小型モジュラー炉(SMR)による発電量が2030年までに世界で18ギガワットを超す可能性
株式会社グローバル インフォメーションは、米国の市場調査会社Navigant Research (formerly Pike Research)が発行した報告書「Small Modular Reactors (小型原子炉(SMR))」の販売を開始しました。
小型モジュラー炉(SMR)は、工場で製造でき、現地組み立てができ、また複数の炉を並べることによって順次発電量を増大することができるなど、原子力発電事業者に数々の利点を提供できるものです。量産効果と標準化効果を生かしたより大型の原子炉設備では規模による経済性を強みとするのに対して、SMRの方は初期投資コストが小さくて済み、安全性が強化されており、柔軟に展開設置でき、革新的な燃料サイクルを提供でき、また幅広いさまざまな分野で活用することができるものとなっています。Navigant Research 社の調査レポートによれば、SMRによる世界全体の発電量は、2013年時点での数十メガワット(MW)レベルから、2030年には少なくとも4.6ギガワット(GW)にまで拡大すると予測されています。もっと楽観的に見た予測シナリオでは、同じ2030年までに発電量は18.2 GWにまで達し得るとの調査結果が出ています。
Navigant Research 社の論説ディレクターであるRichard Martin氏は、「もっと小型で、もっと柔軟性を持った原子炉を目指そうという動きにより、米国海軍の原子力潜水艦計画において原子力発電産業はその根源にまで立ち戻ろうとしています。言うところの原子力発電のルネサンスなるものがその潜在力を引き出すには、世界の原子力艦隊でSMRが重要な役割を果たすに違いないことは明らかです。」と語っています。
同レポートによれば、SMRの研究開発に対する政府からの支援は強力であり、またSMR技術製品企業がそれを商品化しようとする際の障壁は着実に低くなってきています。米国で最も高いハードルのひとつは米国原子力規制委員会からの承認と許諾とを獲得することです。同委員会は最近、新しい大型の従来型原子炉に対する承認を与えましたが、それは米国ではここ30年間以上にして初めてのことでした。米国では新型の原子炉技術の許諾を得るまでにかかる時間と経費が大きいことが主な理由となって、最初のSMR配備は米国外、多分中国で行われることになるだろうと、多くの業界関係者は信じています。中国は世界で最も進んだSMR開発計画を保有している国のひとつです。
同レポートは、小型モジュラー炉のこれまでの歴史と将来とについて精査し、特に現在進行中の配備計画について詳しく検証しています。さらに市場成長の促進要因と阻害要因、ならびに技術的な課題、またSMR計画を支える政府施策について詳細に分析を加えています。
市場調査レポート: 小型原子炉(SMR)
Small Modular Reactors
http://www.gii.co.jp/report/pike271129-small-modular-reactors.html
出版日: 2013年05月24日
発行: Navigant Research (formerly Pike Research)
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