身体の軸は「歯」から整える?
歯科医師が解説する「下顎位と身体バランス」の最前線
WBC選手も実践するマウスピース活用と、片側咀嚼が体軸に与える意外な影響
WBCトップ選手が体軸の安定に注目する理由
WBCをはじめとするトップレベルの野球では、投球・打撃において「身体の軸の安定」が競技力を左右する重要な要素とされています。野球は下半身から体幹を経て腕へと力を伝える回転運動のスポーツ。体軸が安定しているほど、効率よく力が連鎖します。
ピッチングにおける「運動連鎖」:
脚 → 骨盤 → 体幹 → 肩 → 腕
この連鎖の起点となる骨盤・体幹の安定は、ボールのスピードやコントロール精度に直結するとされています。
アスリートと噛みしめ・マウスピースの関係
強い力を発揮する瞬間、人は無意識に歯を噛みしめます。そのためトップアスリートの中には、体軸の安定を意識すると同時に、噛みしめによる歯・顎への負担を軽減する、もしくは顎を高いパフォーマンスが出る位置へ誘導する目的でマウスピース(マウスガード)を使用するケースが増えています。
歯科の観点では、本来、食事以外で上下の歯が強く接触しない状態が望ましいとされます。スポーツや集中状態での無意識の噛みしめは、歯・顎に過度な負担をかける場合があり、これを緩和する手段としてもマウスピースが活用されています。
スポーツ歯学が示す「下顎位と身体バランス」の関係
スポーツ歯学の研究分野では、下顎の位置(下顎位)が頭の位置に影響し、結果として全身の姿勢・バランスと関係する可能性が報告されています。顎の筋肉は首周囲の筋肉とも連動しているため、噛み合わせの状態が身体の軸・姿勢に関連すると考えられています。

日常に潜む「片側咀嚼」が体軸を乱すリスク
歯科臨床では、片側ばかりで噛む「片側咀嚼」の習慣を持つ方が少なくありません。この習慣は顎の筋肉の使い方に左右差を生み出し、姿勢や体軸のバランスにも影響する可能性があります。
主な原因として考えられる要因:
・噛み合わせのわずかなズレ(無意識に噛みやすい側が生まれる)
・詰め物・被せ物の形態(治療歴による咀嚼側の偏り)
・舌の動きの癖(食べ物を片側に寄せる習慣)
・頬杖・姿勢など日常の生活習慣
実例:噛み合わせ調整でゴルフスイングが変わった
神谷町デンタルクリニックでは、大人になってからプロゴルファーを目指されている患者様の噛み合わせバランスの調整を行いました。施術後、スイングのブレが明らかに減り、スコアが大幅に改善したとご本人から報告をいただいています。
「体が以前より楽に回転するようになった」「スイングに迷いがなくなった」というお声も。噛み合わせの改善が、全身の動作に連鎖した一例です。
※ スポーツパフォーマンスへの影響には個人差があります。
セルフチェック:片側咀嚼のサイン
以下に当てはまる方は、噛み方の偏りがある可能性があります。
□ 片側ばかりで噛んでいる気がする
□ 前歯で噛みにくくなった
□前歯が先にあたり、奥歯が噛みにくくなった
□ 詰め物が片側ばかり外れる
□ 朝起きると顎が疲れている
□ 首の後ろが張る
□片方の肩コリがひどい
噛み方の偏りは、多くの場合、ご本人が無意識のうちに続けている習慣です。まず「自分の噛み方の癖」に気づくことが、身体全体の使い方を見直す第一歩となります。
神谷町デンタルクリニックの取り組み
神谷町デンタルクリニックでは、虫歯・歯周病などの感染症対策はもちろんのこと、噛み合わせ・下顎位・咀嚼機能といった「口腔の機能面」にも注力した診療を行っています。
「歯を治す」だけでなく、「身体全体の機能と調和する口腔環境をつくる」という視点のもと、スポーツをされている方や、姿勢・体軸の改善を意識されている方の診療にも積極的に対応しています。
当院が重視する診療の柱:
虫歯・歯周病などの感染症の予防・治療
噛み合わせ(咬合)・下顎位の評価と調整
スポーツ用マウスピースの作製・フィッティング
片側咀嚼・顎関節症などの機能的問題への対応
歯科臨床では、噛み方の偏りを自覚していない方が非常に多くいらっしゃいます。噛み合わせは、感染症(虫歯・歯周病)と同様に、定期的なチェックと調整が重要です。「歯のバランス」を整えることが、日常の身体の使い方や、スポーツパフォーマンスの土台づくりにつながる場合があります。神谷町デンタルクリニックでは、虫歯や歯周病だけでなく、かみ合わせのバランスを通してスポーツパフォーマンスを上げたい方の予約も受け付けております。ぜひご相談ください。