休廊
MEDELとは、日本語で「物の美しさをほめ味わうこと」を意味する「愛でる」からきています。唯一無二のアートを賞美し、慈しむという行為を介して、アーティストと鑑賞者、ギャラリーの間に喜びの行き交いが成立してほしいという想いを込め名づけました。“時代を共にする人々にとっての財産であり、未来の社会を照らす火である”とアーティストの活動・作品を定義し、人々の心に残る独創性に富んだスタイルの作品を鑑賞者と共に愛でつつ、次世代に残るようなマーケットや美術史的評価を確立してゆくことが当ギャラリーのミッションです。そのような私たちの活動を通して、独創的な表現を受け容れる多様な社会的風土の醸成に資することができれば、これに勝る喜びはありません。
