インドの脳動脈瘤治療市場では今後も塞栓コイルが有望

株式会社グローバルインフォメーション
2013-08-12 14:30

株式会社グローバル インフォメーションは、市場調査会社iData Research Inc.が発行した報告書「Indian Neurological Devices Market (インドの神経系医療機器市場)」の販売を開始しました。

当調査レポート発行元のiData Researchによりますと、今後2019年までインドの動脈瘤手術の件数は年平均20%以上のスピードで成長する見込みです。インドでは脳動脈瘤において血管内手術が増加しており、これが特に離脱型コイル(デタッチャブルコイル)の成長の追い風となります。

ここ数年間、脳外科手術領域では血管内手術の採用が進んでいます。これにより過去に用いられていた脳動脈瘤クリップに代わりコイル塞栓術の普及が進んでいます。コイルにより動脈瘤内部に血液が侵入する事を防ぐ事で動脈瘤の破裂を防ぐ事ができます。

動脈瘤治療はインド社会の高齢化と共に今後成長すると見られます。

CIAのWorld Factbookによりますと、インドの人口は2012年に12億人に達しました。65歳以上の高齢者は5.6%です。今後高齢化が進むとともに脳動脈瘤の症例はさらに増加すると考えられます。

インドにおける昨年の脳動脈瘤の血管内手術件数は1,000件以上でした。これは前年に比べ20%超の増加となります。公的な支援が不足している事もあり、健康に対する認識がまだ高くはありません。多くの患者は動脈瘤の初期症状を認識出来ず、医療機関に診察に来る頃には巨大な動脈瘤が形成されているケースが大半です。

脳動脈瘤治療に用いられる血管内手術機器、例えば脳血管ステント、離脱型コイル、脳血管カテーテル、脳血管ガイトワイヤー、は動脈瘤の大きさと形状に応じて使い分ける必要があります。ステントを用いた治療は主に”Wide-neck”動脈瘤に対して用いられます。脳血管ステントとデタッチャブルコイルを両方留置する事でコイルをその場に固定する事が出来ます。

昨年において脳血管ステントが必要だったケースは脳動脈瘤治療の5分の1程度でした。これはインドにはWide-Neck動脈瘤の症例が少なく、またステントの価格が高い事も影響しています。

動脈瘤手術の伸びはインドの高齢化と血管内治療の技術の進歩の影響をうけます。今後2019年までインドの動脈瘤手術の件数は年平均20%超のスピードで成長するものと予測されます。

離脱型コイル (Guglielmi detachable coil) は1990年に初めて臨床的に使用され、1992年に欧州で販売の認可を受けました。コイルは動脈瘤のサイズが好ましくない患者や、動脈瘤がアクセスしづらい場所にある患者に使用されていました。臨床結果により一定の患者に対してコイルが有効である事が判明しました。しかし依然として治療のタイミング、手術に伴う合併症、治癒率や再発率に対して多くの議論がありました。

ISATによるレポートによりコイルの長期的な治癒率に関しては疑問点が挙げられ、大きな論争となりました。それでも患者の短期的な経過は良く、多くの医療関係者はISATの基準を満たしている患者に対してはコイルを採用しました。

現在市場には2つのタイプのコイルが存在しています。むき出しの白金コイルとコーティングされたコイルです。 インド市場では白金コイルが市場の90%を占めています。白金コイルはインドに20年近く前に導入され、市場ではスタンダードとなっているのです。

白金コイルは、その長い使用経験と良好な臨床結果により今後も成長するものと予測されます。また新しいタイプのコイルの参入が進む事でインド市場では今後5年間に渡り2ケタ成長が期待できます。

2012年はテルモの子会社のマイクロベンション社がデタッチャブルコイル市場のリーダーでした。マイクロベンション社は低侵襲性治療機器に強い会社です。

ストライカーも競合企業です。GDC360° は歴史的にインドで初めて使用された製品です。他にもコヴィディエンも主要な企業と言えます。

結論として、インドの脳動脈瘤に対する血管内手術においては、デタッチャブルコイルがその治療効果、耐久性、認知度、低侵襲性により今後も有力な治療オプションであり続けるでしょう。しかしながらコヴィディエンの液状塞栓システムOnyxや、Pipeline flow diversion といったコイル以外の機器も今後は普及が進むものと見られます。

市場調査レポート: インドの神経系医療機器市場
Indian Neurological Devices Market
http://www.gii.co.jp/report/ida277641-indian-neurological-devices-market.html
出版日: 2013年08月02日
発行: iData Research Inc.

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