建坪7坪から叶える狭小住宅。東京・江戸川区の工務店アースが提案する「コンパクトで豊かな暮らし」とは
いい家見つかる「いい家ネット」掲載記事。LIXILメンバーズコンテスト大賞受賞、HEAT20 G3水準の断熱性能と広く見せる7つの設計手法で理想の住まいを叶える

あの工務店を“7つの質問”で徹底解剖!
本記事は、納得の住まい探しをサポートするポータルサイト、いい家見つかる「いい家ネット」に掲載された、株式会社アースの紹介記事です。
東京都江戸川区を拠点に、注文住宅とリノベーションを手がける株式会社アース。東京23区を中心に、千葉県市川市・浦安市エリアまで対応しています。
15坪以下の狭小地や変形地を活かし、建坪7坪(約23m²)でも成立する家づくりが強みで、2018年のLIXILメンバーズコンテストでは「7坪のZEH」が大賞を受賞しました。
HEAT20 G3水準の断熱性能と視線の抜けを活かした設計で、「コンパクトで豊かな暮らし」を実現しています。内装職人の経験を持つ代表取締役・橋本 雅志さんに、その背景をうかがいました。


今回お話を伺った方
株式会社アース
代表取締役 橋本 雅志氏
この記事でわかること
東京・江戸川区の工務店「アース」が考える、建坪7坪から実現する「コンパクトで豊かな暮らし」という発想
LIXILメンバーズコンテスト https://www.ii-ie2.net/members_contest_detail?th_member=910969&receipt_number=44611&award_cd=gra0002&award_year=2018 に見る、狭小地と高性能住宅の両立
家づくりで大事にする3つの価値「性能」「機能」「情緒」の中身
HEAT20 G3水準・UA値0.26~0.31・耐震等級3・ダブル断熱で支える住宅性能の考え方
視線の抜け/床から15~20cm浮かせた造作家具/ストリップ階段/スキップフロアなど、狭小住宅を広く見せる7つの設計手法
内装職人から独学で新築事業を興した、代表取締役 橋本 雅志さんの家づくりの原点
千葉の老舗工務店で腕を磨いた大工が支える施工力と、500~600組のお施主さまとの関係づくり
Q1. 狭小住宅を得意とするわけ
地価の高い東京での「コンパクトで豊かな暮らし」の提案を得意とされていますが、狭小地で建てる注文住宅へのこだわりについて教えてください。
A. 狭小住宅とは——建坪7坪から叶える「コンパクトで豊かな暮らし」という発想

LIXILメンバーズコンテスト2018で大賞を受賞した「7坪のZEH」
狭小住宅とは、一般に15坪(約50m²)以下の敷地に建てる住宅を指します。アースでは、建坪が7坪あれば住み心地のいい豊かな家づくりが実現できると考えています。2018年のLIXILメンバーズコンテストでは、「7坪のZEH」が大賞を受賞。都市部の隣地が迫る狭小地で太陽光パネルを設置し、年間のエネルギー収支を実質ゼロにすることを目指すZEHにチャレンジした家づくりが高く評価されました。
東京では、敷地が15坪以下、建坪は10坪に満たないといった条件もめずらしくありません。でも、土地が小さいからといって快適な家づくりをあきらめてほしくない。アースはこれまで、狭小地や変形地など、建築条件が厳しい大都市圏の家づくりにさまざまなアイデアや工夫をこらし、魅力的な暮らしを叶えるお手伝いをしてきました。
私たちは、ただ小さな土地に収まる狭小住宅をつくりたいのではなく、コンパクトな中にも豊かな暮らしをつくることを目指しています。
Q2. 「豊かな暮らし」に必要なもの
「豊かな暮らし」は、どのように実現すると考えていますか?
A. 豊かな暮らしをつくる3つの価値——「性能」「機能」「情緒」がそろう家づくり

築39年のマンションに緑あふれるインナーバルコニーを設け、まるで中庭のように光をとり込み、LDKに奥行きをもたらしたリノベーション実例
暮らしの豊かさを叶えるものとして、アースの家づくりは3つの価値を大事にしています。ひとつは性能的な価値、そして機能的な価値、さらに情緒的な価値も欠かせません。
まず、住宅の「性能」としては、高い断熱性や耐震性を備え、年間を通して快適に暮らせる住環境を整えます。「機能」としては、コンパクトな中にも収納や家事動線に工夫をこらし、お施主さまだけでは解決しにくい部分にプロの視点を加えながら、暮らしやすさにつなげていきます。
そして、数値化しにくい心地よさや空間の広がりを生み出すのが「情緒」の部分です。視線の抜け、使う素材や造作家具の計画、光の陰影、植栽や観葉植物の取り入れ方なども含めて、「なんか気持ちいい」と感じられるような五感に響く家づくりを目指しています。
植物だって、室温などが安定しやすい高性能な住宅のほうがよく育つんですよね。人にとって快適な、人の体にやさしい家は、植物にとってもいい環境ですから。私たちの家づくりでは、毎回グリーンの提案も取り入れています。
Q3. 快適な暮らしを実現する住宅性能とは
性能は豊かな暮らしのベースになるということですが、もう少し詳しく教えてください。
A. HEAT20 G3水準・耐震等級3——家族の健康に直結する住宅性能

