「導くよりも、子どものペースを尊重し、待つこと」が重要 通常学級&特別支援教室の現役公立教師が、 新刊『思春期の子どもに寄り添う40の問いかけ』を8/3に発売
公立校の教師として通常学級と特別支援教室の両方に携わり、今までに1,000人以上のコーチング実績を持つ中澤 幸彦さんが、2026年8月3日に、新刊『思春期の子どもに寄り添う40の問いかけ』をせせらぎ出版より発売いたします。

著者の中澤さんも2児の親であり、自身の子どもの特性に気づいたことをきっかけに、特別支援教育の道へ進みました。現場では多くの保護者と出会い、「こんなにも子育てに悩み、孤独を抱えている人がいるのか」と衝撃を受けたといいます。
また、学校は保護者に協力を依頼することがあるのに、保護者から学校に協力を依頼されたことがないという点にも気付き、「対等な関係になっていないのではないか」という課題意識を持ったということです。その経験から、「学校でも子育てを。」を軸に、学校の枠を超えて子育て支援を届けたいという思いが芽生え、それが本書を執筆するきっかけになりました。

この本で一貫して書かれているのは、「子どもを変えようとするのではなく、まず親が信じて待つために問いなおすこと」の重要性です。
「信じて待つ」とは、心配になるような子どもの言動・行動や、周りに比べて遅れているように見えることへの焦りを、子どもにぶつけずに引き受け、答えを急がないこと。そして、子どもが自分自身と向き合い、本人のタイミングで答えを見つけられるように、そっと寄り添いながら静かに待つことを指します。
そして、「問いなおすこと」とは、正しさや不安をもとに子どもを管理しようとしていなかったか、子どもの気持ちを本当に理解出来ているかを、自分の内面を見つめて考えることです。これこそが、子どもだけでなく親をも成長させます。
そのための具体的な「親としての自分への問いかけ」「子供と一緒に考えたい問い」や、それをもとにして生まれる「子どもへの問いかけ」の言葉が、各項目に多数掲載されています。
イラストは、SNSフォロワー10万人以上の人気イラストレーターの愛田あいさんが担当。読みやすく、親しみやすい一冊です。
思春期の子どもに寄り添う40の問いかけ
内容一部抜粋・要約
「01 スマホばかり触る姿に、ついイライラしてしまう」より

「またスマホ……」ついそんな言葉が心の中に浮かんでしまうときがあります。「勉強は?」「目が悪くなるよ」「ゲームのしすぎじゃない?」と心配が頭の中で何度も往復します。
でも、子どもたちと関わっていると見えてくることがあります。いまの子どもたちにとってスマホは、“ひとりになるための道具”ではなく“つながりを確かめるための場所”なのです。友だちの既読、LINEの雰囲気、クラスのグループの空気、SNSでのほんの小さな言葉のやりとり―。それらの一つひとつが「自分は仲間の中にちゃんといるだろうか」という感覚につながっている。思春期の子どもにとって、その確認は“安心を手に入れる行為”に近いのです。そんな視点から見ると、スマホに向かう時間は子どもが「大丈夫」と息をつくための小さな“ひと安心の時間”でもあるのです。
スマホを見つめている姿を見ると、心配にも、イライラにもなるかもしれません。でも、今日その子が画面に向かっている理由は、もしかしたらこうかもしれません。つながりたい気持ち、安心を探している気持ち、わたし(ぼく)はここにいていいんだよね?という小さな願い。その繊細な心に気づけたとき、あなたの言葉は自然とやわらぎます。そして、スマホはただの“奪うべきもの”ではなく、“親子の対話を始める入り口”に変わります。
今日、わが子がスマホを見つめていたら―叱る前に、そっと声をかけてあげてください。
「ねぇ、今日どんな一日だった?」そのひとことが、スマホよりずっと大きな安心を、静かに子どもの心に灯すはずです。
「35『休めば元気になる』と思っていたけれど、違うかもしれない」より

「休んで、元気になったらまたおいで。待ってるから」不登校の子、休みがちな子に向けて、善意からかけられる言葉。学校現場で、本当によく聞く言葉です。でも、正直に言うと、この言葉が“励み”や“勇気”や“エネルギー”としてプラスに働いた場面を、私はほとんど見たことがありません。学校から足が離れた子どもたちと、何人も何十人も面談してきたなかで、この言葉で前を向けた子は体感として限りなくゼロに近い。
なぜか。それは、休むことと、元気になることが、同じではないからです。
休んでいる間、体は確かに休まります。でも、心はどうでしょう。
「授業の遅れ」「友だちとの距離」「また行けなくなったらどうしよう」「自分だけ違うんじゃないか」…課題が解決されていないまま時間だけが過ぎると、不安や心配は、むしろ増えていきます。私たち大人だって、そうです。インフルエンザで長く休んだ後。夏休み明け。“久しぶりの場所”に戻るとき。少なからず不安を感じたこと、ありませんか。
だからこそ、体を休めることと心を満たしてエネルギーを充足させることは、別物として考える必要があります。これは、不登校や休みがちな子だけの話ではありません。普段から、子どもにも大人にも必要な視点です。
多くの人は「寝れば回復する」「休めば元気になる」と思いがちです。でも実際には、疲れの原因によって“満たし方”はいろいろあります。
書籍概要
書籍名 : 思春期の子どもに寄り添う40の問いかけ
著者 : 中澤 幸彦
発売日 : 2026年8月3日
出版社 : せせらぎ出版
体裁 : 274ページ
価格 : 1,760円(税込)
URL : https://www.amazon.co.jp/dp/488416329X
著者 中澤 幸彦(なかざわ ゆきひこ)経歴
1985年、高知県生まれ。公立中学校教諭として、通常学級と特別支援教室の双方に携わる。子ども主体の学びを重視し、自由進度学習や探究的な実践を通して、「自分らしく学び、自分らしく育つ」ための教育を追究。学校現場では、子どもたちの自己決定や対話を大切にした学級・授業づくりに取り組んでいる。
一方、保護者向け講演会や子育てイベントの講師としても活動し、思春期の子どもへの関わり方や言葉がけについて、全国の保護者や教育関係者に向けて発信。1,000人以上へのコーチング実績を持つ。2児の父。
2014年『月刊生徒指導』コラム執筆。2019年『すぐに使える性教育指導実践集』(小学館)監修。2025年『AERA with Kids』連載。著書に『AI問答はじめてみれば文明開化の音がする』(ホリエモン出版,2023)がある。
公式サイト: https://yukki-t-bunmeikaika2.my.canva.site/hp