「第2回中国における日系物流業の市場動向」を発表 ~ 地域分布では『上海一極集中』からの脱却が進む結果に ~
法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一)の連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(以下、リスクモンスターチャイナ)は、利墨リスモン調べ「第2回中国における日系物流業の市場動向」を発表いたしました。

「利墨リスモン調べ」は、リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポートです。今回は、2025年4月時点で開示されていた法人登記情報において日本企業が出資する中国企業およびグループ企業27,148社のうち、物流業に分類される1,072社を対象に調査しました。
2024年12月に発表した前回調査(2023年3月時点の法人登記情報)から約2年が経過する中、中国の物流業界では、人件費の上昇や価格競争の激化、顧客ニーズの高度化に加え、スマート物流インフラの普及や越境ECの拡大、政策主導によるグリーン転換など、事業環境が大きく変化しています。こうした状況を踏まえ、中国に進出している日系物流企業の最新動向と実態把握を目的として再調査を実施しました。
調査の結果、中国日系企業全体の3.9%にあたる1,072社が物流業に該当し、前回調査の1,064社(3.8%、※1)からわずかに増加する結果となりました。
■細分類業種別動向:「複合一貫運送・運送代理業」が全体の約半数を占める構成を維持
物流業に属する企業を細分類業種別に集計したところ、「複合一貫運送・運送代理業」(企業数504社、47.0%)が最多となり、前回調査(45.6%)よりも、1.4ポイント上昇しました。(図1)
2位の「倉庫業」(301社、28.1%)は、物流効率化や大型プレイヤーによる集約の影響から、単独での拠点維持よりも、代理・統合型サービスへの移行が進んでおり、前回調査(29.4%)から1.3ポイント低下しました。3位の「道路運送業」(172社、16.0%)は前回調査から同順位を維持しており、中国国内物流における道路輸送の重要性が依然として高いことを示しています。

■親会社別動向:阪急阪神ホールディングスが順位を大きく伸ばす
親会社別に集計した結果、首位は「日本通運株式会社」(企業数43社、前回調査比▲4社)で、前回調査に続きトップを維持しています。(表1)
最も企業数が増加した「阪急阪神ホールディングス株式会社」は、前回調査の16社から26社に増え、順位も14位から6位へと大きく上昇しました。同社は沿岸都市に加え、四川省・成都や遼寧省・瀋陽など内陸都市にも拠点設立を進めており、中国国内のネットワークを戦略的に強化していることがうかがえます。

■地域別動向:上海一極集中からの脱却が進む結果に
地域別分布では、前回調査と同様に、東部沿岸地域や大型港湾地域に集中する結果となりました。(図2)当該エリアに属する上海や深センなどは対外貿易取扱量が多い国際的な港湾であり、経済特区としての制度優位性もあるため、日系企業が求める安定したビジネス環境に適合しているといえます。
上位10地域は前回調査から大きな順位変動は見られないものの、上海市が383社(35.7%)と前回調査の402社(37.8%)より19社減少しました。人件費や事業コストの上昇により、「上海一極集中」からの脱却が進んでいる傾向が確認されました。
一方で、広東省は151社(14.1%)と前回調査の136社(12.8%)から増加しました。広東省では、2025年の輸出入総額が過去最高の9兆4,900億元(前年比+4.4%)に達しました。また、深センでは越境EC関連企業数も全国首位の15万社を超えるニュースも発表されるなど、粤港澳大湾区の経済統合と物流インフラ整備が、日系企業の進出を後押ししたとみられます。


■新設企業動向:
直近10年間の新設企業数の推移は、2015年~2018年に年間平均33社と高水準でしたが、2019年に減少しました。コロナ禍以降は回復基調であるものの、現在は年間20社程度にとどまっています。中国本土企業の台頭や価格競争の激化、コスト優位性の低下などを背景に、日系企業は慎重な投資姿勢を維持している状況がうかがえます。

総評
2025年の中国国内における物流市場は、規模拡大と構造変化が同時に進む転換期となりました。中国における社会物流総額が368.2兆元(前年比+5.1%)に達し、拡大基調にある一方で、過当競争が深刻化したため、利益や再編への圧力が強まっています。このような環境下において、日系企業は、リーン管理、精密機器輸送、低温物流などの強みを維持しながら、中国市場が求めるスマート化・デジタル化・グリーン化への対応を加速させる必要があります。
今後は、輸送・倉庫機能にとどまらず、サプライチェーン全体を最適化する付加価値型サービスへの転換が、競争力維持の重要な要素になると考えられます。
本調査結果の全文
中国日系物流業の親会社別企業数ランキング11~31位までの企業は、リスクモンスターチャイナの掲載サイトでご覧いただけます。
https://www2.rismon.com.cn/report2603_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=260312_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=260312
※1 一部データ欠損を補い、再集計を実施。
[実施概要]
・調査名称 : 第2回中国における日系物流業の市場動向
・調査方法 : 中国における日系企業の法人登記情報に基づく調査
・調査対象時期 : 2025年4月時点で開示されていた法人登記情報
・調査対象企業 : 中国全土で登記されている日本企業出資の中国企業及び
そのグループ企業(株式保有率50%以上の会社及び
その会社が支配している会社
(保有率50%以上)をグループ会社とする)の内、
物流業に分類される企業
・調査対象企業数: 1,072社
リスクモンスターチャイナについて
2012年9月、上海にリスモングループ初の海外拠点として設立。中国に進出する日系企業を対象に与信管理サービスを中心とした経営支援サービスを提供。また、日中両言語対応のクラウド型グループウェアや社員教育に役立つeラーニングを展開し、日系企業の経営・リスクマネジメントを管理面からサポート。2025年12月末時点で530会員の利用実績。
■リスクモンスターの概要(東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年12月末時点で14,799(内、与信管理サービス等8,158、ビジネスポータルサイト等3,027、教育事業等3,084、その他530)となっております。
会社概要
会社名 : リスクモンスター株式会社(英名:Riskmonster.com)
本社所在地 : 東京都中央区日本橋2丁目16番5号 RMGビル
代表取締役社長: 藤本 太一
設立 : 2000年9月
資本金 : 1,188,168,391円(2025年12月末現在)
HP : https://www.riskmonster.co.jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=260312