C4ISRの日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表

2026-08-20 14:30
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「C4ISRの日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan C4ISR Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、C4ISRの日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本のC4ISR(指揮・統制・通信・コンピュータ・情報・監視・偵察)市場は、2025年時点で4億6,230万米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)4.2%で拡大し、2035年には6億9,759万米ドルに達すると予測されている。成長の中心には、日本政府による防衛力整備計画、防空・ミサイル防衛の高度化、衛星通信、宇宙監視、電子戦、サイバー防衛の強化がある。プラットフォーム別では宇宙がCAGR8.9%、タイプ別ではISRが5.4%、地域別では九州・沖縄が5.8%と高い成長を示す見通しである。

市場拡大の最大の要因は、日本の防衛予算増加である。レポートでは、2023~2027年度の防衛力整備計画に約43兆円が割り当てられ、2027年度までに防衛費をGDP比2%程度へ引き上げる方針が示されている。また、2026年度防衛予算は約9.04兆円とされ、防空・ミサイル防衛、衛星通信、スタンドオフ監視などへ重点的に配分されている。

C4ISRの中核は、各種センサーや部隊、兵器システムから得られる情報を統合し、リアルタイムに近い形で指揮官へ提供することである。陸・海・空・宇宙・サイバーといった複数領域をまたいで情報を統合する必要があるため、単独のレーダーや通信装置ではなく、ネットワーク化されたシステム全体への投資が増えている。

タイプ別では、C4システム、ISR、電子戦に分類される。現在はC4システムが最大シェアを占める。指揮統制ネットワーク、安全なデータリンク、統合作戦インフラなどは、各種センサーや兵器を一体運用するための基盤であり、継続的な更新需要がある。

一方、最も成長が速いのはISRで、2026~2035年のCAGRは5.4%とされる。ISRにはレーダー、EO/IR、SIGINTなどが含まれ、日本では南西諸島や東シナ海周辺の常続的な監視能力を高めるため、無人機、衛星、信号情報収集などへの需要が拡大している。

電子戦も重要性を高めている。通信妨害、電磁波環境の把握、敵レーダーや通信の探知など、現代の作戦では電磁スペクトラムの優位性が不可欠である。レポートでは、2026年7月に日本のEC-2が軍用飛行試験段階に入った事例が挙げられており、空中電子戦能力の強化が進んでいるとしている。

プラットフォーム別では、航空、陸上、海上、宇宙に分類される。このうち航空が最大シェアを占める。F-35の配備拡大、早期警戒機、さらに英国・イタリアと共同開発する次期戦闘機計画などが、高度なセンサー、通信、ミッションコンピュータ需要を押し上げている。

宇宙は最も成長の速いプラットフォームで、CAGR8.9%とされる。レポートでは、防衛宇宙関連予算が2022年度の約790億円から2025年度には約5,400億円まで増加したとしており、宇宙領域把握、軍事通信、ミサイル警戒、情報収集能力が強化されている。

2026年2月にはMitsubishi Electricが、防衛省からKirameki-2後継の次世代防衛通信衛星を受注したとされる。安全な軍事通信を強化し、宇宙を利用した指揮・統制能力を高めるプロジェクトであり、日本国内でC4ISRインフラを構築する動きを象徴している。

2026年6月には、Mitsubishi Electricが次世代軍事通信衛星向けにMDA Spaceを選定したとされる。これは、日本企業が主体となりつつ、海外企業の技術や部品を組み合わせる国際共同開発型の調達が進んでいることを示している。

宇宙監視では、SAR衛星も重要である。2025年12月にはSynspectiveがSAR衛星画像を提供した事例が挙げられており、天候や昼夜の影響を受けにくい観測技術を通じて、継続的な情報収集能力を高める動きが進んでいる。

海上プラットフォームでも、Aegis System Equipped Vessel、新型フリゲート、監視艦などの整備を通じてC4ISR需要が拡大している。2025年2月には第4隻目のHibiki級監視艦が進水したとされ、海洋・水中監視能力の強化が進んでいる。

コンポーネント別では、ハードウェア、ソフトウェア、サービスに分類される。現在はハードウェアが最大で、レーダー、衛星ペイロード、センサー、堅牢型コンピューティング装置など、大型・高額設備の調達が市場規模を支えている。

一方、最も成長が速いのはソフトウェアである。複数センサーから入ってくる情報を統合し、AIなどを使って状況認識や意思決定を支援する必要が高まっているためである。FujitsuはATLAの委託研究で、複数AIエージェントを使った意思決定支援ソフトウェアの開発を進めているとされる。

つまり市場の価値は、レーダーや衛星を「持つ」ことから、それらのデータをリアルタイムに融合し、部隊間で共有し、迅速な判断につなげることへ移っている。オープンアーキテクチャやソフトウェア定義型システムの採用は、この流れを支える。

サイバー防衛もC4ISRの重要な一部になっている。軍事作戦がネットワークへ依存するほど、通信網、指揮システム、データ基盤へのサイバー攻撃リスクが高まるため、安全な通信と継続的な監視が必要になる。2026年6月にはNECとBAE Systemsが、日本政府向けのアクティブサイバー防衛技術で協力する覚書を締結したとされる。

