アイスクリームの日本市場(2026年-2035年)、市場規模・分析レポートを発表
株式会社マーケットリサーチセンター(本社:東京都港区、世界の市場調査資料販売)では、「アイスクリームの日本市場(2026年-2035年)、英文タイトル:Japan Ice-Cream Market 2026-2035」調査資料を発表しました。本資料には、アイスクリームの日本市場規模、動向、セグメント別予測、関連企業の情報などが盛り込まれています。
■主な掲載内容
日本のアイスクリーム市場は、プレミアム商品や季節限定フレーバーへの強い需要、商品形態・味の継続的な革新、日常生活に根付いたアイスクリーム消費文化、さらにクラフト・手作り系アイスクリームの人気拡大を背景に、今後も安定した成長が見込まれている。市場規模は2025年時点で約40.3億米ドルに達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)約3.3%で拡大し、2035年には約55.8億米ドルに達すると予測されている。急成長市場というよりは、すでに成熟した大規模市場の中で、プレミアム化、限定商品、地域性、コンビニ流通などを軸に着実な拡大が続く構図である。
市場を牽引する大きな特徴の一つが、クラフト・手作り系の「Artisanal Ice-Cream」の成長である。同カテゴリーは2026~2035年に約3.9%のCAGRを記録すると予測されており、主要カテゴリーの中で最も高い成長率が見込まれている。背景には、日本の消費者が単純な定番味だけでなく、より大胆で新規性の高いフレーバーや、素材そのものに物語性や高級感を持つ商品を求めるようになっていることがある。実際に、白トリュフ、酒粕、地域産の乳製品など、従来のアイスクリームではあまり使われなかった特徴的な素材を活用した商品開発が進んでおり、「特別な体験」としてアイスクリームを楽しむ需要が強まっている。
一方で、金額ベースで最大のカテゴリーはテイクホーム型アイスクリームである。これは、家庭で消費するカップ、タブ、ブリック、複数人向けの大容量商品などがスーパーやコンビニを通じて広く購入されているためである。これに対して、衝動買い型の「Impulse Ice-Cream」は、コンビニ、自動販売機、外食などを通じた1人用・1回消費型の商品需要を支えている。2025年にはImpulse Ice-Creamがカテゴリー別市場シェアの38.2%を占めるとされており、日常的な即時消費ニーズの大きさがうかがえる。テイクホームが売上規模を支え、衝動買い商品が日常的な購買頻度を高め、クラフト商品が高付加価値化を牽引するという三層構造になっている。
流通面では、コンビニエンスストアの存在が日本市場の最大の特徴の一つである。日本には全国に密集した24時間営業のコンビニ網があり、これがアイスクリームを極めて買いやすい商品にしている。特にハーゲンダッツ ジャパン、明治、森永乳業などの大手メーカーは、コンビニを新商品の先行販売や期間限定・季節限定商品の主要な発売場所として活用している。こうした「コンビニ限定」「期間限定」という販売手法は、消費者の衝動買いを促すだけでなく、SNSや口コミによる話題化にもつながる。レポートでも、コンビニは今後の日本アイスクリーム市場で重要かつ成長性の高い流通チャネルと位置付けられている。
エンドユース別では、小売事業者が最大の市場を形成すると予測されている。日本ではスーパー、コンビニ、ハイパーマーケットなどの小売網が高度に整備されており、アイスクリームが日常的に購入される食品として完全に定着している。そのため、飲食店や専門店で食べる商品だけでなく、普段の買い物の中で気軽に購入される小売商品が市場全体を支えている。小売向けエンドユースは2026~2035年にCAGR3.7%で成長すると予測されており、市場全体の3.3%をやや上回る成長が見込まれている。
日本のアイスクリーム需要は、地域ごとの消費文化にも支えられている。レポートでは、石川県金沢市の1世帯当たりアイスクリーム支出額が12,146円に達し、非常に高い水準にあるとされている。また、北陸地域は日本の中でもアイスクリーム消費が盛んな地域として位置付けられている。こうした傾向は、アイスクリームが暑い夏に限定された嗜好品ではなく、季節を問わず消費される日常的なデザートとして定着していることを示唆している。
フレーバー別では、チョコレートが売上ベースで最大のカテゴリーとされている。チョコレート味は年齢層や商品形態を問わず支持されやすく、カップ、バー、コーン、プレミアム商品など幅広い形式に展開できる点が強みである。バニラも同様に定番性が高く、特にプレミアム商品やクラフトアイスとの親和性が高い。一方、成長性という点ではフルーツ系や日本独自の季節・地域素材を活用したフレーバーが注目されている。抹茶、ゆず、桜、サツマイモなど、日本の季節感や地域性を反映した味が増えており、商品差別化の重要な手段になっている。
