ブレインパッド、売場を巡回して欠品を検知する「売場巡回AI」(仮称)を発表 小売店舗のPoCパートナーの募集を開始

人が歩いて確かめていた棚の確認を、ロボットと生成AIで自動化

2026-08-31 16:00
株式会社ブレインパッド

 株式会社ブレインパッド(本社:東京都港区、代表取締役社長 CEO 関口 朋宏、以下:ブレインパッド)は、自律走行ロボットとAIを組み合わせて商品陳列棚の欠品を検知する「売場巡回AI」(仮称)について、PoC(*1)パートナーの募集を本日より開始します。
 ブレインパッドは自社の検証環境において、ugo株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO 松井 健)の点検ロボット「ugo mini」を用い、走行から商品の判定までの一連の検証を先行的に実施し、実店舗での運用に向けた検証ポイントを明確にしました。この結果をふまえて募集するPoCパートナーには、実店舗という検証の場をご提供いただき、現場に即したロジックと運用を、ともに組み上げていただくことを想定しています。
 当社は、2025年8月に発表した「店長支援AIエージェント」(*2)との連携も視野に、売場の状況把握から売上向上に向けたアクション提案までを総合的に支援することを目指します。

実証実験にてロボットが商品陳列棚を撮影する様子

実証実験にてロボットが商品陳列棚を撮影する様子

■「売場巡回AI」のPoCパートナーの募集概要

 本募集は、完成したサービスをお試しいただくものではありません。実店舗という検証の場をご提供いただきながら、実運用に向けた設計から改善の確認までを、ブレインパッドとともに進めていただく共同開発の取り組みです。
 当社は、自社に用意した検証環境において、自律走行ロボットによる巡回・撮影から欠品の判定までの一連の流れを検証しました。この検証は、約2週間で完了しています。
 その結果、基礎技術の有用性を確認できた一方で、多種多様な実際の店舗環境においてAIとロボットのパフォーマンスを最大限に引き出すための「実運用上の検証ポイント」も明確になりました。具体的には、以下のような領域を最適化することでさらに実用精度を高めていく必要があります。

  • 効率的な巡回・撮影スキームの確立(店舗規模やレイアウトに応じた巡回ルートの最適化)
  • 実運用に即した判定ロジックの設計(類似商品の括りでの判定や、見切れ・隠れを考慮した「実用的」な欠品ルールの定義)
  • 商品マスター運用プロセスの省力化(店舗側のデータ準備負担を減らす仕組みづくり)
  • 店舗の補充オペレーションへの組み込み(「前出し作業」や「補充優先度」と連携した、現場が動きやすい動線設計)

 AIの認識精度を高めることだけを目的とするのではなく、「どこまでを欠品とみなすか」「どのように運用ルール(前出し等のルール)と組み合わせれば現場が回るか」といった実効性の高い仕組みづくりは、実際の売場環境があって初めて設計できるものです。だからこそ、実店舗を運営する企業様とともに、現場に即したロジックと運用を組み上げていく共同開発が必要だと考えています。
 ブレインパッドは、自社検証と同じ速さで実店舗での検証サイクルを回すことを目指します。「仮説を立て、ロボットとAIを動かし、結果を確認して次の手を打つ」、この流れを短いサイクルで繰り返すことが、フィジカルAI(*3)を現場に定着させる近道だと考えています。PoCパートナーの皆様には、検証の結果を随時共有し、改善の過程をご一緒いただきます。

