世界の円錐角膜の市場規模、疾患概要、疫学予測:2026年調査レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「世界の円錐角膜の市場規模、疾患概要、疫学予測、英文タイトル:Keratoconus Epidemiology Forecast; Disease Overview; Epidemiology Forecast; Patient Pool Analysis」調査資料を発表しました。本資料には、市場規模、疾患概要、疫学予測、患者数分析(日本、米国、ヨーロッパ、インドなど)、治療上の課題・アンメットニーズなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
本レポートは、円錐角膜(Keratoconus)の疫学動向について、過去の患者推移と2026~2035年の将来予測を整理した市場調査レポートである。円錐角膜は、角膜が進行性に菲薄化し、円錐状に前方突出する非炎症性の角膜拡張性疾患であり、不正乱視や視覚の歪みを引き起こす。一般に思春期から若年成人期に発症し、30~40歳代頃まで進行することがある。調査会社は、世界有病率を10万人あたり約289人、年間発症率を10万人年あたり約4例とし、とくに25~29歳で疾病負担が高いと整理している。本調査では2025年を基準年、2019~2025年を過去分析期間、2026~2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場における有病率、発症率、年齢、性別、診断患者数などを分析している。
円錐角膜は多因子性疾患であり、遺伝的素因、酸化ストレス、眼をこする習慣、アトピーなどの環境・身体的要因が関与するとされる。未治療で進行すると視機能が大きく低下し、重症例では角膜瘢痕を形成して外科的治療が必要になることがある。一方、近年は角膜トポグラフィーやトモグラフィーなどの画像診断が普及したことで、軽症・早期例の検出が増え、報告有病率が上昇している可能性がある。したがって、近年の患者数増加がすべて真の発症増加を意味するわけではなく、診断感度向上による捕捉増加も含まれると考える必要がある。
世界のpooled prevalenceは10万人あたり289人とされる。これは0.289%に相当する。しかし、資料では同時に「roughly 0.24%」とも記載されており、ここには算術上の不一致がある。289/100,000は0.289%であり、約0.29%と表すのが自然であるため、0.24%という記載は転記または換算上の誤差の可能性がある。したがって、本資料を要約する際には、元の絶対値である289/100,000を優先して理解するのが適切である。
年間発症率は約4/100,000 person-yearsとされる。これはある時点で円錐角膜を有する割合である有病率とは別の指標であり、毎年新たに診断・発症する症例数を示す。289/100,000という有病率と4/100,000人年という発症率を直接比較して矛盾とみなすべきではない。円錐角膜は若年期に発症し、その後長期間患者として生存するため、年間発症数に比べて有病患者数が蓄積する構造となる。
年齢では、25~29歳が最も高い疾病負担を持つとされ、この年齢群の有病率は525/100,000、発症率は20.8/100,000 person-yearsと報告されている。525/100,000は約0.525%に相当する。世界全体の有病率289/100,000よりかなり高く、若年成人に疾病負担が集中していることを示す。また、発症率20.8/100,000人年は世界平均約4/100,000人年の約5倍であり、25~29歳が新規発症の重要なピークであることがわかる。
資料冒頭では、円錐角膜は20~30歳頃、すなわち第2~第3 decadeに現れ、若い患者ほど進行しやすいとされる。一方、疾患概要では「adolescenceに発症し、third or fourth decadeまで進行する」とされている。これらは大きく矛盾せず、発症は思春期から20歳代に多く、進行は30~40歳代頃まで続く場合があると整理できる。
ただし、「若いほど進行しやすい」という点と「25~29歳で有病率・発症率が最も高い」という点は同じ指標ではない。若年発症例では角膜変形の進行速度が速い可能性がある一方、年齢群別の患者数・有病率のピークは診断年齢や疾患蓄積の影響も受ける。そのため、25~29歳が最も進行速度の速い年齢層であると断定することはできない。
性別では、男性がわずかに多いとされ、オッズ比は1.10と報告されている。これは男性の円錐角膜発生・存在オッズが女性より約10%高いことを示す程度であり、強い男性優位ではない。したがって、円錐角膜は男女双方に発生するが、世界的にはごく軽度の男性優位があると理解するのが適切である。
米国については、2019年のMedicaidおよびCHIP加入者で有病率約0.04%、2016年は約0.03%とされる。これは2016年から2019年にかけてわずかに増加したことを示す。ただし、この0.04%は米国一般人口全体の有病率ではなく、Medicaid/CHIP加入者という特定の保険加入集団を分母とした値である。
この点は非常に重要である。世界pooled prevalence 289/100,000、すなわち約0.289%と、米国Medicaid/CHIPの0.04%には約7倍の差があるが、両者は同一対象集団ではない。米国の数字をそのまま全国一般人口の有病率として扱うと過小評価になる可能性がある。
