取適法に「対応したはず」が最も危ない

なぜ多くの企業は物流下請法に「対応したつもり」で事故るのか

2026-02-25 10:00
行政書士法人運輸交通法務センター

※「物流下請法」は正式な法律名ではなく、取適法の物流分野と物流特殊指定を統合的に捉えた、楠本浩一による実務上の制度概念です。

物流下請法への対応を進めたにもかかわらず、実態として違反リスクを抱えたままの企業は少なくありません。
契約書を整備した。社内研修も実施した。チェックリストも回した。それでもなお、現場では問題が続いている。
なぜでしょうか。
大阪を拠点に物流・運送業専門の行政書士として活動する楠本浩一は、その原因を「現場の問題」ではなく「企業構造の問題」だと指摘します。
楠本は、大手電機メーカーの物流部門および物流子会社で法務責任者を務め、荷主側・物流事業者側双方の実務に深く関与してきました。契約と現場が乖離する瞬間がどのように生まれ、組織内に固定化されていくのかを、現場の内側から見てきました。
「多くの企業は『法令に対応しよう』とします。しかし本当に必要なのは、『構造を再設計すること』です」
現場では、次のような状態が同時多発的に起きています。
・長時間の荷待ちが常態化している
・契約に記載のない附帯作業が黙認されている
・多重下請構造により実態が見えなくなっている
・判断が現場任せになっている
・契約に存在しない主体(着荷主や倉庫会社など)が事実上の指示を出している
これらは偶発的な違反ではありません。

企業内の判断構造と契約設計が一致していないことから生じる「必然」です。
物流下請法は、発注条件の明確化や取引の透明性を求める法律です。しかし、契約書だけを整えても、社内の意思決定プロセスや現場の指示系統が曖昧なままであれば、実態は変わりません。
楠本はこれを「形式対応の罠」と呼びます。
「チェックリストは整っているのに、現場では違う判断が行われている。このズレこそが最大の経営リスクです」
現在、楠本は独自の50項目診断チェックリストを用い、契約・判断・運用の三層を横断的に分析する支援を行っています。単なる法令説明ではなく、事故が起きにくい物流構造を企業内に設計することを目的としています。
物流下請法に「対応したつもり」で止まるのか。
それとも、物流経営そのものを再設計するのか。
この違いは、すぐには表面化しません。
しかし将来的には、企業価値そのものに大きな差となって現れます。
あなたの会社の物流は、「法律を守るため」に存在していますか。それとも、「経営を支える資産」として設計されていますか。
物流下請法の構造的リスクや具体的な対応視点については、専門サイトで詳しく解説しています
https://toritekihou.com/

【会社概要】
行政書士法人運輸交通法務センター
代表社員/行政書士:楠本浩一
所在地:大阪府大阪市北区西天満3-13-9 西天満パークビル4号館6階
事業内容:物流・運送業法務、物流下請法対応支援、荷主向け物流ガバナンス設計