■ 「売場巡回AI」のPoCパートナー募集要項

  • PoCパートナーにお願いしたいこと
    検証の場としての実店舗、または店舗と同等の売場環境のご提供
    対象売場の商品リスト等、検証に必要なデータのご提供
    検知した結果に対する、店舗現場からのフィードバック
  • PoCの実施内容・進め方
    対象店舗の売場環境(棚の高さ・通路幅・商品カテゴリ等)を確認し、実施可否と検証範囲を設計
    対象店舗にロボットを設置し、営業時間内または閉店後の自律走行による棚の撮影・欠品検知を実施
    検知した結果と現場のフィードバックをもとに改善し、短いサイクルで検証を繰り返す
  • 募集期間・実施期間
    募集期間:2026年10月末まで(応相談)
    実施期間:2026年11月開始予定(PoC期間は個別にご相談させていただきます)
  • 対象企業
    GMS(総合スーパー)、スーパーマーケット、ドラッグストア、ホームセンター、コンビニエンスストアから数社程度を予定
  • お申し込み先
    サービス・製品に関するお問い合わせ( https://go.brainpad.co.jp/inquiry_service )

■ 「売場巡回AI」の概要

 「売場巡回AI」は、ロボットが売場を巡回し、AIが棚の状態を自動チェックする仕組みです。これまで人の目に頼っていた棚の確認作業をデータ化し、店舗運用を支援します。

  • ロボットによる定期的・効率的な売場データの収集
    自律走行ロボットが売場を自動巡回し、棚の状態を画像データ化します。
  • VLM(視覚言語モデル)を活用した高度な売場画像解析
    画像データと商品マスター情報を掛け合わせ、視覚言語モデル(VLM、*4)を用いて解析します。単なるパターンマッチングにとどまらず、棚全体の状況を言語的・文脈的に捉えて解釈することで、初期のAI学習コストを抑え、実用的な欠品検知環境を短期間で実現します。
  • 現場の補充オペレーションへの連携
    判定結果は自動で通知され、店舗スタッフの補充作業や優先度の判断を支援します。

■ 本取り組みの背景

 日本政府は2026年7月21日、「日本成長戦略」を閣議決定し、官民投資を促す戦略17分野を定めました。「フィジカルAI(特にAIロボット)」は、その筆頭に置かれた「AI・半導体」分野の第一項目です(*5)。
 また「AIロボティクス戦略」は、2040年までに1,000万台規模のAIロボットを国内に導入し、同年までに約60兆円規模へ拡大が見込まれる多用途ロボットの世界市場で20兆円規模の獲得を目指すとしています。対象となる18分野には「小売」が含まれ、実装可能性の高い動作としてまず「見廻る」ことが挙げられています(*6)。
 その背景にあるのは、深刻な労働力不足です。日本の生産年齢人口(15〜64歳)は、2020年の7,509万人から減少を続け、2043年には6,000万人を下回る見通しです(*7)。小売の現場も例外ではありません。
 商品棚の状態確認は、現在も店舗担当者による売場の巡回に頼っています。売場が広いほど負担は大きく、確認の頻度にも限界があります。売場の欠品は機会損失に直結し、お客様の店舗に対する印象も左右します。ブレインパッドは、この確認作業をロボットとAIで補うことを目指しています。

■ 今後の展望

ブレインパッドは、「売場巡回AI」を欠品の検知にとどめず、見つける・知らせるから、提案し、さらには作業を支援するまで、店舗運営を支えるAIエージェントとして育んでいくことを構想しています。

● 欠品を「見つける」から「補充提案」へ
 欠品を見つけられても、それだけでは売場は変わりません。次に必要になるのは、どの商品を、どの順番で、どこから補充するのかという判断です。ブレインパッドは、検知した結果に、在庫の状況、売れ行きの傾向を掛け合わせ、補充の優先順位を提示する方向へ機能を深めていくことを目指します。
 見つけて、知らせて、次の一手まで示す。ここまでをAIエージェントが担うことが、「売場巡回AI」の正当な進化だと考えています。

● 「店長支援AIエージェント」との連携で、売場から売上をつくる
 ブレインパッドは2025年8月、小売店舗の店長業務を支援する「店長支援AIエージェント」を発表し、PoCパートナーとともに検証を進めてきました。同エージェントは、店舗の売上高データと、天候やSNSなどの外部データをもとに、「売上アップには、今どのようなアクションが必要か」を提示します。
 「売場巡回AI」によって売場の状態をデータとして継続的に取得できるようになれば、売上データだけでは見えなかった「なぜ売れなかったのか」の要因を、売場の実態から捉えられるようになります。