商品形態別では、カップとスティックタイプが主力となっている。これらはスーパー、コンビニ、自動販売機など幅広いチャネルで販売しやすく、1人で手軽に食べられるため、日本の消費習慣との相性が良い。タブやブリックは家庭向けのテイクホーム需要を支え、コーンタイプは衝動買いや外食需要との結びつきが強い。また、日本独自の商品として、もちでアイスクリームを包んだ商品や、モナカ生地でアイスを挟んだ商品なども市場の多様性を高めている。
市場成長の中心にあるのは、継続的な商品イノベーションである。日本のメーカーは、単に新しい味を発売するだけではなく、季節感、限定性、地域素材、高級感、食感の変化などを組み合わせることで、消費者に「試してみたい」と思わせる商品を次々に投入している。限定販売の頻度を高めることで、成熟市場でも買い替えや試食需要を喚起し、ブランドへの関心を維持する戦略が取られている。レポートでは、限定・季節フレーバー、クラフト・プレミアム商品の人気、そしてコンビニの強い流通網が市場成長の主要因として挙げられている。
最近の企業動向では、2026年3月に森永製菓が米国のMy/Mochi Ice Creamを買収したことが注目される。My/Mochiは、もち生地でプレミアムアイスクリームを包んだ商品で知られ、日本の菓子文化を背景にした独特の食感を特徴としている。森永製菓はこの買収を通じて、米国の冷凍デザート市場への本格参入と商品ポートフォリオの拡大を図っている。これは、日本発のアイス・冷凍デザートの技術やコンセプトが海外市場でも事業機会を持っていることを示す動きといえる。
2026年1月には、ハーゲンダッツ ジャパンが「Tea Bar Royal Milk Tea Crunch」を全国のコンビニやスーパーで発売している。また、2025年8月には日本の食材や文化的な美意識を表現した「Japan Mind」シリーズを展開し、2024年10月には明治が独自の「Ice Point Concentration Method」を採用した「Dear Milk」を中部・関西地域へ拡大した。これらの動きからも、日本市場では大手メーカーが単なる大量販売ではなく、素材、製法、文化性、限定感といった付加価値を競争軸にしていることが分かる。
特に明治のDear Milkは、日本市場における「素材そのものの質」を前面に出すプレミアム化の例として特徴的である。同商品には、北海道・十勝産乳原料を100%使用し、独自のIce Point Concentration Methodが採用されている。2024年10月に中部・関西地域へ販売地域を拡大した際には、販売実績が当初予測の約2倍に達したとされている。こうした事例は、消費者が単なる価格ではなく、乳原料の産地、製法、純度、ブランドストーリーなどを評価する傾向が強まっていることを示している。
市場セグメントを整理すると、フレーバーではチョコレート、フルーツ、バニラ、その他に分けられ、カテゴリーではImpulse Ice-Cream、Take-Home Ice-Cream、Artisanal Ice-Creamに分類される。商品形態ではカップ、スティック、コーン、ブリック、タブなど、エンドユースではフードサービスと小売、流通チャネルではハイパーマーケット/スーパーマーケット、HoReCa、コンビニ、オンラインなどに分けられている。このうち、カテゴリー別ではテイクホームが最大、成長率ではクラフト系が最も高く、エンドユースでは小売、流通ではコンビニとスーパーの存在感が大きいという構造である。
オンライン販売も市場の一部を構成しているものの、日本のアイスクリーム市場では現時点でリアル店舗の影響力が非常に大きい。特にアイスクリームは温度管理が必要であり、購入直後に食べたいという即時性も強いため、消費者の生活圏に大量に存在するコンビニとの相性が極めて良い。日本全国には約5万6,000店のコンビニが存在するとされており、この高密度な店舗網そのものが巨大な冷凍食品・アイスクリームの販売インフラとして機能している。
スーパー/ハイパーマーケットは、販売数量という面で特に重要である。家庭用の大容量商品や複数個入り商品をまとめて購入する需要を取り込みやすく、テイクホーム市場を支える。一方、コンビニは1個単位の購入、限定商品、衝動買い、新商品のお試し購入などに強い。このため、スーパーとコンビニは単純な競合関係ではなく、それぞれ異なる購買シーンをカバーしながら日本のアイスクリーム消費全体を押し上げている。HoReCaやアイスクリーム専門店は、外食や体験価値を伴う高付加価値商品を担う位置付けである。
