エコテックス®メイドイングリーン10周年

グローバルな透明性・責任・トレーサビリティ

一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
2025-06-03 15:00
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2015年のメイドイングリーンラベルの開始以来、エコテックス®国際共同体は10年間にわたりグローバルなサプライチェーンを通じた「製品の安全性」、「製造プロセスの持続可能性」、「労働条件の向上性」を推進し続けています。

スイス代表機関TESTEX(COO)Jean-Pierre Haug氏は「消費者の期待も含め、生産履歴全体を見通した各国の規制要件に応えるべきブランドや小売業者に対して、メイドイングリーンは製品の信頼性を消費者に伝えたい彼らに、価値あるソリューションを提供します」とコメントしています。

メイドイングリーン10周年を迎えた今、改めてその成長過程や各業界へ与えたインパクトを振り返るとともに、エコテックス®はこれからもサプライチェーンの透明性及び、社会的責任明確化への取組をサポートしていきます。

エコテックス®「ステップ」認証工場で生産された「スタンダード100」や「レザースタンダード」認証製品は、メイドイングリーンラベルを貼付することができます。
世界中の消費者に、二次元コードからサプライチェーンを知る機会と、アパレル製品を購入する意義を提供しています。

▶実際のウェブページへアクセスし、ご体験ください。
https://www.oeko-tex.com/jp/label-check/detail?number=M10000002

ラナ・プラザ崩壊事故 ― 「メイドイングリーン」の起源

2013年4月バングラデシュで起きたラナ・プラザ崩壊事故※1をきっかけに、巨大グローバルブランドを中心として繊維産業における社会的・環境的責任に対する意識が高まりました。
そうした中、20年以上にわたりサプライチェーンの透明性と信頼性を推進してきたエコテックス®国際共同体が透明性への新たな取組として開発したのが、「メイドイングリーン」ラベルです。
複数のエコテックス®認証情報を、消費者が追跡可能なラベルにして認証製品に貼付することで、安全性・持続可能性・社会的責任について、より簡易な方法で分かるようになりました。

ラナ・プラザ崩壊事故※1
ファッションブランド縫製工場が多数入居する商業ビルが崩壊し、4000人近い労働者等が死傷した事故

メイドイングリーンの要件①製品認証 ― 製品の安全性を基盤に

「メイドイングリーン」ラベルの付いた製品は、エコテックス®の厳格な認証基準に基づいて、サプライチェーン全体にわたり【有害物質に対する安全性】【環境に配慮した製造工程】【公正な労働条件下での生産】が確保されています。

なお、ラベル貼付の認定を受けるためには、エコテックス®スタンダード100、オーガニックコットン、レザースタンダードのうちいずれかの認証を取得していることが必須条件となります。

また、エコパスポート認証を受けた安全な染料や化学薬剤を使用して生産することで、スタンダード100等の認証取得の際に一部の試験を省略でき、コストを削減しながら製品の安全性を高めることができます。

メイドイングリーンの要件②工場認証 ― 社会的責任、環境負荷低減の責任を中核に

生産工程における社会的責任や環境負荷低減の遂行が、メイドイングリーンの大きな柱になります。

そのため、製造工場では、エコテックス®ステップ(以下ステップ)認証の取得が必須となります。ステップ認証の基準で設けられた6つのモジュールのうち、「社会的責任」のモジュールは、国連の国際労働機関(ILO)の中核的労働基準に則っていて、「労働者の結社の自由・団体交渉権の承認」、「安全で健康的な労働環境」、「児童労働の禁止」、「強制労働と差別の撤廃」といった基本的権利が含まれています。

ニッセンケンを含むエコテックス®認証機関は、約70項目ある社会的基準の監査を定期的に実施するとともに、従業員との面談も行い、コンプライアンスへの取組を検証します。2024年の認証実績として、全世界のサプライチェーンで働く約200万人もの繊維産業労働者の労働条件改善に貢献しました。

また、化学薬剤の安全性もメイドイングリーンの最重要課題のひとつです。エコテックス®は長年にわたり、この分野に関する厳格な基準を設定してきました。「従業員の安全と衛生」のモジュールにおいては、包括的な工場監査と従業員へのアンケートを通じて、対象施設における化学薬剤の管理・安全性の研修、保管体制といった項目を細分化し、評価しています。さらに、化学薬剤を含む廃水による水路の汚染を防止するため、年1回の検査報告書の提出を義務付けています。

