便中抗原検査の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表

2026-08-20 17:30
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「便中抗原検査の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Stool Antigen Testing Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、便中抗原検査の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本の便中抗原検査(Stool Antigen Testing)市場は、2025年時点で2億1,581万米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)7.6%で拡大し、2035年には4億4,895万米ドルに達すると予測されている。市場成長を支える主な要因は、Helicobacter pylori(H. pylori)感染への対応、胃がん予防・除菌後フォローアップ、消化管感染症診断、非侵襲的検査への需要、免疫測定技術の高度化、さらに検査室自動化や予防医療の拡大である。

市場構造では、検査タイプ別でBacterial Antigen Testが歴史的に50.3%を占めて最大、技術別ではELISAが48.2%、用途別ではH. pylori Detectionが41.6%を占めたとされる。つまり、日本の便中抗原検査市場は、細菌性病原体、とりわけH. pyloriの診断・治療後確認が中心となっている。

便中抗原検査は、便検体から病原体由来抗原を検出することで、内視鏡など侵襲的手技を必要とせずに消化管感染症を評価できる点が特徴である。市場には抗原検出キット、免疫測定法、病院・検査室向け自動分析プラットフォーム、Point-of-Care Testing(POCT)機器、関連試薬などが含まれ、H. pyloriだけでなく細菌、ウイルス、寄生虫まで対象としている。

最も重要な需要源はH. pyloriである。日本ではH. pylori感染が胃がんリスクと関連するため、感染の有無を確認するだけでなく、除菌治療後に感染が消失したかを確認する用途でも便中抗原検査が利用される。レポートでは、人口ベースのH. pyloriスクリーニングや除菌が胃がん予防戦略として重要であり、非侵襲的な検査がその運用を支えるとしている。

一方で、H. pylori市場には逆風もある。長年にわたる衛生環境改善や除菌治療の普及によって、特に若年層ではH. pylori保有率が低下しており、初回診断対象となる人口は徐々に縮小している。さらに医療費効率化の観点から、広範な一律検査よりも、臨床的に必要な患者を絞った検査へ移行する可能性がある。

したがって、この市場の成長は単純な「感染者数増加」によるものではなく、胃がん予防、除菌後確認、検査精度向上、検査の外来化・自動化などによって一件当たりの検査価値や利用機会が広がることに依存する。若年層で感染率が下がる一方、高齢層では既存感染者の診断・治療後管理需要が残るという二面性がある。

技術面ではELISAが中心である。レポートでは、ELISAが高い診断精度、再現性、標準化のしやすさ、病院・基幹検査室への導入実績を背景に主要技術として位置付けられている。大量検体を処理する自動化システムとの相性も良く、日本の高度な検査インフラと親和性が高い。

技術別では、ELISAのほかLateral Flow Immunoassays、Fluorescent Immunoassaysなどが含まれる。ELISAが大規模検査室向けなのに対し、Lateral Flow系は短時間で結果を得やすいため、外来や地域医療など分散型検査との親和性が高い。市場機会としても、迅速POCTやポータブル診断プラットフォームの普及が挙げられている。

今後の成長機会では、モノクローナル抗体を用いた高感度抗原検査や自動化ワークフローが重要である。検体前処理、測定、結果管理を効率化できれば、病院や検査センターは人員負担を抑えながら検査処理能力を高められる。レポートでは、TECHLABの2025年の製品展開を例に、免疫測定プラットフォームへの投資が続いているとしている。

用途別ではH. pylori Detectionが最大である一方、Bacterial Gastrointestinal Infection、Viral Gastrointestinal Infection、Parasitic Infection、Hospital-Acquired Infection Monitoringなどにも市場が広がっている。つまり、便中抗原検査市場はH. pylori専用ではなく、消化管感染症全般を対象とするマルチアプリケーション市場へ広がる余地がある。

検査タイプ別でも、Bacterial Antigen Testに加えてViral、Parasitic、Multiplex/Combination Stool Testが含まれる。Multiplex型では複数病原体を一度に調べられるため、原因病原体が不明な下痢症や院内感染監視などで効率性を高める可能性がある。ただし、今回の資料ではMultiplex検査の具体的な成長率や市場シェアは示されていない。

