【岡山理科大学】獣医師国家試験のサポート体制が合否に影響 「研究生」の合格率は81.3% 獣医学科分析
2024年度獣医師国家試験で、岡山理科大学獣医学科は受験者数116人(新卒)のうち95人が合格して前年度比14.4㌽アップの81.9%、私立大学で2位の合格率を達成しましたが、既卒者の合否についても同学科が分析したところ、大学側の手厚いサポート体制が合否に大きく影響していたことが分かりました。
獣医学科によると、学科が把握している既卒の受験者は43人。うち24人が再挑戦で合格しました。この数字だけで見ると、合格率は55.8%です。これでも既卒者の全大学平均合格率(17大学)40.6%を15.2㌽も上回っていますが、24人のうち研究生として学内で研究などを続けた既卒者16人で見ると、81.3%にあたる13人が合格しました。
本学では研究生の身分で在籍して図書館など学内施設を利用し、演習や講義にも参加・聴講できる環境を提供しました。獣医師国家試験の模擬試験も受験しました。
斉藤真也・獣医学部長は「現役生の合格率が上がったのには、一緒に勉強に励む先輩の研究生たちからのアドバイスも効果があったのではないか」とみています。
「研究生にしてもらえたことで質問があれば研究室に出入りできるし、手が届かない資料も図書館に行けばあるし、補講もあった。模試をやってもらえたのも大きい」と既卒で合格した香川県出身の後藤丈人さん=写真㊤。今年4月香川県庁に入り、獣医師として中讃保健福祉事務所に勤務しています。
「浪人して一人で勉強するより、研究生になって外部からのサポート、振り返りの機会なども得ながら取り組んだ方が断然有利だと思います。補講の資料がオンラインにより自宅で見られるようになっていて、これに助けられました」と続けます。
現在は衛生業務に携わっており、「動物の専門家という立場から人間の社会活動に貢献できる獣医師をめざしています」と力強く話してくれました。

一方、現役合格の松岡優也さん=写真㊦=は地元の県立今治西高校出身。「今治キャンパスの学生室という勉強スペースに研究生の先輩方がいて、分からないところを聞いたり、暗記のポイントや試験情報を教えてもらったり。勉強方法もアドバイスしてもらいました。非常にありがたかったです」と松岡さん。現在、高松市内の動物病院に約10人の獣医師とともに勤務。「将来は皮膚の状態を見て病気の診断ができるような獣医師をめざしたい」と目を輝かせています。
後輩の皆さんへのアドバイスは? 「ほとんどできている人なら7月、8月までに過去問を5年分解いて、それを全部説明できるようにしておけば、卒業研究や国家試験もスムーズにいくと思います」
