ビジネスプロセスマネジメント(BPM)の日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表

2026-08-20 12:30
株式会社マーケットリサーチセンター

株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)の日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Business Process Management Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、ビジネスプロセスマネジメント(BPM)の日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。

■主な掲載内容

日本のビジネスプロセスマネジメント(BPM)市場は、2025年時点で11.0億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)19.1%で拡大し、2035年には63.2億米ドルに達すると予測されている。市場成長を支える中心要因は、企業全体の業務プロセス可視化、継続的な業務改善、AIを活用したワークフロー自動化、クラウドネイティブ型業務システムの普及である。地域別では関西がCAGR20.2%、コンポーネント別ではプラットフォームが17.8%、導入形態別ではクラウドが18.6%で成長するとされる。

日本企業では、BPMが単なる業務フロー管理ツールではなく、財務、人事、物流、調達、顧客対応など複数部門を横断してプロセスを可視化・自動化する基盤として使われるようになっている。AIベースのBPMでは、人手による介入を減らしつつ、リアルタイムで業務判断を支援できるため、企業のデジタルトランスフォーメーションを加速する役割が大きい。

特に注目されているのが、プロセスマイニングとプロセスインテリジェンスである。既存のERPや業務システムから実際の処理データを取得し、どこで業務が滞留しているか、どの承認工程が非効率か、どこに重複作業があるかを可視化することで、業務改善をデータに基づいて行いやすくなる。財務、調達、サプライチェーン、顧客業務などでこうした活用が拡大している。

2025年3月にはKao CorporationがSAP Signavioを利用し、ERPデータをもとにグローバル業務を可視化・分析したとされる。特に買掛金・売掛金プロセスを含む財務業務の改善に活用し、キャッシュサイクルや全社業務効率の向上を目指した事例として紹介されている。

AIによる業務自動化は市場の最も重要な成長要因の一つである。企業はAIを使って単純なルールベース処理だけでなく、判断を伴う業務にも自動化範囲を広げている。製造やインフラなどではIndustrial AIとクラウドネイティブシステムを組み合わせ、部門間の連携や業務可視性を高める動きが進んでいる。

2026年4月にはNECがIndustrial AIとクラウドネイティブ型企業システムを活用し、製造・インフラ分野でのDXを強化したとされる。こうした事例は、BPMがバックオフィスだけでなく、製造現場や重要インフラの運用プロセスにも広がっていることを示している。

金融分野ではSaaS型BPMの導入が拡大している。証券取引や金融関連業務をクラウド化し、手作業を減らしながら処理精度を高める需要が強い。2026年4月にはMatsui SecuritiesがJASDECPS SaaSを導入し、証券貸借関連プロセスの効率化と精度向上を進めたとされる。

低コード型BPMも急速に普及している。従来は業務フロー変更のたびに大規模なシステム開発が必要だったが、低コードプラットフォームを利用すれば、業務部門側でも比較的短期間でワークフローを変更・構築できる。これにAIを組み合わせることで、自律的に業務処理を進める「エージェント型」ワークフローへの発展も進んでいる。

2025年10月にはMendixがagentic AI機能を導入し、自律型ワークフローやアプリケーション開発の高速化を進めたとされる。こうした機能は、IT部門への依存を抑えながら業務部門自身が自動化を進める可能性を高める。

マネージドサービスやアウトソーシングも市場成長を支えている。企業はBPMソフトウェアを購入するだけでなく、IT運用、品質管理、業務支援まで外部事業者へ委託することで、標準化と効率化を同時に進めている。2025年1月にはSHIFTがグローバル業務支援サービスを拡大し、ITプロセス支援やアウトソーシング需要に対応したとされる。

製造業では、BPMとデジタルエンジニアリングの統合が進んでいる。製造現場のデータと企業システムを接続し、生産工程、品質管理、在庫、調達などを一体で管理することで、工場単位ではなく企業全体で業務最適化を図る動きが強まっている。

2026年3月にはB-EN-Gが製造業向けサービスを拡充し、データを活用した生産ワークフロー最適化やシステム連携を強化したとされる。これは、BPMが単なる事務プロセス自動化から、製造プロセスそのものの可視化・統合へ広がっていることを示している。