競争環境は非常に活発で、国内の老舗食品・乳業メーカーと海外のプレミアムブランドが、商品開発、限定販売、コンビニとの連携などを通じて競争している。単に既存商品を大量販売するだけでは差別化しにくいため、各社は新しい食感、フレーバー、乳原料、パッケージ、季節テーマなどを絶えず投入している。市場は成熟している一方、消費者の新商品への関心が高いため、イノベーションの頻度そのものが競争力を左右する市場といえる。
主要企業としては、明治ホールディングス、森永乳業、ロッテ、日世などが挙げられている。明治は乳製品の技術力を活かした高品質アイス、森永乳業は乳を基盤としたアイスバーや冷凍デザート、ロッテは「雪見だいふく」「クーリッシュ」など知名度の高いブランド群を展開している。日世はソフトクリームや関連製造設備に強みを持ち、クラフト・プレミアム系商品の拡大にも関係する企業である。このほか、ハーゲンダッツ ジャパン、赤城乳業、井村屋グループ、森永製菓なども主要プレイヤーとして挙げられている。
総合すると、日本のアイスクリーム市場はすでに大きく成熟した市場でありながら、プレミアム化、クラフト化、地域素材の活用、季節限定商品、コンビニを中心とする高頻度の新商品投入によって今後も安定成長が続くと予想される。市場規模は2025年の40.3億米ドルから2035年には55.8億米ドルへ拡大する見通しであり、市場全体のCAGRは3.3%と比較的緩やかである。一方で、クラフト系の3.9%、コーン商品の3.8%、小売向けの3.7%など、市場平均を上回る成長分野も存在する。
今後の競争では、販売量の拡大だけでなく、「どれだけ新鮮な購買理由を作れるか」が重要になると考えられる。コンビニ限定や季節限定の商品で話題を作る大手メーカー、地域乳製品や酒粕などを使って独自性を打ち出すクラフト事業者、素材や製法そのものをプレミアム価値に転換するブランドなど、複数の方向から付加価値競争が進む見通しである。日本の消費者にとってアイスクリームが単なる夏季商品ではなく、日常的なデザート、気分転換、季節を楽しむ商品、さらには小さな贅沢として定着していることが、市場の安定性を支える最大の基盤になっている。
※目次構成
エグゼクティブサマリー
1.1 市場規模(2025~2026年)
1.2 市場成長予測(2026年予測~2035年予測)
1.3 主な需要促進要因
1.4 主要企業と競争構造
1.5 業界のベストプラクティス
1.6 最新動向と最近の展開
1.7 業界見通し市場概要およびステークホルダー分析
2.1 市場動向
2.2 主要産業分野
2.3 主要地域
2.4 サプライヤーの交渉力
2.5 買い手の交渉力
2.6 主な市場機会とリスク
2.7 ステークホルダーによる主要施策経済概要
3.1 GDP見通し
3.2 一人当たりGDPの成長
3.3 インフレ動向
3.4 民主主義指数
3.5 政府総債務比率
3.6 国際収支(BoP)の状況
3.7 人口見通し
3.8 都市化動向カントリーリスク分析
4.1 カントリーリスク
4.2 ビジネス環境アジア太平洋地域のアイスクリーム市場概要
5.1 主要業界ハイライト
5.2 アジア太平洋地域のアイスクリーム市場の過去実績(2019~2025年)
5.3 アジア太平洋地域のアイスクリーム市場予測(2026~2035年)日本のアイスクリーム市場概要
6.1 主要業界ハイライト
6.2 日本のアイスクリーム市場の過去実績(2019~2025年)
6.3 日本のアイスクリーム市場予測(2026~2035年)フレーバー別・日本のアイスクリーム市場
7.1 チョコレート
7.1.1 過去の推移(2019~2025年)
7.1.2 予測推移(2026~2035年)
7.2 フルーツ
7.2.1 過去の推移(2019~2025年)
7.2.2 予測推移(2026~2035年)
7.3 バニラ
7.3.1 過去の推移(2019~2025年)
7.3.2 予測推移(2026~2035年)
7.4 その他
- カテゴリー別・日本のアイスクリーム市場
8.1 インパルスアイスクリーム(その場で購入・消費する個食型)
8.1.1 過去の推移(2019~2025年)
8.1.2 予測推移(2026~2035年)
8.2 持ち帰り用アイスクリーム
8.2.1 過去の推移(2019~2025年)
8.2.2 予測推移(2026~2035年)
8.3 アルチザン/手作りアイスクリーム
8.3.1 過去の推移(2019~2025年)
8.3.2 予測推移(2026~2035年)
- 製品タイプ別・日本のアイスクリーム市場
9.1 カップ
9.1.1 過去の推移(2019~2025年)
9.1.2 予測推移(2026~2035年)
9.2 スティック
9.2.1 過去の推移(2019~2025年)
9.2.2 予測推移(2026~2035年)
9.3 コーン
