固定翼型ドローンとセルラードローン用通信デバイスを用いた リアルタイム映像伝送による目視外長距離飛行実験に成功

~空の産業革命レベル3を実現するための長距離目視外飛行実験~

株式会社オプティム 株式会社NTTドコモ 九州支社
2019-02-18 15:15

株式会社オプティム(以下、オプティム)と株式会社NTTドコモ(以下、ドコモ)は、空の産業革命レベル3※1、2を実現するために必要な長距離目視外飛行において、2019年1月16日(水)~18日(金)に長距離・高速飛行が可能な固定翼型ドローン(以下、オプティムホーク)とLTE通信が可能なセルラードローン用通信デバイスを用いて実証実験(以下、本実証実験)を行い、目視外で長距離飛行における広域リアルタイム映像伝送に成功しました。

本実証実験では、ドコモはドローンに積載可能な小型・軽量のLTE通信デバイスと遠隔監視・映像伝送システムを開発し、通信デバイスをオプティムの開発したオプティムホークに搭載して、佐賀県有明海沿岸約20km、および、佐賀県有明海沿岸と福岡県有明海沿岸との間の約22kmの飛行航路において平均速度約90km/hで飛行実験を行い、オプティムホークの飛行状況とオプティムホーク前方に設置しているカメラからの映像をLTEネットワーク経由でリアルタイムに専用サーバへ伝送する技術を実証しました。

オプティムホークは長距離・高速飛行が可能なため、現在広く利用されているマルチコプター機では到達困難な10km以上遠方へ飛行できるとともに、マルチコプター機と比較して約3倍程度早く目的地へ到達できます。さらに、セルラードローン用通信デバイスを搭載することで、LTEサービスエリア内であればドローンの場所によらずリアルタイム映像伝送が可能となります。このインフラを提供することで、将来的には水産業における赤潮発生状況把握や、農業での植生データの広域取得、災害発生時の人命救助をより広域、かつ、迅速に行うことが可能となります。

今後両社は、測量などの農水産、災害以外のユースケースに関してもオプティムホークとセルラードローン用通信デバイスを活用した快適なドローンサービスの提供を検討してまいります。

※1 空の産業革命・・・2018年6月15日に「小型無人機に係る環境整備に向けた官民協議会」(議長:内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補(内政担当)付))が取りまとめて公表した「空の産業革命に向けたロードマップ2018 ~小型無人機の安全な利活用のための技術開発と環境整備~」のことです。
経済産業省HP: http://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/robot/drone.html
※2 レベル3・・・無人地帯(山、海水域、河川、森林等)での目視外飛行(補助者なし)のことです。

別紙
本実証実験概要

  1. 実験内容
    オプティムホークとセルラードローン用通信デバイスを活用した目視外飛行による遠隔監視と広域リアルタイム映像伝送による新たなインフラの検証
  1. 各社の役割
    ●オプティム
    ・LTEモジュールとカメラを搭載するためのオプティムホーク改造
    ・改造後の機体の飛行テスト
    ・フライト用人員手配

●ドコモ
・オプティムホークに搭載するLTE通信モジュールとカメラの提供
・遠隔監視・映像伝送システムの提供
・実証実験に必要な許可申請

  1. 実験場所
    佐賀県有明海沿岸約20km、および、佐賀県有明海沿岸と福岡県有明海沿岸との間の約22km
フライトプラン(1)(赤潮監視、密漁監視などを想定)

フライトプラン(1)(赤潮監視、密漁監視などを想定)

フライトプラン(2) (赤潮監視、密漁監視などを想定)

フライトプラン(2)(赤潮監視、密漁監視などを想定)

フライトプラン(2)(赤潮監視、密漁監視などを想定)

フライトプラン(3) (災害対応等想定)

フライトプラン(3)(災害対応等想定)

フライトプラン(3)(災害対応等想定)

  1. 実証実験イメージ
実証実験イメージ

実証実験イメージ

  1. 実証実験に使用するセルラードローンの遠隔監視・映像伝送システム
    ドコモが遠隔監視・映像確認システムを新たに開発し株式会社アプトポッドへ試作システムの開発・製造を委託
  1. 実験機材の写真
    セルラードローン用通信デバイス
セルラードローン用通信デバイス

セルラードローン用通信デバイス

遠隔監視・映像伝送システムの画面

遠隔監視・映像伝送システムの画面

遠隔監視・映像伝送システムの画面

オプティムホーク

オプティムホーク

オプティムホーク