コンポーネント別では、プラットフォームとサービスに分類される。プラットフォームが中心であり、AIワークフロー自動化、プロセスマイニング、低コード開発、HR SaaSなどの需要が成長を支えている。

プラットフォーム型BPMの強みは、単一業務だけでなく複数の業務プロセスを一つの基盤上で管理できる点にある。例えば、人事、財務、調達、営業などのワークフローを統合し、共通のルールやデータを使うことで、部門ごとの分断を減らせる。

一方、サービス分野も重要である。BPM導入では既存システムとの連携、レガシー環境の刷新、業務設計、運用改善などが必要になるため、コンサルティング、システム統合、マネージドサービスへの需要が高い。

導入形態ではオンプレミスとクラウドに分類され、クラウドが高成長分野となっている。クラウドBPMはインフラ投資を抑えながら導入でき、利用規模の拡張、リアルタイム処理、複数部門・拠点間の連携を行いやすい。

クラウドは2026~2035年にCAGR18.6%で成長すると予測されている。SaaS型BPMを導入すれば、ハードウェア管理を減らし、機能更新も容易になるため、企業は業務変更に迅速に対応できる。

一方、金融や規制産業などではオンプレミスも重要である。機密データを外部環境へ出したくない企業や、重要業務を自社管理下に置きたい組織では、オンプレミス型が残る。今後は、重要処理はオンプレミス、分析や連携はクラウドというハイブリッド型が拡大すると考えられる。

企業規模別では、大企業が現在の主要需要層である。大企業は組織構造が複雑で、複数部門や海外拠点をまたぐ業務標準化が必要なため、BPM導入による効果が大きい。AI分析や予測最適化を組み合わせ、全社横断型の業務改善を進めている。

一方、中小企業でも低コード、RPA、クラウドBPMの普及によって導入障壁が下がっている。従来は高コストな大企業向けシステムだったBPMが、比較的少ないIT投資でも利用可能になり、業務効率化や生産性向上の手段として採用が進んでいる。

業務機能別では、人事、調達・サプライチェーン、営業・マーケティング、財務・会計、顧客サービスなどに分類される。特に財務と人事では標準化された反復業務が多いため、自動化効果が大きい。

人事では、採用、給与計算、従業員ライフサイクル管理、評価、HR分析などをBPMで自動化する動きが進んでいる。AIを使った人材分析も拡大しており、単純な事務処理削減だけでなく、人員配置や人材戦略の高度化にもつながっている。

サプライチェーンでは、調達、製造、物流、納品までのプロセスを一体で可視化する需要が高い。AIによる予測や異常検知をBPMへ組み込むことで、供給遅延や在庫過多を早期に把握し、業務のレジリエンスを高めることができる。

エンドユーザー別では、IT・通信、小売・消費財、政府・防衛、医療・ライフサイエンス、BFSI、製造など幅広い分野で採用されている。業界ごとに必要なプロセスが異なるため、汎用BPMより業界特化型ワークフローやテンプレートの重要性が高まっている。

BFSIでは特に導入が進んでいる。金融取引、リスク管理、規制対応、顧客対応などでは正確性と監査性が求められるため、BPMとの相性が良い。AIを組み合わせることで、不正検知やより高度な意思決定も可能になる。

製造業では、スマートファクトリー化とともにBPM需要が高まっている。生産計画、品質、設備、物流、調達など複数プロセスを統合し、AIや分析を用いてダウンタイム削減や生産性向上を図る用途が増えている。

地域別では資料内にやや不整合がある。冒頭では「関西が2025年に市場を主導し、CAGR20.2%で成長」とされる一方、地域別本文では「関東が支配的」と説明されている。また、2025年の定量表では中部のシェアが20.3%と示されるものの、関東・関西のシェア数値は掲載されていない。

そのため、定量的に明確なのは関西の予測CAGRが20.2%であることと、中部の2025年シェアが20.3%であることまでである。一方、本文では東京に金融機関、テクノロジー企業、本社機能が集中しているため、関東がBPM導入の最先端地域と位置付けられている。