また、米国の0.03%から0.04%への増加は、絶対差では0.01ポイントにすぎない。相対的には約33%増加に見えるが、診断コード、加入者構成、画像診断普及などの影響を受ける可能性があるため、「3年間で疾患そのものが33%増えた」と解釈するのは不適切である。
米国では男女、年齢、人種間で多少の差があるとされるが、今回の抜粋では具体的な人種別有病率や年齢別数値は示されていない。したがって、「特定人種で何倍高い」といった定量的比較はできない。
同様に、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドについても、今回の抜粋では具体的な国別患者数や有病率は提示されていない。そのため、8主要市場を対象とするレポートではあるものの、この資料だけで国別の患者数ランキングを作成することはできない。
治療の基本は、視力補正と疾患進行抑制を分けて考えることである。早期例では眼鏡やハードコンタクトレンズ、特にrigid gas-permeable contact lensesなどを用いて不正乱視を補正する。これらは視力を改善する一方、角膜の構造的進行そのものを止める治療ではない。
進行抑制では角膜コラーゲンクロスリンキング(Corneal Collagen Cross-Linking:CXL)が中心とされる。資料では「only proven method to stabilize the disease」と表現されており、角膜実質コラーゲンを強化して疾患進行を抑える治療と位置づけられている。特に若年患者は進行リスクが高いため、進行性であることが確認された場合には早期介入が重要になる。
一方、CXLは円錐角膜を完全に正常角膜へ戻す根治治療ではなく、主目的は進行停止・安定化である。したがって、視力補正のためには引き続き眼鏡、コンタクトレンズ、その他の視機能改善策が必要になる場合がある。
視機能リハビリテーションとしては、角膜内リングセグメント、topography-guided photorefractive keratectomy、強膜レンズなどが挙げられている。これらは患者の角膜形状や重症度に応じて選択されるもので、全患者に一律で行う治療ではない。
重症化して角膜瘢痕が形成された場合や、コンタクトレンズ等で十分な視力が得られない場合には、全層角膜移植(penetrating keratoplasty)または深層前部層状角膜移植(Deep Anterior Lamellar Keratoplasty:DALK)が行われることがある。
したがって、円錐角膜治療は「眼鏡・コンタクトによる視力補正→進行例でCXL→より高度な視機能再建→重症例で角膜移植」という段階的構造を持つ。ただし、実際の治療順序は病期や角膜厚、瘢痕の有無などにより異なる。
研究開発では、遺伝子治療や個別化CXLプロトコルが検討されているとされる。ただし、これらは今回の資料では研究段階であり、確立した標準治療として扱うべきではない。
市場・疫学の観点では、円錐角膜は比較的若い年齢で発症し、その後数十年間にわたって視機能管理を必要とする点が特徴である。そのため、絶対有病率は低くても、一人あたりの長期医療需要が大きい。
第一の将来患者数増加要因は、角膜トポグラフィーやトモグラフィーによる早期診断の普及である。従来は単なる乱視と扱われていた軽症例が円錐角膜として診断される可能性がある。
第二に、若年者のスクリーニングや屈折矯正手術前検査などによって、無症候または軽症例の捕捉が増える可能性がある。
第三に、進行抑制治療であるCXLが普及すると、進行して角膜移植に至る患者割合を減らせる可能性がある。
このため、2026~2035年には「診断患者数が増える一方、重症・移植例の割合が低下する」という変化が起こる可能性がある。
また、若年患者ほど進行リスクが高いため、単純な患者数よりも「進行性円錐角膜患者数」が治療市場上重要になる。すでに安定している成人患者と、短期間で角膜変形が進む若年患者ではCXLなどの介入需要が異なるためである。
全体として本レポートは、円錐角膜を「思春期から若年成人期に発症しやすく、角膜菲薄化と円錐状突出によって不正乱視・視力低下を来す進行性非炎症性角膜拡張症」と位置づけている。
世界pooled prevalenceは289/100,000、年間発症率は約4/100,000人年とされる。ただし、289/100,000を0.24%とする資料内の換算は不一致であり、正しくは約0.289%である。
年齢では25~29歳の疾病負担が最も高く、有病率525/100,000、発症率20.8/100,000人年とされる。発症は思春期~20歳代に多く、若年例ほど進行しやすいとされるため、早期発見が特に重要である。
性別では男性のオッズ比1.10と、わずかな男性優位があるものの、男女双方に発症する疾患である。
米国ではMedicaid/CHIP加入者における有病率が2016年0.03%から2019年0.04%へ上昇したとされるが、これは特定保険加入集団の数値であり、米国一般人口有病率として世界pooled prevalenceと直接比較すべきではない。
治療では眼鏡・ハードコンタクトレンズによる視力補正に加え、進行例でCXLによる安定化を図る。必要に応じて強膜レンズ、角膜内リング、topography-guided治療などを用い、重症・瘢痕例ではDALKまたは全層角膜移植を検討する。
