中国のタングステン規制は中国企業の事業拡大を加速させる
株式会社グローバル インフォメーションは、ResearchInChinaが発行した報告書「China Tungsten Industry Report, 2012 (中国のタングステン産業:2012年)」の販売を開始しました。
リサーチインチャイナの報告によりますと、中国はタングステン資源が世界でも最も豊富な国で、世界のタングステン鉱石の埋蔵量の65%、供給量の85%程度を占めています。2011年には中国のタングステン (WO3 65%) の生産量は2010年よりも4.6%増加し、過去最高の135,700トンとなりました。しかし新規資源開発の制限と、生産量統制及び輸出量規制の影響で中国のタングステン生産量は伸び悩み、世界のタングステン市場は供給不足となる見込みです。
2011年は江西省がタングステン生産量65,830トンとなりトップの座を維持しました。これは中国の開発量全体の48.5%を占めています。また2番手は湖南省で31,150トンでした。同2省はタングステン資源の埋蔵量が非常に多く、2省合計で中国の50%以上を占めています。
中国のタングステン生産・処理の大手企業には江西省のChongyi Zhangyuan Tungsten Co., Ltd., Jiangxi Tungsten Industry Group Co., Ltd., Jiangxi Rare Earth and Rare Metals Tungsten Group Corporation そして Jiangxi Xiushui Xianglushan Tungsten Co., Ltd., があり、湖南省の Hunan Nonferrous Metals Holding Group Co., Ltd. と Hunan Chenzhou Mining Group Co., Ltd. が挙げられます。2011年はタングステン価格の高騰の恩恵を受けて、これらの企業は堅調な業績となりました。その一方、利益拡大への意欲はあるもののタングステン資源開発が制限されている為、これらの企業は下流工程への進出を早めています。
例えば、Chongyi Zhangyuan Tungstenは高性能・高精度のコーティングチップの技術変革プロジェクトを2011年8月から進めています。フェーズIの設備導入・調整段階は2012年前半に終了し、2012年第4四半期より試験生産を開始する見込みです。このプロジェクトは2014年に完遂し、100トンの超硬工具生産と2億8千万人民元の売上が見込まれています。
また、Hunan Nonferrous Metalsは超硬工具の研究開発を強化し、高性能・超微粒子超硬合金の生産ラインや、特殊形状深部加工超硬工具のラインへ投資し、中国の超硬工具市場での市場シェアの拡大を狙っています。
当レポートでは、中国のタングステン産業について調査分析し、世界/中国の埋蔵量と分布・需要と供給のほか、中国の輸出入・競合パターン・価格分析などを提供し、主要企業プロファイルなども含めてお届け致します。
市場調査レポート: 中国のタングステン産業:2012年
China Tungsten Industry Report, 2012
http://www.gii.co.jp/report/rinc237396-china-tungsten-industry-report-2012.html
出版日: 2012年04月
発行: ResearchInChina
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