「第2回中国における日系化学工業の市場動向」を発表
~親会社別の現地法人数、1位は日本ペイントホールディングス株式会社~
法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一)の連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢有限公司(以下「リスクモンスターチャイナ」)は、利墨リスモン調べ「第2回中国における日系化学工業の市場動向」を発表いたしました。

「利墨リスモン調べ」は、リスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポートです。今回は、2025年4月時点で開示されていた法人登記情報において日本企業が出資する中国企業およびグループ企業27,148社のうち、化学工業に分類される984社を対象に調査しました。
2024年11月に発表した前回調査(2023年3月時点の法人登記情報)から約2年が経過し、この間、中国国内の化学工業では、製品価格の下落、利益率の低下、環境規制の強化、さらには米中摩擦を背景としたサプライチェーン再編などの複合的な構造変化が進行しており、日系企業を取り巻く事業環境も大きく変化しています。
こうした状況を踏まえ、高付加価値素材を生み出し、資本集約型かつ技術集約型の産業である化学工業に着目し、中国に進出する日系化学工業企業の実態把握を目的として再調査を実施しました。
調査の結果、中国日系企業全体の3.6%にあたる984社が化学工業を占めており、前回の1,036社(3.7%、※1)からやや減少する結果となりました。
■細分類業種動向:「プラスチック製品業」「ゴム製品業」が全体の約半数を占める構成を維持
化学工業に属する企業を細分類業種別に集計したところ、「プラスチック製品業」(企業数327社、33.2%)、「ゴム製品業」(133社、13.5%)の2業種が全体の約半数を占める結果となり、前回調査と同様に日系化学工業の基盤業種分野である状況に変化はありませんでした。(図1)
一方で、「塗料、インク、顔料及び類似製品製造」が前回調査の5位から4位へと上昇し、構成比も8.6%から10.2%へ1.6ポイント上昇しました。この業種は都市化の進展、環境規制強化、機能性塗料需要の増加を背景に、日系企業の技術優位性が発揮されやすい分野といえます。

■親会社別動向:日本ペイントホールディングスが首位
親会社別に中国日系化学工業を集計した結果、首位は「日本ペイントホールディングス株式会社」(企業数29社、前回調査比+13社)となり、トップを維持しています。(表1)
一方、企業数の減少が目立つのが、「株式会社カネカ」、「住友化学株式会社」の2社です。「株式会社カネカ」(7社、▲3社)は傘下にある発泡樹脂製品メーカー「株式会社イーピーイー」の拠点解散が影響しており、「住友化学株式会社」(6社、▲4社)は偏光板や合成樹脂事業の売却など、事業再構築を進めていることがうかがえます。

■地域別動向:基礎原料の産地に近接したエリアに集中するものの、企業数自体は減少傾向に
中国日系化学工業の地域分布を調査したところ、江蘇省、上海市を中心とする東部沿岸地域に加えて、広東省、遼寧省などに拠点が集中する結果となりました。(図2)これらの地域は、化学工業の基礎原料となる石油・天然ガス・塩などの産地に近接しているほか、沿岸地域により、輸入原料の調達にも優れているなど、地理的・物流的な観点から優位性があることを示しています。
上位10エリアの構成は、前回調査に比べ、大きな順位変動は見られないものの、江蘇省(前回調査比▲18社、▲0.7%)、上海市(▲21社、▲1.2%)と、上位地域においては企業数・構成比ともに減少傾向となりました。(表2)これらは、中国市場全体の成熟化を背景に、拠点数拡大から効率性重視の事業戦略へ変わり、地域分散と再配置が進められた結果といえます。


■新設企業動向:過去10年で最低水準まで落ち込む結果に
直近10年間の新設企業数の推移は、2015年をピークに減少を続けており、2023年にはわずか3社と、過去10年で最低水準まで落ち込みました。(図3)日系企業が中国での化学工業分野への新規投資に対し、慎重になっている様子がうかがえます。

総評
中国における日系化学工業は、中国市場の成長鈍化や競争環境激化に伴い、「拡大フェーズ」から「選択と集中を行うフェーズ」へと移行し、高付加価値分野への集中、技術優位性の維持、拠点機能の再定義など「量から質」を重視するようになりました。
競争が激化する中国市場で日系化学工業が持続的に事業展開するためには、「どこで何をどの規模で行うのか」を見極める戦略的判断がこれまで以上に重要となるでしょう。
本調査結果の全文
中国日系化学の親会社別企業数ランキング17~38位までの企業は、リスクモンスターチャイナの掲載サイトでご覧いただけます。
https://www2.rismon.com.cn/report2602_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=260212_j/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=260212
※1 一部データ欠損を補い、再集計を実施。
[実施概要]
・調査名称:第2回中国における日系化学工業の市場動向
・調査方法:中国における日系企業の法人登記情報に基づく調査
・調査対象時期:2025年4月時点で開示されていた法人登記情報
・調査対象企業:中国全土で登記されている日本企業出資の中国企業及びそのグループ企業(株式保有率50%以上の会社及びその会社が支配している会社(保有率50%以上)をグループ会社とする)の内、化学工業に分類される企業
・調査対象企業数:984社
[リスクモンスターチャイナについて]
2012年9月、上海にリスモングループ初の海外拠点として設立。中国に進出する日系企業を対象に与信管理サービスを中心とした経営支援サービスを提供。また、日中両言語対応のクラウド型グループウェアや社員教育に役立つeラーニングを展開し、日系企業の経営・リスクマネジメントを管理面からサポート。2025年9月末時点で525会員の利用実績。
[リスクモンスターの概要] (東京証券取引所スタンダード市場上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPクラウドサービス事業を開始しました。以来、法人会員向けビジネスを要として、教育関連事業(定額制の社員研修サービス「サイバックスUniv.」)やビジネスポータルサイト事業(グループウェアサービス等)、BPOサービス事業、海外事業(利墨(上海)商務信息咨詢有限公司)にサービス分野を拡大し、包括的な戦略で事業を展開しています。
リスモングループ会員数は、2025年9月末時点で14,710(内、与信管理サービス等8,072、ビジネスポータルサイト等3,034、教育事業等3,079、その他525)となっております。
会社概要
会社名 : リスクモンスター株式会社(英名:Riskmonster.com)
本社所在地 : 東京都中央区日本橋2丁目16番5号 RMGビル
代表取締役社長: 藤本 太一
設立 : 2000年9月
資本金 : 1,188,168,391円(2025年9月末現在)
HP : https://www.riskmonster.co.jp/?utm_source=rm&utm_medium=press&utm_campaign=260212