エンドユーザー別ではHospitalsが最大とされる。患者数が多く、検査室インフラが整備され、消化器疾患診療やH. pylori除菌後フォローアップを日常的に行うためである。Diagnostic Laboratories、Ambulatory Care Centersも市場を構成しており、検査の外来化・地域化が進めば、病院外の利用比率が徐々に高まる可能性がある。

市場トレンドとしては、非侵襲的診断への選好が特に重要である。H. pyloriの初回診断や治療後確認において、便中抗原検査は内視鏡生検を必要とせず、患者負担を減らしながら外来で実施しやすい。高齢化や医療費圧力を背景に、臨床精度を維持しながら処置負担を減らす検査方法への需要が強まるとされる。

競争環境では、Abbott Laboratories、bioMérieux、Thermo Fisher Scientific、Rocheが主要企業として紹介され、このほかMeridian Bioscience、Beckman Coulter、BD、TECHLAB、QuidelOrtho、DiaSorinなどが挙げられている。大手IVD企業が中心で、競争軸は抗原検出キット単体だけでなく、自動免疫測定装置、試薬、病院検査室との統合性、処理能力、検査精度にある。

ただし、競争企業リストには消化管感染症や免疫測定全般に強い企業が幅広く含まれており、今回の概要だけでは「日本の便中抗原検査市場でどの企業が最大シェアか」は判断できない。各社の具体的な日本向け製品、承認状況、市場シェアも示されていないため、企業一覧をそのまま市場順位として解釈するべきではない。

また、レポート冒頭では「colorectal cancer screening initiatives」が市場成長要因として挙げられているが、便中抗原検査と大腸がん検診の主要検査である便潜血検査は別の診断カテゴリーである。したがって、大腸がん検診を便中抗原検査市場の直接的な主要ドライバーとする説明には分類上の違和感があり、むしろH. pyloriと胃がん予防の方が資料全体を通じて一貫した成長要因である。

総合すると、日本の便中抗原検査市場は2025年の2億1,581万米ドルから2035年には4億4,895万米ドルへ約2.1倍に拡大し、CAGR7.6%の堅調な成長が見込まれる。Bacterial Antigen Testが50.3%、ELISAが48.2%、H. pylori Detectionが41.6%と、細菌・H. pylori・ELISAが現在の市場中核を形成している。

2035年に向けた主要テーマは、「H. pylori除菌後確認」「胃がん予防」「ELISA」「Bacterial Antigen Test」「Rapid POCT」「Automated Immunoassays」「Multiplex Testing」「非侵襲診断」「検査室自動化」に集約できる。日本市場は、感染者数そのものの増加ではなく、予防医療、治療後フォローアップ、迅速化・自動化、病院外検査への展開によって成長する診断市場と考えられる。

※目次構成

  1. 序文
    1.1 調査目的
    1.2 主要前提条件
    1.3 レポート対象範囲 ― 主要セグメンテーションおよび分析範囲
    1.4 調査方法

  2. エグゼクティブサマリー

  3. 便中抗原検査市場概要

3.1 アジア太平洋地域の便中抗原検査市場概要
 3.1.1 アジア太平洋地域の便中抗原検査市場の過去市場規模(2019~2025年)
 3.1.2 アジア太平洋地域の便中抗原検査市場予測(2026~2035年)

3.2 日本の便中抗原検査市場概要
 3.2.1 日本の便中抗原検査市場の過去市場規模(2019~2025年)
 3.2.2 日本の便中抗原検査市場予測(2026~2035年)

  1. 日本の便中抗原検査市場ランドスケープ

4.1 日本の便中抗原検査市場:開発企業ランドスケープ
 4.1.1 設立年別分析
 4.1.2 企業規模別分析
 4.1.3 地域別分析

4.2 日本の便中抗原検査市場:検査タイプランドスケープ
 4.2.1 検査タイプ別分析
 4.2.2 用途別分析

  1. 日本の便中抗原検査市場ダイナミクス
    5.1 市場促進要因および制約要因

5.2 SWOT分析
 5.2.1 強み
 5.2.2 弱み
 5.2.3 機会
 5.2.4 脅威

5.3 PESTEL分析
 5.3.1 政治的要因
 5.3.2 経済的要因
 5.3.3 社会的要因
 5.3.4 技術的要因
 5.3.5 法的要因
 5.3.6 環境要因

5.4 ポーターの5フォース分析
 5.4.1 サプライヤーの交渉力
 5.4.2 買い手の交渉力
 5.4.3 新規参入の脅威
 5.4.4 代替品の脅威
 5.4.5 競争の激しさ