躯体の内側にも外側にも断熱材を施工し、断熱性を高めるアースのダブル断熱工法
家を建てようというとき、みなさん何を気にされるかというと、まずは間取りやデザイン、あとはコストですよね。住宅の性能というのは、だいたい6~7番目なんです。でも、これまでの家には「暑い」とか「寒い」とか、「窓に結露が」とか、何かしら不満があるんですよね。新しく家を建てたら、その問題はすべて解決されると思いますか?
そうした不満は、家に性能がないと解決されないんです。そしてそれは、ご家族の健康にも直結しています。私たちは、ただ家という箱をつくるのではなく、お施主さまの健康や豊かな未来をつくっていくことこそが使命だと考えています。
具体的な断熱性能の数値で言うと、アースでは、国内最高レベルにあたるHEAT20のG3水準を目標のひとつに掲げています。実際の家の外皮平均熱貫流率を示すUA値は、おおむね0.26~0.31(数値が低いほど断熱性能が高い)。国が定める省エネ基準やG2水準(同0.46)を大きく上回る性能です。また、内側にも外側にも断熱施工をするダブル断熱を採用したり、日射や風などの自然の力を設計に取り入れるパッシブデザインを組み込んだりすることで、夏は涼しく、冬は暖かい快適な家を実現しています。
耐震性も、最高等級である耐震等級3をクリア。地震への備えも含めて、安心して暮らしていただける家づくりを行っています。
Q4. コンパクトな中にも広がりを生む設計とは
広がりを感じさせる空間というのは、具体的にどのようにして実現しているのでしょうか?
A. 狭小住宅を広く見せる設計手法——視線の抜け・浮かせた造作・ストリップ階段

半地下から屋上までを最大限に活かした8坪(約26m²)の二世帯住宅も実現。共有玄関には広々とした土間と、足元を浮かせた造作のシューズボックス、その先には抜け感が心地よい階段が。リビングの上にご夫婦の寝室となるロフトを設けるなど、随所に工夫がこらされています。
たとえば、部屋の中で上部が開いていたり、下部が開いていたりする「抜け」があることで、目線の奥行きが生まれて空間の広がりを感じることができます。
また、ほとんどすべての造作家具を床から15~20cm浮かせて設置します。家具の下に空間ができることで、奥行きが出て視覚的な広がりが生まれるからです。

