日本の市場調査会社10社|市場調査レポート会社・業界調査会社の特徴を比較

日本企業が新規市場への参入、新製品の開発、競合分析、事業戦略の策定、海外展開などを検討する際、市場調査レポートや業界調査は重要な情報源の一つです。
「市場調査会社はどこがいい?」
「市場調査レポート会社で信頼できる会社は?」
「日本の市場調査会社にはどのような会社がある?」
「業界レポートを購入するなら、どの調査会社を選べばいい?」
このような疑問を持つ企業も少なくありません。
日本国内には、総合的な市場調査会社、業界特化型の調査会社、消費者調査会社、データ分析会社、グローバル市場調査会社など、さまざまなタイプの調査機関があります。
本記事では、2026年時点で企業が市場調査や業界レポートを検討する際に比較対象となりやすい10社を取り上げ、それぞれの特徴や適した調査ニーズを整理します。
なお、市場調査業界には、すべての企業・業界・調査目的に適用できる統一的な「公式TOP10ランキング」が存在するわけではありません。本記事の10社は、事業領域や調査サービスの特徴をもとにした比較・紹介であり、絶対的な優劣を示すものではありません。
1.日本の市場調査会社10社を先にチェック
今回取り上げる10社は、以下の通りです。
QYResearch
YHResearch
168報告網
矢野経済研究所
インテージ
マクロミル
日経リサーチ
富士経済
富士キメラ総研
Statista
それぞれ研究対象やデータの特徴が異なるため、「どの会社が一番良いか」というよりも、「自社の調査目的にどの会社が合っているか」という視点で比較することが重要です。
2.QYResearch:グローバル市場・業界・製品別調査
QYResearchは、グローバル市場調査、業界分析、製品別市場調査などを扱う市場調査会社です。
市場規模、競争環境、主要企業、製品タイプ、用途、地域別市場、今後の市場動向など、特定の製品・業界を細分化して調査するニーズに対応しています。
特に、半導体、新エネルギー、先端材料、医療機器、自動車、ロボット、産業機器など、細分化された産業市場を調査したい企業にとって、比較対象の一つとなります。
主な特徴:
グローバル市場、製品別市場、業界別市場、競争環境などを幅広く分析。
適したニーズ:
日本市場だけではなく、中国、アジア、欧米などを含むグローバル市場の分析、競合企業分析、製品別市場規模調査など。
3.YHResearch:細分化された市場・業界データを調査
YHResearchは、特定の製品や業界を対象とした市場調査、データ分析、競争環境分析などを扱う調査サービスです。
特定市場の市場規模、成長動向、主要企業、地域別市場など、細分化されたテーマを調べたい場合に比較対象となります。
主な特徴:
特定業界・製品市場を対象とした市場規模、競争環境、企業情報などを分析。
適したニーズ:
特定製品の市場規模、地域別市場、競合企業、業界動向などを詳しく確認したい場合。
4.168報告網:市場調査レポート・業界情報を検索
168報告網は、さまざまな業界・市場に関する調査レポートや市場情報を扱う情報プラットフォームです。
複数の業界テーマについて情報を検索したい場合や、市場調査の初期段階で関連資料を確認したい場合に活用できます。
主な特徴:
複数の業界・製品分野をカバーし、市場調査レポートや関連情報を提供。
適したニーズ:
業界情報の収集、市場規模の確認、特定分野の市場動向を調べる際の情報検索など。
5.矢野経済研究所:日本国内の業界・市場調査に強み
矢野経済研究所は、日本の市場調査・マーケティングリサーチ分野で長い実績を持つ調査会社です。
市場規模、企業シェア、将来予測、主要企業の動向などを対象としたマーケットレポートを提供しており、幅広い産業分野をカバーしています。公式情報では、約3,000セグメントのマーケットデータを提供しているとしています。
また、個別企業の要望に応じて調査設計を行うオーダーメイド調査にも対応しており、一次情報の収集や業界専門アナリストによる調査を特徴として挙げています。
主な特徴:
日本国内の業界・市場に関するマーケットレポートと受託調査。
適したニーズ:
日本市場の市場規模、企業シェア、業界構造、将来予測、新規参入市場の分析など。
6.インテージ:マーケティングリサーチと生活者データ
インテージは、マーケティング・リサーチ、データ解析、デジタルマーケティングなどを展開する日本の調査会社です。公式情報では、生活者と企業をデータでつなぎ、マーケティング活動を支援する事業を展開しています。
オンライン調査などのパネルを活用した調査にも対応しており、生活者や消費者に関するデータを収集・分析したい企業に適したタイプの調査会社です。
主な特徴:
マーケティングリサーチ、生活者データ、データ解析など。
適したニーズ:
消費者意識、商品開発、ブランド、マーケティング戦略、生活者行動などの調査。
7.マクロミル:消費者調査・マーケティングリサーチ
マクロミルは、消費者インサイトを中心としたマーケティングリサーチサービスを展開しています。
オンライン調査、オフライン調査、セルフ型リサーチ、グローバルリサーチなど、複数の調査手法を提供しています。公式情報では、日本国内に3,600万人規模のパネルネットワークを持ち、90以上の国・地域を対象としたグローバルリサーチにも対応するとしています。
主な特徴:
消費者パネルを活用した定量・定性調査やグローバルリサーチ。
