ヘッドスプリング、Silicon & System社と資本業務提携  DTI社とAIデータセンター向け次世代電源を共同開発

2026-10-13 10:00
ヘッドスプリング株式会社

ヘッドスプリング株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:星野 脩、以下「当社」)は、Silicon & System CO., LIMITED(本社:香港、代表者:Steven Chen、以下「S&S社」)と資本業務提携契約を締結しました。本提携に基づき、S&S社を引受先とする第三者割当増資を実施するとともに、同社が主要株主であるデバイズテック株式会社(以下「DTI社」)とAIデータセンター向け次世代電源の共同開発を開始します。
共同開発では、DTI社のパワーモジュール設計・開発技術と、当社の電力変換・制御技術を組み合わせ、800V級の直流給電に対応する電源の製品化を目指します。

資本業務提携の背景と目的

生成AIの急速な普及により、データセンターの消費電力は急増しています。GPUサーバーラックへ効率よく電力を届けるため、電源方式は従来の交流給電から800V級の直流給電へ移行しつつあります。本提携では、AIデータセンターの電力供給に用いる800V級の直流給電に対応した電源を開発します。

当社は創業以来12年超、450件を超える開発案件を通じて、SiC/GaNを用いた電力変換技術、高速制御技術、半導体評価技術を蓄積してきました。DTI社はパワーモジュールの設計・開発・製造のための技術・ノウハウを有しています。同社の関連会社はパワーモジュールの製造工場(敷地面積45,000m2、延床面積70,600m2)の建設に着手しています。
両社の技術を組み合わせ、パワーモジュール設計と電源の実機評価を連携させることで、AIデータセンター向け次世代電源の早期製品化を目指します。

共同開発の内容

AIデータセンター向け電源には、大きな電力を限られたスペースで扱いながら、電力変換時の損失と発熱を抑えることが求められます。800V級の直流をサーバーラックで利用する電圧へ変換する電源では、高効率化と小型化に加え、高電圧に対応する絶縁設計や、安定した動作を支える制御・放熱設計が重要になります。
データセンター向け電源では、従来、個別の半導体部品であるディスクリート半導体を基板上に配置する構成が多く用いられてきました。本共同開発では、個別に配置していた半導体を電源の要求仕様に合わせて専用のパワーモジュールに集約し、配線・放熱構造と電源回路を一体で設計することで、小型化と電力変換損失の低減を目指します。

DTI社独自の製造技術「EnerStack」は、回路間のインピーダンスを効果的に低減し、パワーモジュールの性能向上を実現します。この技術を活用した高効率・高信頼性のパワーモジュールと、ヘッドスプリングの電力変換・制御技術を組み合わせることで、電源システム全体の性能向上に取り組みます。

当社とDTI社は共同開発契約を締結し、以下の役割分担で開発を進めます。

・DTI社:専用パワーモジュールの設計・開発、および生産
・当社 :パワーモジュールを搭載する電源システムの設計・開発、および実機評価に基づくモジュール設計へのフィードバック

パワーモジュールの設計段階から電源側の要求仕様を共有し、実機での変換効率、温度上昇、動作の安定性などを評価します。その結果を双方の設計に反映し、小型・高効率で信頼性の高い電源の実現を目指します。

今後の展開

当社はまず、AIデータセンターのサーバーラック向けDC-DC電源(800V級の直流を約50Vへ変換する電源)の開発に着手します。初期製品で顧客実証を進め、その後、DTI社と共同開発するパワーモジュールを搭載した次世代機へ段階的に移行する計画です。
将来的には、電力網から受けた高電圧の交流をデータセンター向けの直流へ直接変換するSST(Solid StateTransformer:半導体変圧器)への展開も視野に入れています。
また、半導体評価装置・試験システムで培った技術をAIデータセンター分野にも展開し、開発・評価から導入後の保守までを一貫して提供できる体制の構築を目指します。

代表者コメント

ヘッドスプリング株式会社 代表取締役社長 星野 脩

AIデータセンター向け電源の性能を高めるには、パワーモジュールと電源システムを一体で設計することが重要です。DTI社のモジュール設計・開発技術と当社の電源システム技術を組み合わせ、実機評価の結果を設計に反映することで、製品化を加速していきます。今回の資本業務提携を、当社がAIデータセンター分野へ本格参入する起点と位置づけています。

【Silicon & System CO., LIMITED Managing Director Steven Chen】
パワー半導体の性能を引き出すには、電源システムの設計が重要です。ヘッドスプリングがSiCやGaNの特性を活かした高性能な電源回路の設計と実機検証を重ねてきた点を高く評価しています。半導体と電源システムの間をつなぐパートナーとして、同社は最適だと判断しました。DTI社のパワーモジュールとヘッドスプリングの電源技術を組み合わせ、日本発の次世代電源を世界のAIデータセンターへ届けていきます。

Steven Chen氏 略歴

台湾・国立成功大学で材料工学の修士号を取得。TSMCなどの半導体メーカーで技術開発に携わった後、大手半導体受託製造会社で技術開発部門の責任者、マーケティングおよび財務・事業戦略担当の副社長を歴任。2016年以降は実業家・投資家として、8インチのパワー半導体工場を創業者として立ち上げ、3年で車載向けチップの量産を軌道に乗せた後、同工場を売却。Foxconnの投資アドバイザーも務めた。技術・事業・投資・工場運営のすべてを経験してきた半導体分野の実業家。

各社概要

ヘッドスプリング株式会社

所在地 : 東京都品川区
代表者 : 星野 脩
設立  : 2014年7月
事業内容: パワーエレクトロニクス製品の開発・製造・販売、開発受託、
      半導体評価装置、蓄電システム(ESS)
URL   : https://headspring.co.jp

デバイズテック株式会社

所在地 : 山形県米沢市
代表者 : Steven Chen
設立  : 2021年3月
事業内容: Power、Analog、Wireless領域のモジュール化技術の研究開発、
      製造、販売
URL   : https://www.devise-tech.com

添付資料

プレスリリース(日本語版): https://www.atpress.ne.jp/releases/639214/att_639214_1.pdf
プレスリリース(英語版) : https://www.atpress.ne.jp/releases/639214/att_639214_2.pdf