また、2026年5月には日本とオーストラリアが、サイバー作戦とC4相互運用性の強化を進めたとされる。C4ISRは日本国内だけで完結するのではなく、同盟国・友好国と情報や通信方式を相互接続できることが重要になっている。

国内生産・サプライチェーン強化も主要トレンドである。日本政府は、レーダー、通信機器、センサー、電子部品などの国内生産を増やし、海外依存を抑える方向を進めている。一方で、すべてを国産化するのではなく、技術移転や共同開発を通じて国際企業との連携を深める構造になっている。

2026年にはMitsubishi ElectricとLockheed Martinによる防衛衛星通信分野での協力や、FujitsuによるLockheed Martin向けSPY-7レーダー部品供給などが例として挙げられている。こうした関係は、日本企業が海外の主要防衛システムへ部品・技術を供給する形で国際サプライチェーンへ組み込まれていることを示す。

地域別では、関東が最大市場である。防衛省、Joint Operations Command、Mitsubishi Electric、NEC、Fujitsu、Hitachiなどが集中し、調達判断、システム統合、研究開発が関東に集約されている。

2025年の近畿の市場シェアは22.4%で、関東に次ぐ重要地域とされる。近畿では造船や電子機器製造基盤が市場を支えている。

最速成長地域は九州・沖縄で、CAGR5.8%である。日本が南西諸島の防衛体制を強化し、レーダー、ミサイル、監視設備を追加していることが背景にある。

地域別のCAGRは、九州・沖縄5.8%、近畿4.3%、北海道4.1%、関東4.0%、中部4.0%、中国3.9%、東北3.8%、四国3.6%とされる。防衛インフラ更新のペースや主要基地・産業拠点の位置によって地域差が生じている。

競争環境では、Mitsubishi Electric、NEC、Fujitsu、Hitachiなど国内大手電子・IT企業が中心となっている。市場は比較的集約度が高く、長年にわたり自衛隊向けシステムを供給してきた企業が、政府との関係、システム統合能力、垂直統合型の技術基盤を強みにしている。

Mitsubishi Electricは、レーダー、ミサイル、指揮統制、衛星通信まで幅広い防衛電子分野を持ち、センサー部品からシステム全体まで統合できることが強みである。近年はLockheed MartinやNorthrop Grummanなど海外企業との連携も進めている。

NECは航空宇宙・国家安全保障事業を成長領域として位置付け、長距離防空レーダーやサイバー防衛へ展開している。2026年のBAE Systemsとの協力は、従来のレーダー・通信からサイバーまで事業領域を広げる動きといえる。

FujitsuはIT・システムインテグレーションの強みを防衛へ応用し、AI意思決定支援やSPY-7レーダー部品供給などに関与している。今後ソフトウェア比率が高まるほど、こうしたデジタル技術企業の役割は大きくなる可能性がある。

Hitachiは社会インフラ、サイバーセキュリティ、監視システムなどの技術を防衛周辺領域に応用しており、重要インフラ保護や指揮・統制支援で関与する立場にある。

このほかKawasaki Heavy Industries、Lockheed Martin、Northrop Grumman、Thales、L3Harrisなども主要プレイヤーとして挙げられている。海外企業は日本市場で単独受注するだけでなく、国内企業との共同開発、技術移転、部品供給契約を通じて参入する形が重要になっている。

総合すると、日本のC4ISR市場は2025年の4億6,230万米ドルから2035年には6億9,759万米ドルへ拡大し、CAGR4.2%の安定成長が見込まれる。成長率そのものは急激ではないが、宇宙、ISR、ソフトウェア、サイバーなど一部の領域では市場平均を大きく上回る成長が予測されている。

2035年に向けた主要テーマは、「統合C4ネットワーク」「ISR」「宇宙監視」「軍事衛星通信」「電子戦」「サイバー防衛」「AI意思決定支援」「国内生産強化」「同盟国との相互運用性」に集約できる。日本のC4ISR市場は、個別のレーダーや通信装置を整備する市場から、陸・海・空・宇宙・サイバーの情報を統合し、リアルタイムの意思決定につなげる多領域デジタル防衛基盤市場へ移行していくと考えられる。

※目次構成

  1. エグゼクティブサマリー
    1.1 市場規模(2025~2026年)
    1.2 市場成長予測(2026~2035年)
    1.3 主な需要促進要因
    1.4 主要企業と競争構造
    1.5 業界のベストプラクティス
    1.6 最新動向と最近の展開
    1.7 業界見通し

  2. 市場概要およびステークホルダー分析
    2.1 市場動向
    2.2 主要産業分野
    2.3 主要地域
    2.4 サプライヤーの交渉力
    2.5 買い手の交渉力
    2.6 主な市場機会とリスク
    2.7 ステークホルダーによる主要施策

  3. 経済概要
    3.1 GDP見通し
    3.2 一人当たりGDPの成長
    3.3 インフレ動向
    3.4 民主主義指数
    3.5 政府総債務比率
    3.6 国際収支(BoP)の状況
    3.7 人口見通し
    3.8 都市化動向