 さらにその先には、売場の状態と売上の見通しをふまえたタイムセールや、ロボットを介した店内のお客様への売場のご案内など、売上をつくる側の打ち手も構想しています。棚の状態を見張る仕組みから、売上により貢献する仕組みへ。ブレインパッドは、その先を展望しています。

■ 株式会社ブレインパッド 流通・小売事業部 アナリティクスコンサルティングユニット統括 東 建志 コメント

 小売の現場では、人手不足が進む一方で、欠品確認や売場チェック、品出しなど、人が担っている作業がまだ多くあります。
 「売場巡回AI」で目指すのは、こうした仕事をAIとロボットが支え、店舗で働く方が、人に向き合い、お客様に喜ばれる売場をつくることに、より時間を使えるようにすることです。将来的には、見る・知らせるだけでなく、品出しや在庫移動などの作業まで支援していきたいと考えています。
 まだ技術検証を始めた段階ですが、生成AIをはじめとする技術革新を最大限に活かし、現場で本当に使えるものを、スピード感を持って実現していきます。そして、この実現には、実際の売場に立って初めて最適解が導き出せるものです。だからこそ、PoCパートナーの皆様と一緒に試行錯誤を重ねていきたいと考えています。ご関心をお持ちの企業様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

(*1)PoC (Proof of Concept、概念実証)とは、新しいアイデアや技術の実現可能性や有効性を検証することを指します。
(*2)ブレインパッド、「店長支援AIエージェント(α版)」を発表、小売店舗のPoCパートナーの募集を開始(2025年8月22日発表) https://www.brainpad.co.jp/news/2025/08/22/23913
(*3)フィジカルAI とは、カメラやセンサーで現場の状況を読み取り(認知)、次に取るべき行動を自律的に決め(判断)、ロボットや機械を介して物理的な作業として実行する(行動)技術を指します。
(*4)VLM (Vision Language Model、視覚言語モデル)とは、画像と言語を組み合わせて解釈するAIモデルを指します。
(*5)内閣官房「戦略17分野における「主要な製品・技術等」の官民投資ロードマップ」(2026年7月21日 日本成長戦略本部決定) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/nipponseichosenryaku/pdf/rm2026.pdf
(*6)内閣官房「AIロボティクス戦略 ~社会実装を加速し、巨大市場を切り拓く~」(2026年3月26日 AIロボティクスに関する関係府省連絡会議決定、2026年5月27日一部変更) https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/ai_robo/dai3/shiryo1.pdf
(*7)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」出生中位・死亡中位推計 https://www.ipss.go.jp/pp-zenkoku/j/zenkoku2023/pp2023_gaiyou.pdf

■ ご参考情報

● 株式会社ブレインパッドについて https://www.brainpad.co.jp/
 ブレインパッドは2004年創業の日本を代表するデータ/AI活用のリーディングカンパニーです。近年は「分析/コンサルティング/SI」「人材育成・教育」「SaaS」の三位一体のビジネスモデルを武器に、企業の内なるIT力を高める「データ活用の民主化と内製化支援」に注力しています。支援実績は金融・小売・メーカー・サービスなど幅広い業種を対象に1,400社を超え、データの力をビジネス創造と企業価値向上につなげるお手伝いをしています。

本社所在地:東京都港区六本木三丁目1番1号 六本木ティーキューブ
設立:2004年3月
代表者:代表取締役社長 CEO 関口 朋宏
資本金:365百万円(2026年6月30日現在)
従業員数:647名(連結、2026年6月30日現在)
事業内容:データ活用を通じて企業の経営改善を支援するプロフェッショナルサービス、プロダクトサービス

■ お問い合わせ先

● 製品・サービスに関するお問い合わせ

株式会社ブレインパッド
e-mail:info@brainpad.co.jp

*本ニュースリリースに記載されている会社名・商品名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。
*本ニュースリリースに掲載されている情報は、発表日現在の情報です。

以上