ヒトES細胞の複雑な特許状況を分析したレポートが発行

株式会社グローバルインフォメーション
2012-05-23 16:30

株式会社グローバル インフォメーションは、BIOINFORMANT WORLDWIDE, LLCが発行した報告書「Opportunities in Human Embryonic Stem Cell (hESC) Products (ヒト胚性幹細胞(hESC)製品の機会)」の販売を開始しました。

ヒト胚性幹細胞(ヒトES細胞)は受精後4-5日経過後の胚盤胞塊に由来する幹細胞で、全ての幹細胞の中でも最も細胞分化能が高く、200種類以上の細胞に分化できるため治療応用への可能性が極めて高いと言えます。

ヒトES細胞は1981年にMartin Evans と Matthew Kaufman また、同時期に Gail R. Martin によって樹立されたマウスES細胞にその起源を見る事が出来ます。1995年には Wisconsin大学が霊長類のES細胞の培養に始めて成功しました。さらにWisconsin大学によるブレイクスルーが1998年に続きます。James Thomson博士率いるグループが胚盤胞からのヒトES細胞の単離・培養に成功したのです。

このWisconsin大学による一連の重要な業績によりWisconsin Alumni Research Foundation (WARF)はその後の知的財産情勢に影響を与え続ける重要な特許群を申請しました。これら霊長類ES細胞に関する特許群はJames Thomsonが作製した細胞株のみではなく、アメリカに存在する全てのヒトES細胞に及ぶほど広範なものだった為物議を醸しています。

これ以降、WARFはどの研究関連企業がヒトES細胞に関する研究開発及び商品化をするかを決定する「ゲートキーパー」の役割を果たしています。WARFはまた、どの製薬会社がヒトES細胞を用いる治療を開発するかコントロールしています。1998年の特許取得移行、WARFが営利企業と結んだヒトES細胞の分離・分化に関する提携契約は僅かに27に留まります。そのうち公開されているのは15のみです。また、その他300の学術的研究機関とはコストなしでの取り決めを結んでいます。

このライセンス契約の少なさから、多くの企業がWARFの提示する金額が高すぎると感じている事が伺えます。それも驚くには当たらず、公開されている金額は年間支払いとロイヤルティーを除いても7万5千ドルから25万ドル以上に達します。インビトロジェン, ベクトン・ディッキンソンそしてChemiconはライセンス契約を公開していますが、多くの研究関連企業はコストのかからない代替案を模索しています。すなわち、彼らの主張の抜け道を見つけたり、海外で研究を行ったり、他の種のES細胞関連製品を開発したり、戦略的提携を模索したりしています。

当調査レポートではヒトES細胞に関わる複雑な知的財産の状況に焦点をあて、この市場への参入を検討している企業への指針を提供します。

市場調査レポート: ヒト胚性幹細胞(hESC)製品の機会
Opportunities in Human Embryonic Stem Cell (hESC) Products
http://www.gii.co.jp/report/biof239705-opportunities-human-embryonic-stem-cell-hesc.html
出版日: 2012年05月
発行: BIOINFORMANT WORLDWIDE, LLC

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