【こども家庭庁 保育ICTラボ事業】茨城県つくば市で保育ICT情報交換会を開催~導入効果と活用推進の重要ポイントを共有~

2026-03-02 10:03
株式会社コドモン

保育・教育施設向けICTサービスを提供する株式会社コドモン(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:小池義則、以下 コドモン)は、2026年2月12日、茨城県つくば市のつくば市役所において「保育ICT情報交換会」を開催しました。本取り組みは、コドモンがつくば市と連携して実施している「保育ICTラボ事業」の一環として実施したものです。

当日は、つくば市内の教育保育施設など51施設から職員が参加。一般社団法人保育ICT推進協会 代表理事の三好冬馬氏による、保育業界において近年ICT活用が注目されている背景や、導入・活用を進める上での重要なポイントについての講演のほか、市内でICTを導入している2園による事例報告が行われました。

こども家庭庁が推進する「保育ICTラボ事業」とは

保育ICTラボ事業とは、こども家庭庁の助成のもと、保育ICTの導入・利活用における効果的
なロールモデルを創出し、全国への魅力発信を図る事業です。コドモンでは、茨城県つくば市と大阪府豊中市と連携しています。
詳細:https://www.codmon.com/column/hoiku-ictlab_1/

保育ICT情報交換会について

今回の保育ICT情報交換会は、市内の教育保育施設などの職員を対象に、

1.保育ICTの基礎的な理解を深めること
2.活用事例を通じて保育ICTを導入・活用する価値を考えること
3.他園の職員と保育ICTに関する課題や現状、目標を共有すること

の3点を目的として開催しました。

(1)保育ICT推進協会 講演会

前半の講演では、保育ICT推進協会 代表理事の三好冬馬氏が登壇しました。

講演では、近年、保育ICTが注目されている背景として、令和7年を境に保育需要の変化に伴って国の施策が待機児童対策中心から保育の質の向上へと軸足を移しつつあること、さらに、こども家庭庁が保育施設におけるICT導入率100%を目指す方針を掲げていることなどが説明されました。

また、保育ICTの導入は、国が進める「保育業務のワンスオンリー」という制度を支える基盤となり得るとの説明がありました。ワンスオンリーとは、情報を一度入力・提供すれば、同じ情報を複数回提出・再入力する手間を省くことができる仕組みを指します。今後、制度全体としてこうした仕組みが進んでいく中で、ICTはその前提条件となるインフラとして重要であることが示されました。

◆失敗リスクを抑える5つの視点とワーキンググループ設置の提案

三好氏は、ICT化や業務改善を進める際、急激な変化を求めると現場に混乱が生じ、かえって負担が増す場合があると指摘。そのうえで、「最初の一歩は“小さく始める”ことが重要である」と強調しました。

具体的には、次の5つのポイントを挙げました。

1.お金がかからないもの(まずは無料または低コストで始められる取り組みから着手する)
2.影響する人が少ないもの(全職員ではなく、一部のクラスや担当者から開始する)
3.失敗しても大きなリスクがないもの(うまくいかなくても元に戻せる取り組みを選ぶ)
4.短期間で成果が見えやすいもの(成果の実感が、次の取り組みへの意欲につながる)
5.既存の方法を大きく崩さないもの(現行の業務に小さく付加する形で導入する)

三好氏は、「小さく始めることで失敗のリスクを抑えながら現場の理解と納得を得ることができ、継続的な改善につながる」と述べ、段階的な推進の重要性を示しました。

また、保育DXを継続的に推進するためには、現場の声を適切に反映できる体制づくりが不可欠であると説明。その具体策として、少人数で機動的に運営する「ワーキンググループ」の設置を提案しました。ワーキンググループは、業務改善やICT活用に関するルールや方針を検討する実務チームで、法人単位での設置を想定しています。

主な役割は、試行・フィードバック・改善のサイクルを継続的に回すことです。保育施設内のさまざまな役職からメンバーを構成することで、多様な立場の意見を集約・整理し、具体的な提案につなげることが可能になります。

三好氏は、トップダウンでも現場任せでもない「中間的な推進体制」を構築することで、検討を継続できる仕組みが生まれ、取り組みの形骸化を防ぐことにつながると述べました。

(2)市内ICT導入園による事例紹介

後半の事例紹介では、つくば市の「保育ICTラボ事業」に協力した、市内のさくら学園保育園および東岡保育園の2園の園長や先生が、実証実験の取り組みとその結果を報告しました。具体的には、さくら学園保育園では「ICTを導入した場合にどのような効果が得られるのか」を検証し、東岡保育園では「ICTをさらに活用するためにどのような取り組みが有効か」について実証を行いました。

◆ICT未導入園が一歩踏み出す 主体的な取り組みで定着へ(さくら学園保育園)

さくら学園保育園は、10年前にICTを導入して断念した経緯がありましたが、「保育ICTラボ事業」への参加を契機に、再度ICT導入に取り組みました。本事業では、導入準備から活用状況、効果検証までを一貫して実施しています。

ICT活用が定着した背景には、職員一人ひとりの主体的な関与があります。ITが苦手な主任保育士が率先して必要性を呼びかけ導入を主導し、看護師がITスキルを活かして初期設定や環境整備を担うなど、職種を超えた協力体制が構築されました。加えて、機材や通信環境を整備し、日常的にICTに触れられる環境を整えたことも円滑な導入につながりました。

一方で、最大の課題はICTに不安を持つ職員への指導時間の確保でした。多忙な中でまとまった時間の確保は困難でしたが、不安のある職員を対象に午睡時間中に少人数でレクチャーを実施。さらに各学年の代表が操作を習得し共有する体制を整え、段階的に活用を広げました。