吹き抜けからたっぷり自然光をとり込むのも、空間に広がりをもたらすテクニックのひとつ。2階へ続くストリップ階段やグレーのアクセントクロスで、さらに奥行きを感じさせるしかけとなっています。
階段は壁で囲わないで、視線が抜けるストリップ階段を採用しています。これによって階段そのものが視覚的な障害物にならずに、空間の奥まで見渡せるようになります。
また、壁の代わりに格子を使って空間を間仕切ることで、プライバシーを保ちながら抜け感をつくることができます。
限られた床面積を立体的に活用したり、ひとつの場所で複数の過ごし方ができるように設計しているのも特徴的です。アースでは日本の「布団を敷く」文化も大事にしていますが、昼間はリビングとして使い、夜は寝室にすることができれば、住空間の可能性はより広がります。
また、スキップフロアを採用すれば、空間を緩やかに区切りながら、段差の下を収納として活用することも可能です。部屋の上部や下部を開けると視線が抜け、外や隣の空間へと誘導されるので、それが開放感につながります。
そのほか、テレワークができる籠れる場所や、家の中の一角にちょっとした居場所をつくるヌックなど、ご家族が一か所にとどまらずにいろいろな場所で落ち着くことができる設計も大切にしています。
■コンパクトな空間に広がりを生む、7つの設計手法
- 視線の抜けをつくる/部屋の上部・下部を開けて目線の奥行きを生む
- 造作家具を浮かせる/ほぼすべての造作家具を床から15~20cm浮かせ、視覚的な広がりを出す
- ストリップ階段/壁で囲わず、階段を視覚的な障害物にしない
- 格子で間仕切る/壁の代わりに格子を使い、プライバシーと抜け感を両立
- 吹き抜け/自然光をたっぷり取り込み、空間に広がりをもたらす
- スキップフロア/空間を緩やかに区切りつつ、段差の下を収納に活用
- 一室多用途・ヌック/昼はリビング、夜は寝室。家の一角に籠れる居場所をつくる
ここでお話したのはごく一部ですが、これまで一軒一軒に向き合ってそれぞれに難しい条件の中で工夫してきた経験の蓄積が、今のアースの引き出しとなり、強みになっているのではないかと思います。
Q5. アースのルーツとは
アースが手がける家づくりのオリジナリティは、会社の成り立ちにも関係しているのでしょうか?
A. 内装職人から新築事業へ——独学だからこそ生まれた家づくりの引き出し
私はもともと、父が営んでいた内装業の会社に入ったのが、家づくりに関わった最初の仕事でした。ただ、そのまま家業を継ぐ気もなかったので、20代にはもう10種類くらい、いろいろな仕事をしてみたんです。
最後に寿司屋を始めようかと思っていたところで、また内装業に縁があり、あるリフォーム会社の東京支店立ち上げのメンバーになりました。そこでの家づくりが、すごく面白くて。結婚して父の会社へ戻ることにしたのも、それが大きな転換点だったと思います。
ただ、父の会社には負債も多く、内装業だけではとても経営が成り立たなかったので、やりがいを感じていたリフォーム業、そして新築事業にも挑戦することを決めたんです。最初は本当に「基礎って何?」というところから、一つひとつ学んでいきました。
そんなわけで、建築に関してはすべて独学です。でもそれが、結果的にアースの家づくりの特長にもなっていると感じます。一般的な建築の型にはまっていなかったからこそ、「普通はこうするもの」という発想がない。一組一組のお施主さまの思いをどうやって形にしていこうか、その一心でした。私にとっては、これまでのお施主さま全員が先生です。
Q6. アースの家づくりを支える大工について
アースの家づくりはどんな大工さん、職人さんが手がけているのでしょうか?
A. 狭小住宅の施工を支える大工——千葉の老舗工務店で腕を磨いた職人が中心
私自身がもともと内装の職人として、クロス張りから床まで、現場でひと通りのことをやっていた経験があるので、いろいろと感じるところもあります。たとえば、大工はどういうところにやりがいを感じるのか。
最近の家は、大工の技術が見える部分がボードで隠されちゃうことが多いんですよね。でも、やっぱり造作などをすると大工の技術はよくわかります。アースの家づくりでは敷地条件などの難しさから特殊な設計が多く、大工の高度な技術が不可欠です。造作も多いので、みんな自分の技術力が生かせて楽しいのではないでしょうか。
実はアースの家づくりに関わっているのは、業界では昔から大工育成への取り組みでも知られる千葉県の老舗工務店で経験を積んだ職人が中心なんです。私から見ても、技術力はまさにトップクラスの大工。そうした自分の技量が生かせる仕事をしたいと思っている大工が、うちで腕をふるってくれているのはありがたいことです。
今、大工の人材不足は業界全体の問題でもあるので、優秀な大工が独立し、工務店を経営しながら次世代の大工も育てていけるよう、支援できればという思いもあります。また、アースではこの大工たちと一緒に、国内でのインバウンド向け事業や海外展開も視野に入れて準備をしているところです。「コンパクトで豊かな暮らし」は香港の都市部などでも応用できると思うので、彼らの可能性も広げる挑戦をしていきたいですね。
Q7. アースの家づくりをおすすめしたい方
どのような方に、アースの家づくりを知ってほしいですか?
A. 15坪未満でも理想をあきらめない方へ——アースの家づくりが向いている人
たとえば狭小地、15坪未満の土地でも、理想の家づくりをあきらめない方に来てほしいですね。それから、ミニマムでコンパクトなちょうどいい暮らし、シンプルな暮らしが好きな方にも。うちには「狭小住宅でコストを安く抑える」という考え方のお施主さまは、あまりいらっしゃいません。コンパクトでも豊かに、暮らしにこだわる方にこそ、アースを選択肢に入れていただきたいと思っています。
家って、ただの建物ではなく、最終的にはそこでの「暮らし」なんですよね。そこでどんな人生の時間を過ごすのかということになるので、そうした時間への意識がある方と一緒に家づくりを考えられたら、うちのコーディネーターも最高に楽しいんじゃないでしょうか。
アースのお施主さまは、これまでに500~600組ほどいらっしゃいます。定期点検のほか、年に3冊ほどオリジナルの情報冊子をお届けしていますが、今後はプレミアム会員制度を設け、保証期間の延長やおうちの見学会を開いていただけるアンバサダー制度なども計画しています。どうぞご期待ください。
アースはLIXILメンバーズコンテストにおいて、2015年以降ほぼ毎年入賞を重ねています(2018年 新築部門 大賞/2017年 準大賞/2021年・2022年 地域最優秀賞 ほか)。