  4. カントリーリスク分析
    4.1 カントリーリスク
    4.2 ビジネス環境

  5. アジア太平洋地域のC4ISR市場分析
    5.1 主要業界ハイライト
    5.2 C4ISR市場の過去実績(2019~2025年)
    5.3 C4ISR市場予測(2026~2035年)

  6. 日本のC4ISR市場分析
    6.1 主要業界ハイライト
    6.2 日本のC4ISR市場の過去実績(2019~2025年)
    6.3 日本のC4ISR市場予測(2026~2035年)

6.4 タイプ別・日本のC4ISR市場

6.4.1 C4システム
 6.4.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.4.1.2 予測推移(2026~2035年)

6.4.2 ISR(情報・監視・偵察)
 6.4.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.4.2.2 予測推移(2026~2035年)
 6.4.2.3 センサータイプ別内訳
  6.4.2.3.1 レーダーシステム
  6.4.2.3.2 電気光学/赤外線(EO/IR)システム
  6.4.2.3.3 信号情報(SIGINT)システム

6.4.3 電子戦
 6.4.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.4.3.2 予測推移(2026~2035年)

6.5 プラットフォーム別・日本のC4ISR市場

6.5.1 航空
 6.5.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.5.1.2 予測推移(2026~2035年)

6.5.2 陸上
 6.5.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.5.2.2 予測推移(2026~2035年)

6.5.3 海上
 6.5.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.5.3.2 予測推移(2026~2035年)

6.5.4 宇宙
 6.5.4.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.5.4.2 予測推移(2026~2035年)

6.6 コンポーネント別・日本のC4ISR市場

6.6.1 ハードウェア
 6.6.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.6.1.2 予測推移(2026~2035年)

6.6.2 ソフトウェア
 6.6.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.6.2.2 予測推移(2026~2035年)

6.6.3 サービス
 6.6.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.6.3.2 予測推移(2026~2035年)

6.7 地域別・日本のC4ISR市場

6.7.1 関東
 6.7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.1.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.2 近畿
 6.7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.2.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.3 中部
 6.7.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.3.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.4 九州・沖縄
 6.7.4.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.4.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.5 東北
 6.7.5.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.5.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.6 中国
 6.7.6.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.6.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.7 北海道
 6.7.7.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.7.2 予測推移(2026~2035年)

6.7.8 四国
 6.7.8.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.7.8.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 市場ダイナミクス
    7.1 SWOT分析
    7.1.1 強み
    7.1.2 弱み
    7.1.3 機会
    7.1.4 脅威

7.2 ポーターの5フォース分析
7.2.1 サプライヤーの交渉力
7.2.2 買い手の交渉力
7.2.3 新規参入の脅威
7.2.4 競争の激しさ
7.2.5 代替品の脅威

7.3 主要需要指標
7.4 主要価格指標

  1. 競争環境
    8.1 サプライヤー選定
    8.2 日本の主要企業
    8.3 主要地域企業
    8.4 主要企業の戦略
    8.5 企業プロファイル

8.5.1 Mitsubishi Electric Corporation(三菱電機株式会社)
 8.5.1.1 企業概要
 8.5.1.2 製品ポートフォリオ
 8.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.1.4 認証

8.5.2 NEC Corporation(日本電気株式会社)
 8.5.2.1 企業概要
 8.5.2.2 製品ポートフォリオ
 8.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.2.4 認証

8.5.3 Fujitsu Limited(富士通株式会社)
 8.5.3.1 企業概要
 8.5.3.2 製品ポートフォリオ
 8.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.3.4 認証

8.5.4 Hitachi, Ltd.(株式会社日立製作所)
 8.5.4.1 企業概要
 8.5.4.2 製品ポートフォリオ
 8.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.4.4 認証

8.5.5 Kawasaki Heavy Industries, Ltd.(川崎重工業株式会社)
 8.5.5.1 企業概要
 8.5.5.2 製品ポートフォリオ
 8.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.5.4 認証

8.5.6 Lockheed Martin Corporation
 8.5.6.1 企業概要
 8.5.6.2 製品ポートフォリオ
 8.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.6.4 認証

8.5.7 Northrop Grumman Corporation
 8.5.7.1 企業概要
 8.5.7.2 製品ポートフォリオ
 8.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.7.4 認証

8.5.8 Thales Group
 8.5.8.1 企業概要
 8.5.8.2 製品ポートフォリオ
 8.5.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.8.4 認証

8.5.9 L3Harris Technologies, Inc.
 8.5.9.1 企業概要
 8.5.9.2 製品ポートフォリオ
 8.5.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 8.5.9.4 認証

8.5.10 その他

■当英文調査レポートに関するお問い合わせ・お申込みはこちら
https://www.marketresearch.co.jp/contacts/

■株式会社マーケットリサーチセンターについて
https://www.marketresearch.co.jp
主な事業内容:市場調査レポ-トの作成・販売、市場調査サ-ビス提供
本社住所:〒105-0004東京都港区新橋1-18-21
TEL:03-6161-6097、FAX:03-6869-4797
マ-ケティング担当、marketing@marketresearch.co.jp