消費者のための透明性=トレーサビリティ

「メイドイングリーン」が提供するトレーサビリティは、消費者に高く評価されています。製品に貼付されるラベルには、個別の製品IDと二次元コードが表示されており、スマホを利用し生産国・工場・生産工程等に関する詳細な情報にアクセスできます。2024年の統計データでは、30万枚以上のラベルが消費者によってスキャンされました。

スペイン認証機関AITEXの責任者であるConsuelo Carbonell氏は、「製品ラベルを利用したトレーサビリティは不正を防止する原点であり、メイドイングリーンラベルで製品の信頼性を担保しています」とコメントしています。

第三者機関からの高い評価

メイドイングリーンは、各国の様々な独立機関から高い評価を得ています。ITC Standards Map※1やSiegelklarheit platform※2で採用されているほか、米アマゾンの「Climate Pledge Friendly(気候誓約フレンドリー)」プログラムにも認定されています。
EPA(米国環境保護庁)は、「アパレルとテキスタイルにおける厳しい基準を満たしている」と評価しており、フランスではラベルが付与された企業はeco-modulations※3“リファッションボーナス”を受け取ることができます。
エコテックス®の創設メンバーでもあるHohensteinグローバルマーケティング責任者・Martin Cieslik氏は「国際環境NGOグリーンピースが2018年にメイドイングリーンをラベルガイドに掲載し、その中でベスト3に選ばれたことは大変光栄です。その数年後には、同団体の調達製品にラベル製品が選ばれました。厳格な独立機関から評価されたことで、メイドイングリーンの確実な進化を実感しました」とコメントしています。

ITC Standards Map※1
国際貿易センターが開発した、世界のサステナビリティ基準を比較/理解する無料オンラインツール

Siegelklarheit platform※2
ドイツ政府機関が提供する、環境ラベルを比較検討するための情報提供ツール

eco-modulations※3
優れたエコデザインの製品を報奨し、循環に悪影響を与える製品は罰するシステム

生産者と消費者双方に活用されるエコテックス®

エコテックス®は30年以上にわたり、繊維・皮革産業の生産工程を透明化かつ持続可能な方法で最適化する、標準化されたソリューションを提供してきました。
科学的原則をベースとして、高品質で安全かつ持続可能な製品を市場に送り出すことに貢献してきました。

現在100カ国以上のメーカー・ブランド・商社35,000社がエコテックス®を活用し、同時に世界中の何百万もの消費者がエコテックス®ラベル商品を購入し、責任ある購買の意思決定を行う指針となっています。

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本リリースに関するお問い合わせ先

■エコテックスⓇ認証について
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
ライフ アンド ヘルス事業本部 エコテックスⓇ事業部
E-mail:oeko-tex@nissenken.or.jp

■エコテックスⓇPRについて
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
事業推進室 マーケティンググループ
E-mail:pr-contact@nissenken.or.jp

一般財団法人ニッセンケン品質評価センターとは

ニッセンケンは、1948年の設立以来、繊維製品を中心とした「試験・検査」を通じて、製品の安全性や機能性を評価し、日本と世界のものづくりを支えてきました。現在では、世界最先端の安全基準「エコテックス®認証」において、アジア地域で唯一の認証機関でもあります。

繊維関連の各種試験に加え、抗ウイルス性能の評価、香粧品検査、海外市場への進出支援、さらには品質やサステナビリティを軸にしたブランディング支援まで、幅広い領域に対応。「品質課題のソリューションパートナー」として、企業や製品の新たな価値創出を支援しています。

設立日:1948年12月6日
本社所在地:〒111-0051東京都台東区蔵前2-16-11
代表者:理事長 駒田 展大
ウェブサイト:https://nissenken.or.jp/
事業内容:繊維製品、それに類する製品及び健康と安全性に係わる製品の試験、分析、解析
     エコテックス®国際共同体加盟機関
     厚生労働省登録試験検査機関
     JNLA登録試験事業者