5.5 主要需要指標
5.6 主要価格指標
5.7 業界イベント、主要施策およびトレンド
5.8 バリューチェーン分析

  1. 日本の便中抗原検査市場セグメンテーション(2019~2035年)

6.1 検査タイプ別・日本の便中抗原検査市場(2019~2035年)
 6.1.1 細菌抗原検査
 6.1.2 ウイルス抗原検査
 6.1.3 寄生虫抗原検査
 6.1.4 マルチプレックス/複合便検査

6.2 技術別・日本の便中抗原検査市場(2019~2035年)
 6.2.1 酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)
 6.2.2 ラテラルフロー免疫測定法
 6.2.3 蛍光免疫測定法
 6.2.4 その他

6.3 用途別・日本の便中抗原検査市場(2019~2035年)
 6.3.1 ヘリコバクター・ピロリ検出
 6.3.2 細菌性消化管感染症の診断
 6.3.3 ウイルス性消化管感染症の診断
 6.3.4 寄生虫感染症の診断
 6.3.5 院内感染モニタリング
 6.3.6 その他

6.4 エンドユーザー別・日本の便中抗原検査市場(2019~2035年)
 6.4.1 病院
 6.4.2 診断検査機関
 6.4.3 外来診療センター
 6.4.4 その他

  1. 規制枠組み

  2. 資金調達・投資分析
    8.1 資金調達件数別分析
    8.2 資金調達タイプ別分析
    8.3 資金調達額別分析
    8.4 主要企業別分析
    8.5 主要投資家別分析
    8.6 地域別分析

  3. 戦略的取り組み
    9.1 パートナーシップ件数別分析
    9.2 施策タイプ別分析
    9.3 主要企業別分析
    9.4 地域別分析

  4. サプライヤーランドスケープ

10.1 ベンダーポジショニング分析
 10.1.1 主要ベンダー
 10.1.2 将来有望なリーダー企業
 10.1.3 ニッチ市場のリーダー企業
 10.1.4 ディスラプター/市場変革企業

10.2 地域別市場シェア分析(上位5社)

10.3 Abbott Laboratories
 10.3.1 財務分析
 10.3.2 検査タイプポートフォリオ
 10.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.3.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.3.5 認証

10.4 bioMérieux S.A.
 10.4.1 財務分析
 10.4.2 検査タイプポートフォリオ
 10.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.4.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.4.5 認証

10.5 Thermo Fisher Scientific Inc.
 10.5.1 財務分析
 10.5.2 検査タイプポートフォリオ
 10.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.5.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.5.5 認証

10.6 F. Hoffmann-La Roche AG
 10.6.1 財務分析
 10.6.2 検査タイプポートフォリオ
 10.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.6.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.6.5 認証

10.7 Meridian Bioscience, Inc.
 10.7.1 財務分析
 10.7.2 検査タイプポートフォリオ
 10.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.7.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.7.5 認証

10.8 Beckman Coulter, Inc.
 10.8.1 財務分析
 10.8.2 検査タイプポートフォリオ
 10.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.8.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.8.5 認証

10.9 Becton, Dickinson and Company
 10.9.1 財務分析
 10.9.2 検査タイプポートフォリオ
 10.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.9.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.9.5 認証

10.10 TECHLAB, Inc.
 10.10.1 財務分析
 10.10.2 検査タイプポートフォリオ
 10.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.10.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.10.5 認証

10.11 QuidelOrtho Corporation
 10.11.1 財務分析
 10.11.2 検査タイプポートフォリオ
 10.11.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.11.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.11.5 認証

10.12 DiaSorin S.p.A.
 10.12.1 財務分析
 10.12.2 検査タイプポートフォリオ
 10.12.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 10.12.4 企業ニュースおよび事業展開
 10.12.5 認証

  1. 日本の便中抗原検査市場 ― 流通モデル(追加分析)
    11.1 概要
    11.2 潜在的な販売・流通事業者
    11.3 流通パートナー評価の主要項目

  2. キーオピニオンリーダー(KOL)インサイト(追加分析)

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