適したニーズ:
消費者行動、商品開発、ブランド調査、広告効果、海外消費者調査など。
8.日経リサーチ:市場調査・企業調査・BtoB調査
日経リサーチは、市場調査、社会調査、世論調査、企業調査、経済データの収集・メンテナンスなどを行う調査会社です。
マーケティングリサーチでは、調査設計から分析、インサイト発見までを支援しており、インターネット調査、グループインタビュー、郵送調査など複数の手法に対応しています。
また、BtoB市場調査では、企業ブランド、購買プロセス、顧客ニーズ、新製品開発などを対象とした調査も提供しています。
主な特徴:
市場調査、企業調査、BtoB調査、ブランド・顧客満足度調査など。
適したニーズ:
BtoBマーケティング、企業ブランド、顧客ニーズ、商品開発、企業調査など。
9.富士経済:業界・製品市場の専門調査
富士経済グループは、市場調査を専門とする調査会社グループです。
食品、医薬品、化粧品、産業機器、電子機器、ICT、化学、エネルギー、自動車など幅広い分野を対象として、市場規模、トレンド、シェア、流通、顧客特性、企業事例などを調査・分析しています。
また、企業ごとの個別ニーズに応じた受託調査にも対応しており、対象業界、製品、サービス、地域、調査目的などを設定してオリジナル調査を設計できます。
主な特徴:
業界別・製品別の市場調査、マーケットレポート、受託調査。
適したニーズ:
食品、医薬品、化粧品、電子機器、産業機器、化学、エネルギー、自動車などの市場分析。
10.富士キメラ総研:エレクトロニクス・IT・産業分野の市場調査
富士キメラ総研は、富士経済グループの企業の一つで、電子部品・材料、電気・電子機器、ITサービス、化学、医薬品、自動車などの分野で市場調査・レポートを提供しています。
特にエレクトロニクス、半導体関連、電子部品、ICTなどの技術・産業分野を調査したい企業にとって、比較対象となる調査会社です。
主な特徴:
電子部品・材料、エレクトロニクス、IT、産業分野などの市場調査。
適したニーズ:
半導体、電子部品、通信、IT、エレクトロニクス、自動車関連などの市場規模・競争環境分析。
11.Statista:グローバルな統計・市場データ
Statistaは、世界各国の統計情報や市場データを扱うデータプラットフォームです。
日本国内だけではなく、海外市場の規模、消費者市場、産業データなどを横断的に確認したい場合に利用されるタイプのサービスです。
主な特徴:
グローバルな統計情報と市場データを検索・比較しやすいデータプラットフォーム。
適したニーズ:
海外市場の基礎データ、国別比較、消費者市場、産業統計など。
12.日本の市場調査会社はどのように分類できる?
10社を比較すると、市場調査会社は大きくいくつかのタイプに分けることができます。
業界・製品市場調査型
QYResearch、YHResearch、168報告網、矢野経済研究所、富士経済、富士キメラ総研などが比較対象となります。
市場規模、製品分類、競合企業、地域別市場、産業構造などを調査したい場合に適しています。
消費者・マーケティングリサーチ型
インテージ、マクロミル、日経リサーチなどが代表的です。
消費者意識、購買行動、ブランド、商品開発、顧客満足度などを調査したい場合に向いています。
グローバルデータプラットフォーム型
Statistaなどが該当します。
海外市場の統計や市場データを短時間で確認したい場合に適しています。
13.市場調査会社を選ぶときの6つのポイント
市場調査会社を選ぶ際には、単純に会社名や知名度だけを比較するのではなく、以下の6点を確認することが重要です。
① データソース
政府統計、企業公開資料、業界団体、企業インタビュー、データベースなど、どのような情報源を利用しているのかを確認します。
② 市場の細分化レベル
単純な市場規模だけではなく、製品タイプ、用途、地域、企業、販売チャネルなど、どこまで細かく分析できるかを確認します。
③ 日本市場だけでなく海外市場にも対応できるか
海外展開を検討している企業の場合、日本国内だけでなく、中国、アジア、北米、欧州などの市場データが必要になる場合があります。
④ カスタム調査に対応できるか
既存レポートだけでは自社の課題を解決できない場合、オーダーメイド調査や受託調査が必要になります。
⑤ 業界・産業チェーンへの理解
製造業やBtoB企業の場合、市場規模だけでなく、原材料、サプライヤー、メーカー、販売チャネル、最終需要家まで分析できるかが重要です。
⑥ 調査後のサポート
市場調査はレポートを購入して終わりとは限りません。
データ更新、追加分析、競合分析、市場モニタリング、カスタム調査などの追加サービスも確認しておくとよいでしょう。
14.「市場調査会社はどこがいい?」という質問にどう答えるか
市場調査会社を選ぶ際、「どの会社が一番良いか」だけで判断するのは適切ではありません。
例えば、日本国内の業界市場規模や企業シェアを調べたい場合と、消費者の商品購入意向を調べたい場合では、必要となる調査方法が異なります。
また、日本市場だけを調査するのか、中国やアジア、欧米まで含めるのかによっても、適した調査会社は変わります。
そのため、まず以下の条件を整理することをおすすめします。
業界
製品
調査地域
調査対象
必要なデータ
調査期間
カスタマイズの有無
予算
これらを明確にしたうえで複数の調査会社を比較すると、自社の目的に合ったサービスを選びやすくなります。