その結果、業務改善効果が現れました。登降園管理の導入により園児の引受時間は約半分に短縮され、出席簿への転記も不要に。出欠席連絡機能により電話対応が大幅に減少し、電話番の負担も軽減されました。日誌作成も1クラス約15分から約6分へ短縮されています。

また、登降園時間の記録により延長利用の適正化が進み、遅番職員の配置見直しも可能となりました。職員が余裕をもって保育に向き合える環境が整い、行事準備にもより注力できるようになっています。

導入後のアンケートでは、93.6%が「導入して良かった」、95.7%が「今後も使い続けたい」と回答。ICTは業務効率化にとどまらず、保育の質向上と働きやすさの両立に寄与する取り組みとして定着しつつあります。

◆ICT活用を拡大、午睡・連絡・写真をデジタル化(東岡保育園)

東岡保育園では、ICTの活用の幅を広げる取り組みに挑戦しました。具体的には、午睡センサーの活用、職員間連絡のデジタル化、写真分類のデジタル化の3つを推進しました。

午睡センサーの導入により、午睡時の保育者による見守りが補完され、園児の状態把握の支援につながっています。センサーによって子どもの状態を適切に把握できる環境が整い、保育者の心理的負担の軽減にもつながっています。

また、職員間連絡のデジタル化により、業務とプライベートを明確に分けたコミュニケーションが可能となりました。これまで課題となっていた個人アカウント共有への心理的負担が解消され、公私を切り分けた上で、ストレスの少ない情報共有体制を構築しています。

さらに、アプリ内で研修動画を視聴できる機能を活用することで、共有したい内容を即時に施設全体へ展開できるようになりました。これにより、学びを園内に素早く広げることが可能となり、施設全体で学ぶハードルも低減しています。

写真分類のデジタル化では、AIを活用して写真選定を自動化することで、従来手作業で行っていた選別作業の工数を削減し、業務の省力化を実現しました。

これらの取り組みにおいて東岡保育園が大切にしてきたのは、「まずは挑戦してみる」という姿勢です。取り組みの結果が良かった場合も、想定どおりでなかった場合も、挑戦から得られる学びは必ずあると捉え、その積み重ねが職員の成長、ひいては保育の質の向上につながると考えています。

また、ICT導入を円滑に進めるためには、職員間の対話が不可欠であるとの認識のもと、意識的に話し合いの機会を設けながら取り組みを推進しました。今回の実践では、職員同士が積極的にコミュニケーションを図りながら進めたことが、成果を生み出す重要な要素となりました。

事例紹介後、グループごとに自園のICT化に関する悩みや相談を話し合った

事例紹介後、グループごとに自園のICT化に関する悩みや相談を話し合った

参加者のコメント(一部抜粋)

・重複業務を可能な限りなくし保育士の業務軽減を図り、保育現場を手厚くして行きたい。
・まずはICT導入100%を目指すために当園でも園の課題を丁寧に深堀りしようともいました。
・講演をお聞きして得た児童票、月案などの書式について、自分の思い込みと今まで行ってきたからという固定観念があり変えようという思いがありませんでした。今回参加することで次年度から変えていけるものがあればと検討しています。
・自園ではICT活用がまだ進んでいないので、導入の効果を事例をもとに伝えていきたい。
・保育計画を先ず見直して効率化を目指していきたい。

今後について

コドモンは、子どもと向き合う時間を確保し、保育の質向上と働きやすさの両立を支える手段として、自治体および現場と連携しながらICT活用推進の取り組みを進めてまいります。今後も、各地域の実情に即した形での導入・活用支援を通じて、持続可能な保育環境の実現に貢献してまいります。

株式会社コドモンについて

株式会社コドモンは、「子どもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」というミッションを掲げ、業界シェアNo.1(※)の保育・教育施設向けICTサービス「CoDMON(コドモン)」 を提供しています。園児/児童情報と連動した成長記録や指導案のスマートな作成、登降園管理、保護者とのコミュニケーション支援機能などを通して、先生方の業務負担を省力化。これにより、こども施設で働く職員と保護者の方々が子どもたちと向き合うゆとりをもち、より質の高い保育ができる環境づくりを支援しています。

また、ICTによる支援だけでなく、保育施設向けECサービス「コドモンストア」、すべてのこども施設職員が利用可能な優待プログラム「せんせいプライム」、保育施設向けオンライン研修プラットフォーム「コドモンカレッジ」も展開しています。これらの多角的な取り組みを通じて、「子どもの育ちや学びを社会全体で支えられる世の中へ」というビジョンの実現を目指しています。
※「SaaS型業務支援システムの導入園調査 2025」 株式会社東京商工リサーチ(2026年1月)

株式会社コドモン 会社概要

◆所在地:東京都品川区西五反田八丁目4番13号 五反田JPビルディング10階
◆資本金:6,825万円
◆代表者:代表取締役CEO 小池 義則
◆設立:2018年11月
◆事業内容:保育・教育施設向けICTサービス「コドモン」の運営、写真販売サービスの運営、決済代行サービス、採用支援・園児募集支援事業「ホイシル」、保育施設向けECサイト「コドモンストア」の運営、オンライン研修事業「コドモンカレッジ」、こども施設職員への福利厚生サービス「せんせいプライム」の運営等。

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株式会社コドモン 広報
TEL :080-7303-6026 / 080-4466-6738
MAIL :press@codmon.co.jp

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