タイ・BLCPパワーと微細藻類による CO2固定化技術実証の共同研究契約書に調印

微細藻類CCUSをカーボンニュートラルに向けたデファクトスタンダードに

株式会社アルガルバイオ
2025-03-05 14:00

「藻類の研究開発で、人々と地球の未来に貢献する」をミッションとして、微細藻類由来の新たなプロダクトやソリューションを開発する株式会社アルガルバイオ(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:木村 周、以下「当社」)は、タイを代表するIPP(独立系発電事業者)であるBLCPパワー(BLCP Power Limited、以下「BLCPパワー社」)が運営する発電所内において、微細藻類を活用したCO2固定化技術と、藻類バイオマスの商業利用の事業性の実証を目的とした共同研究の開始に合意し、2025年3月4日に関係者との間で共同研究契約書に調印しました。

調印式は、両社の引き合わせから今回の合意に至るまで全面的に支援いただいたジェトロ・バンコク事務所が主催する「Thailand-Japan Sustainable Business Forum 2025」にて取り行われました。タイおよびASEANにおけるCO2回収・有効利用・貯留技術の推進における重要なマイルストーンとなる本プロジェクトは、経済産業省の「令和5年度補正グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択されています。

タイでの微細藻類CCUS商業化に共同で取り組みます

タイでの微細藻類CCUS商業化に共同で取り組みます

タイは、2030年までに温室効果ガス排出量を予測される事業ベース(BAU)レベルから30%削減することを約束しており、2018-2037年のタイ国家戦略において「バイオ・循環型・グリーン経済モデル(BCGモデル)の実現」を宣言し、各企業にカーボンニュートラル・ネット排出ゼロへの取り組みを求めています。

BLCPパワー社は、微細藻類を利用したCO2固定を含む脱炭素イニシアチブの取り組みを幅広く展開し、目標達成に向けて積極的に取り組んでいます。今回の共同研究は、バイオテクノロジーを活用して循環型サプライチェーンを構築するというタイ政府の提唱するモデルと一致するものです。

本共同研究では、タイの熱帯気候においてプロセスからCO2を効率的に直接回収し、微細藻類の最適な培養条件を見出すと同時に、得られる微細藻類バイオマスをサプリメント・化粧品・家畜飼料・肥料などの製品・原料へ活用するべく市場開拓・商品開発を進めてまいります。これは、産業排出物を高付加価値製品へと転換するサステナブルな産業共生を実現するスケーラブルモデルとなることが期待されます。

今回の取り組みを通じ、タイにおける微細藻類を活用したCO2固定化・有効利用技術を実証し、ASEAN諸国における持続可能な環境技術の普及を目指すと共に、世界各国のカーボンニュートラルへの移行を後押しする取り組みとなることを目指してまいります。

2025年3月4日にバンコクで実施された調印式 左から、BLCPパワー社 Managing Director Yuthana Charoenwong氏、当社COO 大江 真房

2025年3月4日にバンコクで実施された調印式 左から、BLCPパワー社 Managing Director Yuthana Charoenwong氏、当社COO 大江 真房

共同研究プロジェクトの概略図

共同研究プロジェクトの概略図

BLCP Power Limitedについて

Banpu Group(Banpu Coal Power LImited 及び Banpu Power Public Company Limited)とElectricity Generating Public Company Limited(EGCO)による50:50の合弁会社。大手IPP事業者として、タイ南東部のラヨーン県マプタプット工業団地にて石炭火力発電所(発電能力:1,434メガワット)を運営。技術革新と戦略的パートナーシップを通じて、持続可能性の推進と二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいる。

アルガルバイオについて

「藻類の研究開発で、人々と地球の未来に貢献する」をミッションに掲げ、藻類の可能性をカタチにすることを目指す、研究開発型ベンチャー企業。東京大学における20年以上の藻類研究の成果を技術基盤とした、バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォームを構築。プラットフォームは、100種1,260株以上の「微細藻類ライブラリー」をはじめ、藻類種ごとの育種・選抜技術、培養条件最適化のノウハウ、スケールアップ検討のためのパイロットプラントなどからなり、クライアントの多種多様なニーズに対して最適な微細藻類の探索から商用化までを短期間で実現可能。バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォームを通じて、人々の健康、サステナブルな食糧供給、地球温暖化といった様々なグローバル規模の社会課題を解決する微細藻類由来の新たなプロダクト・ソリューションの事業化を様々な企業と協力しながら進めている。

バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォーム

バイオファウンダリー型藻類開発プラットフォーム

会社概要

企業名  : 株式会社アルガルバイオ(Algal Bio Co., Ltd.)
代表者  : 代表取締役社長 木村 周
本社所在地: 〒277-0882 千葉県柏市柏の葉5-4-6
設立   : 2018年3月
事業内容 : 藻類及びその成分の研究開発、生産及び販売
URL    : https://algalbio.co.jp/

今後の展望

当社は、CO2固定能の向上など目的生産物の用途に応じた藻類種の育種や選抜、独自の培養製法を開発可能な世界No.1の微細藻類バイオファウンダリー技術をベースとした、CCUSソリューションモデルを構築しています。日本国内においては2022年にNEDOの委託事業「カーボンリサイクル・次世代火力発電等技術開発/CO2有効利用拠点における技術開発/研究拠点におけるCO2有効利用技術開発・実証事業(基礎研究エリア)」に関西電力株式会社と共同採択され、微細藻類によるCO2固定化プロジェクトに取り組んでいます。海外においてもタイを含む複数ヵ国で微細藻類CCUSの商業化に向けた研究開発を進めており、国際的に認知されるデファクトスタンダードへと昇華させ、世界各国でのカーボンニュートラル実現に寄与してまいります。

本件に関するお問い合わせは下記までご連絡ください

株式会社アルガルバイオ
担当 : 中楯(事業開発・広報担当)
Tel  : 04-7138-6207
E-mail: info@algalbio.co.jp
URL  : https://algalbio.co.jp/