9.3.1 過去の推移(2019~2025年)
9.3.2 予測推移(2026~2035年)
9.4 ブリック型
9.4.1 過去の推移(2019~2025年)
9.4.2 予測推移(2026~2035年)
9.5 タブ型(大型容器)
9.5.1 過去の推移(2019~2025年)
9.5.2 予測推移(2026~2035年)
9.6 その他
- エンドユース別・日本のアイスクリーム市場
10.1 フードサービス
10.1.1 過去の推移(2019~2025年)
10.1.2 予測推移(2026~2035年)
10.2 小売
10.2.1 過去の推移(2019~2025年)
10.2.2 予測推移(2026~2035年)
- 流通チャネル別・日本のアイスクリーム市場
11.1 ハイパーマーケット/スーパーマーケット
11.1.1 過去の推移(2019~2025年)
11.1.2 予測推移(2026~2035年)
11.2 HoReCa(ホテル・レストラン・カフェ)
11.2.1 過去の推移(2019~2025年)
11.2.2 予測推移(2026~2035年)
11.3 コンビニエンスストア
11.3.1 過去の推移(2019~2025年)
11.3.2 予測推移(2026~2035年)
11.4 オンラインチャネル
11.4.1 過去の推移(2019~2025年)
11.4.2 予測推移(2026~2035年)
11.5 その他
- 市場ダイナミクス
12.1 SWOT分析
12.1.1 強み
12.1.2 弱み
12.1.3 機会
12.1.4 脅威
12.2 ポーターの5フォース分析
12.2.1 サプライヤーの交渉力
12.2.2 買い手の交渉力
12.2.3 新規参入の脅威
12.2.4 競争の激しさ
12.2.5 代替品の脅威
12.3 主要需要指標
12.4 主要価格指標
- 競争環境
13.1 サプライヤー選定
13.2 主要グローバル企業
13.3 主要地域企業
13.4 主要企業の戦略
13.5 企業プロファイル
13.5.1 Meiji Holdings Co., Ltd.(明治ホールディングス株式会社)
13.5.1.1 企業概要
13.5.1.2 製品ポートフォリオ
13.5.1.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.1.4 認証
13.5.2 MORINAGA MILK INDUSTRY CO., LTD.(森永乳業株式会社)
13.5.2.1 企業概要
13.5.2.2 製品ポートフォリオ
13.5.2.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.2.4 認証
13.5.3 Lotte CO., LTD.(株式会社ロッテ)
13.5.3.1 企業概要
13.5.3.2 製品ポートフォリオ
13.5.3.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.3.4 認証
13.5.4 NISSEI Co., Ltd.(日世株式会社)
13.5.4.1 企業概要
13.5.4.2 製品ポートフォリオ
13.5.4.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.4.4 認証
13.5.5 Häagen-Dazs Japan, Incorporated(ハーゲンダッツ ジャパン株式会社)
13.5.5.1 企業概要
13.5.5.2 製品ポートフォリオ
13.5.5.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.5.4 認証
13.5.6 Akagi Nyugyo Co., Ltd.(赤城乳業株式会社)
13.5.6.1 企業概要
13.5.6.2 製品ポートフォリオ
13.5.6.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.6.4 認証
13.5.7 IMURAYA GROUP CO., LTD.(井村屋グループ株式会社)
13.5.7.1 企業概要
13.5.7.2 製品ポートフォリオ
13.5.7.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.7.4 認証
13.5.8 Morinaga Co., Ltd.(森永製菓株式会社)
13.5.8.1 企業概要
13.5.8.2 製品ポートフォリオ
13.5.8.3 顧客・市場カバレッジおよび実績
13.5.8.4 認証
13.5.9 その他
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