国内初、上空LTE通信における「パケット優先制御」の検証に成功
~閉域環境での検証にも成功し、ドローン利用におけるセキュリティと通信の安定性向上を実現~
ドコモグループの法人事業ブランド「ドコモビジネス」を展開するNTTコミュニケーションズ株式会社(以下NTT Com)は、優先的にパケットを割り当てることで混雑エリアや時間帯でも通信の安定化と速度向上を実現できる「パケット優先制御」を、上空のLTE通信に適用させた検証に成功しました。また、「LTE上空利用プラン 閉域接続オプション(MECダイレクト(R)※1) ※2」を活用し、高セキュリティでの通信ができる閉域環境下での検証にも成功しました。
これらの検証(以下 本検証)の結果を踏まえ、「LTE上空利用プラン」※3のオプションとしてパケット優先制御機能の提供開始を2025年夏ごろに予定しています。
1.背景
物流などの用途でのドローンの活用を推進するため、一定の条件下で立入管理措置※4が不要で目視外飛行ができる「レベル3.5」※5が2023年12月より開始されました。
一方、「レベル3.5」飛行を行うためには機上カメラによる歩行者の有無の確認が必要となり、機上カメラで撮影した映像をリアルタイムで確認するためにより一層安定した上空通信の環境が必要となりました。
そのため、「LTE上空利用プラン」に対し、地上での通信向けに提供している「パケット優先制御機能」※6を活用することで、上空でのLTE通信における速度向上および安定化の有効性を検証しました。
2.本検証の概要および結果
本検証では、イームズロボティクス株式会社(以下イームズ)の「E600‐100」、Skydio社の「SkydioX10」を活用し、パケット優先制御機能の検証を行いました。また、「LTE上空利用プラン 閉域接続オプション(MECダイレクト(R)) 」を活用した閉域環境下でのパケット優先制御の有効性も検証しました。
上空における、LTE通信でのパケット優先制御および携帯電話網に閉じた閉域通信の実現は国内初となります。
(1)イームズ社製「E600‐100」を活用した検証
・パケット優先制御を活用しモバイル通信の速度向上および安定性を確認
・「LTE上空利用プラン 閉域接続オプション(MECダイレクト(R))」を活用した閉域環境(ドコモネットワーク内)でのパケット優先制御を実施し、ドローンの制御およびデータ伝送可否を確認

検証構成

活用機体:イームズ社製E600‐100※7(第一種型式認証※8申請機)

モバイル通信の速度向上および安定性の結果
(2)「Skydio X10」を活用した検証
「パケット優先制御」を実施した際のリアルタイムでのカメラ映像品質を確認

