日本の食品サプリメント市場2026~2035年、市場規模・企業動向・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「日本の食品サプリメント市場2026~2035年、英文タイトル:Japan Food Supplement Market Research 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、日本市場規模、企業動向、セグメント別予測、市場シェアなどの情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のプロバイオティクス飲料市場は、腸内環境への関心、予防医療の普及、科学的根拠を持つ機能性商品の重視という3つの潮流によって、本格的な成長局面に入っている。これまでプロバイオティクス飲料は一部の健康志向層向けの商品とみられることもあったが、現在では日常的に摂取する健康飲料として一般化しつつあり、臨床データを伴う機能訴求やブランドへの信頼を背景に、より主流のカテゴリーへ移行している。
市場規模は2025年に29億3,217万米ドルとされ、2035年には83億7,796万米ドルまで拡大すると予測されている。2026~2035年の予測期間における年平均成長率(CAGR)は11.07%で、約10年間で市場規模が大幅に拡大する見通しである。特に成長が速いとされるのは、機能性を強化した商品や低糖・無糖タイプのプロバイオティクス飲料である。なお、本文中の「2025年の29億米ドルから2035年に83億米ドルへ」という市場規模データに対し、Key Takeawaysでは「2.9 millionから8.3 million」と記載されており単位に不整合があるが、Market Scopeの表ではいずれも“Million”表記で2,932.17 million、8,377.96 millionとされているため、レポート全体としては数十億米ドル規模の市場を想定していると読むのが自然である。
日本市場の重要性は、高齢化、医療費負担の増加、発酵食品との文化的な親和性にある。日本では味噌や納豆など、発酵を通じて健康を支える食品が長く食生活に取り入れられてきたため、プロバイオティクスという考え方自体への心理的な抵抗が比較的小さい。消費者はプロバイオティクス飲料を単なる飲み物としてではなく、日常的な健康管理や疾病予防を支援する手段として評価するようになっている。
その一方で、市場への参入や投資判断では、規制対応、菌株や成分の科学的差別化、消費者ニーズの変化への適応が重要になる。日本のプロバイオティクス飲料市場では、単に味やブランドイメージで競争するだけでは不十分になりつつあり、どの菌株を使用しているか、その菌株にどのような臨床データがあるか、どの健康効果をどこまで科学的に説明できるかといった「成分レベルの信頼性」が購買判断を左右するようになっている。
消費者需要の変化としては、第一に、科学的に検証された健康効果が重視されている。従来は「お腹に良い」「乳酸菌入り」といった比較的広い訴求でも受け入れられやすかったが、現在では免疫機能、ストレス軽減、睡眠、腸内フローラ改善など、より具体的で検証可能な機能への関心が高まっている。第二に、どの菌株がどれだけ含まれているかなど、成分表示の透明性に対する要求も強まっている。第三に、消化機能だけでなく、免疫、ストレス、睡眠、全身の健康状態といった腸以外の機能を含む多面的な健康価値が求められている。
この変化を受け、メーカーは高機能・高濃度の菌株、独自のプロバイオティクス、さらにはポストバイオティクスを組み合わせた処方開発を進めている。市場競争の焦点は、フレーバーの種類を増やすことから、どのような菌株・成分を用い、どのような健康価値を科学的に提供できるかという方向へ移っている。
市場成長を支える大きな要因の一つは、予防医療への関心の高まりである。日本の高齢化に伴い、病気になってから治療するのではなく、日常的な食生活や生活習慣を通じて健康を維持するという考え方が浸透している。腸内マイクロバイオームと免疫、代謝、精神的健康などとの関連に対する認知も高まり、プロバイオティクス飲料を毎日の健康習慣に組み込む消費者が増えている。
飲料という形態自体にも強みがある。錠剤やカプセルと比べて摂取しやすく、食事や朝の習慣に組み込みやすいため、継続利用につながりやすい。特に、仕事で忙しい層や高齢者にとって、手軽に摂取できる飲料形式は利便性が高く、日常的な反復購入を促す要素になっている。