2026~2035年の疫学・市場動向を考えるうえでは、疾患そのものの真の発症増加よりも、診断画像の高精度化と若年者スクリーニングによる早期患者捕捉の影響が大きい可能性がある。そのため、診断患者数が増加しても必ずしも病態悪化を意味しない。
したがって、今後の円錐角膜管理における中心的課題は、若年期の軽度角膜変形を視力低下が進む前に発見し、進行リスクの高い患者を適切にCXLなどへつなげることである。2026~2035年は、早期画像診断と進行抑制治療の普及によって、従来は角膜移植に至っていた患者をどこまで早い段階で安定化できるかが、臨床・疫学・眼科診療・研究開発・市場の主要テーマになるとまとめられる。
※目次構成
- 序文
1.1 はじめに
1.2 調査の目的
1.3 調査方法および前提条件 - エグゼクティブサマリー
- 円錐角膜の市場概要 ― 8主要市場
3.1 円錐角膜の市場規模実績(2019~2025年)
3.2 円錐角膜の市場規模予測(2026~2035年) - 円錐角膜の疫学概要 ― 8主要市場
4.1 円錐角膜の疫学動向(2019~2025年)
4.2 円錐角膜の疫学予測(2026~2035年) - 疾患概要
5.1 徴候および症状
5.2 原因
5.3 リスク因子
5.4 ガイドラインおよび病期
5.5 病態生理
5.6 スクリーニングおよび診断
5.7 円錐角膜の種類 - 患者プロファイル
6.1 患者プロファイルの概要
6.2 患者心理および心理・感情面への影響因子 - 疫学動向および予測 ― 8主要市場(2019~2035年)
7.1 主な調査結果
7.2 前提条件およびその根拠
7.3 円錐角膜の診断済み有病患者数
7.4 円錐角膜のタイプ別患者数
7.5 円錐角膜の性別患者数
7.6 円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:米国(2019~2035年)
8.1 米国における前提条件およびその根拠
8.2 米国における円錐角膜の診断済み有病患者数
8.3 米国における円錐角膜のタイプ別患者数
8.4 米国における円錐角膜の性別患者数
8.5 米国における円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:英国(2019~2035年)
9.1 英国における前提条件およびその根拠
9.2 英国における円錐角膜の診断済み有病患者数
9.3 英国における円錐角膜のタイプ別患者数
9.4 英国における円錐角膜の性別患者数
9.5 英国における円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:ドイツ(2019~2035年)
10.1 ドイツにおける前提条件およびその根拠
10.2 ドイツにおける円錐角膜の診断済み有病患者数
10.3 ドイツにおける円錐角膜のタイプ別患者数
10.4 ドイツにおける円錐角膜の性別患者数
10.5 ドイツにおける円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:フランス(2019~2035年)
11.1 フランスにおける前提条件およびその根拠
11.2 フランスにおける円錐角膜の診断済み有病患者数
11.3 フランスにおける円錐角膜のタイプ別患者数
11.4 フランスにおける円錐角膜の性別患者数
11.5 フランスにおける円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:イタリア(2019~2035年)
12.1 イタリアにおける前提条件およびその根拠
12.2 イタリアにおける円錐角膜の診断済み有病患者数
12.3 イタリアにおける円錐角膜のタイプ別患者数
12.4 イタリアにおける円錐角膜の性別患者数
12.5 イタリアにおける円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:スペイン(2019~2035年)
13.1 スペインにおける前提条件およびその根拠
13.2 スペインにおける円錐角膜の診断済み有病患者数
13.3 スペインにおける円錐角膜のタイプ別患者数
13.4 スペインにおける円錐角膜の性別患者数
13.5 スペインにおける円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:日本(2019~2035年)
14.1 日本における前提条件およびその根拠
14.2 日本における円錐角膜の診断済み有病患者数
14.3 日本における円錐角膜のタイプ別患者数
14.4 日本における円錐角膜の性別患者数
14.5 日本における円錐角膜の年齢別患者数 - 疫学動向および予測:インド(2019~2035年)
15.1 インドにおける前提条件およびその根拠
15.2 インドにおける円錐角膜の診断済み有病患者数
15.3 インドにおける円錐角膜のタイプ別患者数
15.4 インドにおける円錐角膜の性別患者数
15.5 インドにおける円錐角膜の年齢別患者数 - ペイシェントジャーニー(患者の診療・治療プロセス)
- 治療上の課題およびアンメットニーズ
- キー・オピニオン・リーダー(KOL)の見解
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