XMLコンソーシアム、NewsMLを利用したWebサービスの接続実験に成功
XMLコンソーシアム(会長:鶴保征城NTTソフトウェア株式会社代表取締役社長、会員数241社:2002年5月31日現在)は、複数のニュースソースから必要なニュースを検索し、情報を集約する実用に即したコンテンツ指向型のサービスを異なるアプリケーションサーバ間でWebサービス技術を利用して実現し、その接続実験に成功しました。これによりWebサービスがこれからのインターネット標準として位置付けられることを証明しました。
接続実験では、複数のアプリケーションサーバによって、複数の(仮想)新聞社/通信社を想定したニュース検索サービスや気象情報提供サービスをWebサービスとして構築しています。構築された各サービスはニュース検索用のポータルサイトに集約されます。各Webサービスは、入力された検索条件にしたがって検索結果をポータルサイトに返し、記事一覧として集約して表示されます。記事一覧から記事を選択すると画像データを含む記事の詳細内容と当日の気象情報が表示されます。その際、記事の詳細情報はWebサービスを用いてNewsMLデータが送信され、同じくWebサービスを用いて送られたスタイルシートに基づき、各種の表示形式を自動的に変更して表示させることができます。さらに、NewsMLで実際に使われているサブジェクトコードと呼ばれる世界で統一されているニュースの分類コードを用いて検索をすることも可能です。
本接続実験にはXMLコンソーシアム応用技術部会の主導のもと、(株)東芝、日進ソフトウエア(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、日本オラクル(株)、日本電気(株)、日本ユニシス(株)、(株)野村総合研究所、(株)日立製作所、PFUアクティブラボ(株) 、富士通(株)、リコーシステム開発(株)の11社が参加し、以下のアプリケーションサーバ製品を使用しました。
Apache AXIS Beta 1
BEA WebLogic Server 6.1J
Fujitsu INTERSTAGE Application Server V4.0L20
Hitachi Cosminexus Version 5
IBM WebSphere Application Server 4.0
IONA Orbix E2A XMLBus Edition 5.1
Microsoft Visual Studio .NET
NEC ActiveGlobe WebOTX Ver4.2
Oracle9i Application Server Release2
さらに、今回の接続実験の成果をふまえて、6月13日に行われる「XMLコンソーシアムWEEK」にて、成果の技術発表とデモンストレーションを行ないます。
今回接続実験で使用されたコンテンツは、(社)共同通信社、(株)毎日新聞社、(株)読売新聞社、(株)気象サービスの協力のもと、実際に使われているNewsMLデータ等を用いて構築しました。これにより、NewsMLがWebサービス上の情報伝達として有用であることも併せて検証されました。
【Webサービスとは】
Webサービスとは、アプリケーションの機能をモジュール化し、Web上のサービスとして提供するテクノロジーで、XML (Extensible Markup Language) 、SOAP (Simple Object Access Protocol) :XML Protocol、WSDL (Web Services Description Language)、UDDI (Universal Description, Discovery and Integration)といったWebの標準テクノロジーを基盤として実現されます。提供されたWebサービスは、ネットワークを通じて他のアプリケーションやシステムの一部として統合でき、また、Webサービスそのものをネットワーク上で検索・発見して、ダイナミックに結合しシステムを構築することも可能となります。アプリケーションが、他のWebサイトにあるアプリケーションの機能、すなわちWebサービスを利用できることが、人間を相手にすることを前提とするWebアプリケーションと違うところであり、これにより、インターネット上のビジネスに大きなインパクトを与える可能性が期待されています。Webサービスが、インターネット上で安心して使える基盤が整い、多くのプラットフォーム間で相互接続できるようになることが、Webサービス普及のカギと言われています。
【NewsMLとは】
NewsMLは、XMLベースのニュース交換のためのフォーマットとして、国際新聞電気通信評議会(IPTC)が2000年に仕様を策定しました。国内では日本新聞協会(NSK)主導のもとに、国内の利用方法が検討されています。すでに新幹線の電光ニュースをはじめとして、さまざまなニュース・サービスがNewsMLで表現され、適用範囲が拡大しています。NewsMLは、画像、音声、動画をはじめとする任意のニュース素材、フォーマット、言語を混在して使用できます。さらに、ニュースが使用可能・取り消しであることや、修正・改版があることも表現できます。このためNewsMLは、ニュースの蓄積のためのフォーマットとしてや、ネットワーク・コンピューティング環境でのニュースの作成、編集、管理、発行の補助として使用され、ニュースのライフサイクルのあらゆる場面に対応します。NewsMLについての詳しい内容は下記URLをご参照ください。
http://www.pressnet.or.jp/newsml/newsml.htm
【XMLコンソーシアムについて】
XMLコンソーシアムは、XML技術のビジネスにおける実用化推進を行う国内唯一の団体です。セミナー・イベント、部会活動、情報発信、標準化推進、各業界団体との連携などの具体的な活動を通じて、さまざまなコンピュータシステムにおけるXML技術の適用に貢献してまいります。特にXMLコンソーシアムでは、昨年10月に「Webサービス推進委員会」を発足させ、部会活動と共にその普及啓蒙を推進してきました。今後も更にWebサービスの実用化に向けた活動を続けてまいります。
以上
<お問合せ先>
XMLコンソーシアム事務局 田中 (富士ソフトABC内)
TEL. 03-5600-6205
E-mail. xmlcons@fsi.co.jp
URL http://www.xmlconsortium.org/