もう一つの大きな成長要因が、低糖・無糖化である。健康飲料を購入する消費者ほど糖分摂取にも敏感であり、従来の乳酸菌飲料やヨーグルト飲料に含まれる糖質を問題視する層が増えている。そのためメーカーは、砂糖の使用量を減らしたり、ステビアなどの代替甘味料を活用したりして商品を再設計している。
低糖・無糖化は単なる製品改良ではなく、市場全体の価格戦略にも影響している。健康面での付加価値が明確な製品については、消費者が一定のプレミアム価格を受け入れる傾向があるためである。特に、低糖、特定菌株、臨床検証、免疫やストレスなどの複数機能が組み合わされた商品は、一般的な飲料より高い価格帯でも支持される可能性がある。
規制環境は市場成長にとって重要な制約である。本文では、日本の厚生労働省による健康関連表示への厳格な審査・規制が指摘されている。健康効果を表示するためには十分な科学的根拠が必要となるため、企業は臨床データや安全性評価を整備する必要がある。その結果、新商品の開発期間が長くなり、研究開発費も増加し、新規参入企業にとっては大きな障壁となる。
ただし、この規制は既存の有力企業にとっては競争優位にもなり得る。十分な研究データや独自菌株、規制対応のノウハウを持つ企業は、承認された機能性表示や科学的訴求を活用して消費者からの信頼を得やすいからである。したがって、日本市場では、規制の厳しさが市場全体の参入障壁を高める一方、科学的に裏付けられた商品に対する信頼性も高めるという二面的な作用を持つ。
技術面では、発酵技術の高度化によって、1回の摂取でより多くのプロバイオティクスを含有できる製品の開発が進んでいる。本文では、1食あたり最大1,000億個の生菌を含有できるような技術が、製品の「高濃度」の基準を引き上げているとされている。こうした高濃度化は、消費者に対して効力の強さを分かりやすく訴求できる一方、実際の健康効果を臨床的に立証する重要性も高めている。
デジタルヘルスとの連携も新しい成長領域である。アプリを使ってプロバイオティクス飲料の摂取状況を記録したり、健康状態や生活習慣に基づいて個別の摂取提案を行ったりする仕組みが登場しつつある。これにより、従来は単発的な飲料購入だったものを、継続的な健康管理サービスに変える可能性がある。企業側にとっては、リピート率や顧客定着率を高める手段にもなる。
市場機会は、科学的差別化と消費者の信頼獲得に集中している。菌株・原料メーカーにとっては、睡眠改善、ストレス軽減、免疫など、特定の健康目的に特化した次世代菌株の開発余地が大きい。飲料メーカーには、乳製品を使用しない植物由来のプロバイオティクス飲料を開発する機会がある。これは乳糖不耐症の消費者や、植物性食品を好む若い世代への対応につながる。
小売企業にとっては、科学的根拠のある商品をプレミアムカテゴリーとして売り場で明確に差別化することが成長機会となる。投資家にとっては、単に既存の売上やブランド力だけでなく、研究開発パイプライン、独自菌株、臨床研究、規制対応能力を持つ企業を優先的に評価する必要がある。これらの能力が、長期的に商品の拡張性や市場シェアに直接影響するためである。
また、プロバイオティクス単独ではなく、プレバイオティクスやポストバイオティクスを組み合わせた複合機能型飲料にも成長機会がある。腸内細菌そのものを摂取するプロバイオティクス、善玉菌の栄養源となるプレバイオティクス、菌由来の代謝物などを活用するポストバイオティクスを一つの製品に統合することで、「腸内環境+免疫+その他の健康機能」を同時に訴求できる可能性がある。
市場は製品タイプ、菌・成分、用途、年齢層、流通チャネル別に分類される。製品タイプでは、飲むヨーグルト、コンブチャ、ケフィア、その他が主要カテゴリーとなっている。なかでも飲むヨーグルトは、消費者にとって馴染みがあり、消化機能に関する信頼も確立しているため、引き続き市場の中心的カテゴリーとされている。
一方、植物由来のプロバイオティクス飲料は新興分野として注目されている。若年層、乳製品を避ける消費者、食事制限を持つ人々などから支持される可能性があり、今後の成長余地が大きい。乳製品中心だった従来市場から、より多様なベース原料へと市場が広がることで、新しい消費者層を取り込めると考えられている。
成分別では、Lactobacillus、Bifidobacteriumなどが主要カテゴリーとなっている。競争上特に重要なのは菌株レベルの差別化である。たとえばYakultで知られるLactobacillus casei Shirotaのような独自菌株は、ブランドそのものと密接に結びついており、長期的な研究蓄積と臨床データが商品価値の中核になっている。今後は、単に「乳酸菌入り」と表示するよりも、「どの菌株が、どのような機能を持つか」を訴求する成分ブランド戦略が一層重要になる。