関西では、製造、エンジニアリング、産業DXを背景にBPM需要が伸びている。特に製造工程の統合や産業自動化との連携が成長要因になっている。

競争環境では、AI、機械学習、予測分析、インテリジェント・オーケストレーションの統合が主要な差別化要因になっている。さらに、モジュール型・低コード型の設計によって導入期間を短縮し、企業ごとの業務に合わせて柔軟にカスタマイズすることが重視されている。

また、クラウドBPMとオンプレミスを組み合わせたハイブリッド環境、RPAとの統合、レガシーシステム刷新も主要戦略である。市場競争は単一のBPMソフトウェア機能よりも、企業の既存システムとどこまで連携し、部門横断で標準化できるかへ移っている。

主要企業としてはMicrosoft、IBM、Appian、Oracleが紹介され、このほかTIBCO Software、Bizagi、Cflow、OpenText、Newgen Software、BP Logixなどが参入している。

MicrosoftはクラウドやAIを活用した企業向け業務自動化に強みを持ち、IBMはハイブリッドクラウド、AI、コンサルティングを組み合わせたインテリジェントオートメーションを提供している。

AppianはBPMとワークフローオーケストレーションに特化した自動化プラットフォームを提供し、Oracleはクラウド、データベース、業務アプリケーションを組み合わせて企業業務の統合・効率化を支援している。

総合すると、日本のBPM市場は2025年の11.0億米ドルから2035年には63.2億米ドルへ約5.7倍に拡大する見通しであり、CAGR19.1%という非常に高い成長が予測されている。

市場の成長は単なる業務効率化ではなく、「業務を可視化し、データに基づいて継続的に再設計する」方向への変化によって支えられている。AI、プロセスマイニング、低コード、RPA、クラウドが一体化することで、BPMは従来のワークフロー管理より広い企業変革基盤へ進化している。

2035年に向けた主要テーマは、「AIワークフロー自動化」「プロセスマイニング」「低コード・agentic AI」「クラウドBPM」「SaaS型財務・人事業務」「マネージドサービス」「製造プロセス統合」「RPA・レガシーシステム連携」に集約できる。

最終的には、日本のBPM市場は、個別業務を自動化する市場から、企業全体のプロセスをリアルタイムで把握し、AIが継続的に改善・再構成する「インテリジェント業務オーケストレーション市場」へ移行していくと考えられる。

※目次構成

  1. エグゼクティブサマリー
    1.1 市場規模(2025~2026年)
    1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
    1.3 主な需要促進要因
    1.4 主要企業と競争構造
    1.5 業界のベストプラクティス
    1.6 最新動向と最近の展開
    1.7 業界見通し

  2. 市場概要およびステークホルダー分析
    2.1 市場動向
    2.2 主要産業分野
    2.3 主要地域/国
    2.4 サプライヤーの交渉力
    2.5 買い手の交渉力
    2.6 主な市場機会とリスク
    2.7 ステークホルダーによる主要施策

  3. 経済概要
    3.1 GDP見通し
    3.2 一人当たりGDPの成長
    3.3 インフレ動向
    3.4 民主主義指数
    3.5 政府総債務比率
    3.6 国際収支(BoP)の状況
    3.7 人口見通し
    3.8 都市化動向

  4. カントリーリスク分析
    4.1 カントリーリスク
    4.2 ビジネス環境

  5. アジア太平洋地域のビジネスプロセスマネジメント(BPM)市場分析
    5.1 主要業界ハイライト
    5.2 アジア太平洋地域のビジネスプロセスマネジメント市場の過去実績(2019~2025年)
    5.3 アジア太平洋地域のビジネスプロセスマネジメント市場予測(2026~2035年)

  6. コンポーネント別・日本のビジネスプロセスマネジメント市場

6.1 プラットフォーム
 6.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.1.2 予測推移(2026~2035年)

6.2 サービス
 6.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 6.2.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 導入モデル別・日本のビジネスプロセスマネジメント市場

7.1 オンプレミス
 7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 7.1.2 予測推移(2026~2035年)

7.2 クラウド
 7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 7.2.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 企業規模別・日本のビジネスプロセスマネジメント市場

8.1 大企業
 8.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 8.1.2 予測推移(2026~2035年)

8.2 中小企業
 8.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 8.2.2 予測推移(2026~2035年)

  1. 業務機能別・日本のビジネスプロセスマネジメント市場

9.1 人事管理(HRM)
 9.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.1.2 予測推移(2026~2035年)

9.2 調達・サプライチェーン管理(SCM)
 9.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.2.2 予測推移(2026~2035年)

9.3 営業・マーケティング
 9.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.3.2 予測推移(2026~2035年)

9.4 会計・財務
 9.4.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.4.2 予測推移(2026~2035年)

9.5 カスタマーサービス・サポート
 9.5.1 過去の推移(2019~2025年)
 9.5.2 予測推移(2026~2035年)

9.6 その他

  1. エンドユーザー別・日本のビジネスプロセスマネジメント市場

10.1 IT・通信
 10.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 10.1.2 予測推移(2026~2035年)

10.2 小売・消費財
 10.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 10.2.2 予測推移(2026~2035年)

10.3 政府・防衛
 10.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 10.3.2 予測推移(2026~2035年)

10.4 ヘルスケア・ライフサイエンス
 10.4.1 過去の推移(2019~2025年)
 10.4.2 予測推移(2026~2035年)

10.5 BFSI(銀行・金融サービス・保険)
 10.5.1 過去の推移(2019~2025年)
 10.5.2 予測推移(2026~2035年)

10.6 製造業
 10.6.1 過去の推移(2019~2025年)
 10.6.2 予測推移(2026~2035年)

10.7 その他

  1. 地域別・日本のビジネスプロセスマネジメント市場

11.1 関東
 11.1.1 過去の推移(2019~2025年)
 11.1.2 予測推移(2026~2035年)

11.2 関西
 11.2.1 過去の推移(2019~2025年)
 11.2.2 予測推移(2026~2035年)

11.3 中部
 11.3.1 過去の推移(2019~2025年)
 11.3.2 予測推移(2026~2035年)

11.4 その他

  1. 市場ダイナミクス
    12.1 SWOT分析
    12.1.1 強み
    12.1.2 弱み
    12.1.3 機会
    12.1.4 脅威

12.2 ポーターの5フォース分析
12.2.1 サプライヤーの交渉力
12.2.2 買い手の交渉力
12.2.3 新規参入の脅威
12.2.4 競争の激しさ
12.2.5 代替品の脅威

12.3 主要需要指標
12.4 主要価格指標

  1. バリューチェーン分析
    13.1 主要ステークホルダー
    13.2 バリューチェーンの各段階

  2. 競争環境
    14.1 サプライヤー選定
    14.2 日本の主要企業
    14.3 主要地域企業
    14.4 主要企業の戦略
    14.5 企業プロファイル

14.5.1 Microsoft Corporation
 14.5.1.1 企業概要
 14.5.1.2 製品ポートフォリオ
 14.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.1.4 認証

14.5.2 IBM Corporation
 14.5.2.1 企業概要
 14.5.2.2 製品ポートフォリオ
 14.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.2.4 認証

14.5.3 Appian Corporation
 14.5.3.1 企業概要
 14.5.3.2 製品ポートフォリオ
 14.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.3.4 認証

14.5.4 Oracle Corporation
 14.5.4.1 企業概要
 14.5.4.2 製品ポートフォリオ
 14.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.4.4 認証

14.5.5 TIBCO Software Inc.
 14.5.5.1 企業概要
 14.5.5.2 製品ポートフォリオ
 14.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.5.4 認証

14.5.6 Bizagi Group Limited
 14.5.6.1 企業概要
 14.5.6.2 製品ポートフォリオ
 14.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.6.4 認証

14.5.7 Cavintek, Inc.(Cflow)
 14.5.7.1 企業概要
 14.5.7.2 製品ポートフォリオ
 14.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.7.4 認証

14.5.8 Open Text Corporation
 14.5.8.1 企業概要
 14.5.8.2 製品ポートフォリオ
 14.5.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.8.4 認証

14.5.9 Newgen Software Technologies Limited
 14.5.9.1 企業概要
 14.5.9.2 製品ポートフォリオ
 14.5.9.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.9.4 認証

14.5.10 BP Logix, Inc.
 14.5.10.1 企業概要
 14.5.10.2 製品ポートフォリオ
 14.5.10.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
 14.5.10.4 認証

14.5.11 その他

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