流通面では、スーパー、コンビニ、薬局・健康食品店、オンライン販売が主要なチャネルである。日本ではコンビニエンスストアの店舗網が非常に発達しており、日常的な買い物や衝動買いを促す重要な販売拠点となっている。プロバイオティクス飲料は冷蔵棚などで目につきやすく、朝食や昼食などと一緒に購入されやすいことから、コンビニでの販売は市場拡大に大きく寄与する。
一方、オンラインチャネルでは、定期購入モデルが重要になっている。健康効果を得るには継続摂取が重要だという認識が広がれば、月単位や週単位で配送するサブスクリプション型サービスとの相性が良い。さらに、デジタルヘルスアプリと定期購入を組み合わせることで、単なる商品販売から継続的な健康管理サービスへと事業モデルを拡張できる可能性がある。
サステナビリティも競争上の差別化要素になりつつある。企業はリサイクル可能な包装、生分解性素材、軽量容器などを採用し、製品輸送時の排出量や廃棄物の削減を進めている。また、原料をより地域内で調達することでサプライチェーンの環境負荷を減らす取り組みも行われている。Yakultが2050年までのネットゼロ達成を掲げていることは、環境戦略が単発的なCSRではなく、長期的なブランド戦略に組み込まれていることを示す事例とされている。
競争環境では、Yakult Honsha、Meiji Holdings、Morinaga Milk Industry、Kirin Holdings、Asahi Group Foods、MEGMILK SNOW BRAND、NISSIN FOODS HOLDINGSなどが主要企業として挙げられている。これらの企業は強力な研究開発力、ブランド認知度、流通網、独自菌株を活用しながら市場で競争している。
Yakultは独自菌株と長年の臨床研究を最大の競争力としており、科学的信頼性を軸にブランド力とプレミアムポジションを維持している。Kirinは、従来型の生菌中心の商品に加えてポストバイオティクス飲料や低カロリー商品を拡大し、より幅広い健康志向層を取り込もうとしている。Morinagaは無糖化や代替甘味料などの処方改良に力を入れ、糖質を控えたい消費者への対応を強化している。
したがって、今後の競争優位はブランド名の知名度だけでは維持しにくくなり、科学的信頼性、実際の製品効果、独自菌株、規制対応能力がより重要になる。特に、競合との差別化が難しい成熟市場では、研究データや成分特許など模倣しにくい資産を持つ企業ほど優位に立ちやすい。
最近の動向として、2026年5月にはYakult Honshaが国内および輸出需要の増加に対応するため、日本国内のプロバイオティクス飲料生産能力を拡大したとされている。取り組みの中心は高度なLactobacillus菌株と商品イノベーションで、市場リーダーとしての供給能力と研究力をさらに強化する狙いがある。
2026年4月にはMeiji Holdingsが、免疫および消化機能を対象とする機能性を強化した新しいプロバイオティクス飲料を投入し、商品ラインアップを拡充したとされている。また2026年3月にはMorinaga Milk Industryが、腸内マイクロバイオームのバランスを重視した処方改良や機能性原料の採用によって、プロバイオティクス飲料ポートフォリオを強化したとされている。
総じて、日本のプロバイオティクス飲料市場は、単なる「乳酸菌飲料市場」から、「科学的根拠を持つ予防健康ソリューション市場」へと性格を変えつつある。高齢化や予防医療志向、発酵食品文化、腸内マイクロバイオームへの理解が市場成長を支える一方、今後は低糖・無糖、特定菌株、免疫やストレス・睡眠などの付加機能、植物由来商品、ポストバイオティクスとの組み合わせ、デジタルヘルスとの連携などが差別化の中心になると考えられる。
企業にとって特に重要なのは、消費者に「健康に良さそう」と感じてもらうことではなく、その健康効果を臨床研究や成分レベルのデータによって説明できることである。研究開発、独自菌株、規制対応、ブランド信頼、流通網を複合的に持つ企業が有利であり、投資の観点でもこうした無形資産を保有する企業が評価されやすい。今後の日本市場では、科学的妥当性、低糖化、多機能化、継続摂取の仕組み、そして持続可能性まで含めた総合的な商品設計が、市場シェアと収益性を左右する主要因になるとみられる。
※目次構成
- 調査方法および調査範囲
調査方法
調査目的およびレポートの対象範囲 - 定義および概要
- エグゼクティブサマリー
タイプ別市場概要
成分別市場概要
用途別市場概要
年齢別市場概要
流通チャネル別市場概要 - 市場動向
市場への影響要因
成長要因
低糖・無糖製品に対する消費者選好の高まり
技術革新の進展
阻害要因
規制およびコンプライアンス上の課題
市場機会
影響分析 - 業界分析
ポーターの5フォース分析
サプライチェーン分析
価格分析
規制分析
DMI見解 - タイプ別
はじめに
タイプ別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
タイプ別市場魅力度指数
ドリンクヨーグルト*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
コンブチャ
ケフィア
テパチェ
その他 - 成分別
はじめに
成分別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
成分別市場魅力度指数
乳酸桿菌(Lactobacillus)*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
ストレプトコッカス属(Streptococcus)
ビフィドバクテリウム属(Bifidobacterium)
その他 - 用途別
はじめに
用途別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
用途別市場魅力度指数
消化器・腸内環境の健康*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
腸内細菌叢/腸内マイクロバイオームのバランス
消化
便秘
腹部膨満
下痢
リーキーガット
炎症
免疫機能
その他
グルテン感受性
腹痛
GERD(胃食道逆流症)/ヘリコバクター・ピロリ
抗菌薬関連下痢/抗菌薬投与後のケア
腸内フローラ/腸内マイクロバイオームの回復
その他
膣の健康
尿路の健康
腎結石
尿路感染症(UTI)
その他
口腔の健康
アンチエイジング/健康的な加齢
アレルギー/喘息
骨・関節の健康
変形性関節症
骨粗鬆症/低骨密度
炎症
脳・メンタルヘルス
睡眠
認知機能
気分
抑うつ
集中力
心血管の健康
血行・循環
活力向上/疲労軽減
メタボリックシンドローム/血糖管理
肝臓の健康
エネルギー・活力
免疫/呼吸器感染症
栄養素の吸収
肌・髪・爪の健康
アトピー性皮膚炎・湿疹
ニキビ
酒さ
発毛/脱毛
皮膚マイクロバイオーム
その他
スポーツ・運動
女性の健康
妊孕性
更年期
妊娠
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
膣の健康および膣内マイクロバイオーム
膣感染症(BV/VVC)
妊娠アウトカム
その他
男性の健康・男性の妊孕性
体重管理
小児の健康
乳児疝痛
便秘
逆流・溢乳
アトピー性皮膚炎
その他
その他 - 年齢別
はじめに
年齢別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
年齢別市場魅力度指数
乳児*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
小児
成人
高齢者 - 流通チャネル別
はじめに
流通チャネル別市場規模分析および前年比成長率分析(%)
流通チャネル別市場魅力度指数
スーパーマーケット/ハイパーマーケット*
はじめに
市場規模分析および前年比成長率分析(%)
薬局・ドラッグストア
コンビニエンスストア
オンライン小売
その他の流通チャネル - サステナビリティ分析
環境面の分析
経済面の分析
ガバナンス分析 - 競争環境
競争状況
市場ポジショニング/市場シェア分析
M&A(合併・買収)分析 - 企業プロファイル
13.1 Yakult Honsha Co., Ltd.(株式会社ヤクルト本社)*
企業概要
製品タイプ/製品ポートフォリオおよび概要
財務概要
主な動向
13.2 その他の主要企業
NISSIN FOODS HOLDINGS CO., LTD.(日清食品ホールディングス株式会社)
Asahi Group Foods, Ltd.(アサヒグループ食品株式会社)
Meiji Holdings Co., Ltd.(明治ホールディングス株式会社)
Nihon Kefir Co., Ltd.
MEGMILK SNOW BRAND Co., Ltd.(雪印メグミルク株式会社)
Nomura Dairy Products Co., Ltd.(野村乳業株式会社)
Kirin Holdings Company, Limited(キリンホールディングス株式会社)
※企業一覧は網羅的なものではありません。
- 付録
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