「続けられるか」ではなく、「依存しないか」で未来は決まる

2026-05-15 07:55
医療法人社団久視会いわみ眼科

— Newsweek掲載が示す、緑内障治療のパラダイムシフト —

先日、Newsweekの医療ムック「世界の最新医療」にて、私の緑内障レーザー(SLT)に関する記事が掲載されました。

この中で示されているのは、単なる新しい治療法の紹介ではありません。
👉 緑内障治療の“考え方そのもの”が変わりつつあるという点です。


■ 緑内障の本当の問題は「治療」ではない

緑内障は、日本における失明原因の第1位です。

しかも、
・自覚症状がほとんどない
・ゆっくり進行する
・気づいた時には進行している
という特徴があります。

だからこそ治療の継続が重要ですが、ここに大きな壁があります。

👉 治療が“続かない”


■ 点眼治療の限界:アドヒアランスという現実

点眼治療は有効です。これは間違いありません。

しかし実際の診療では、
・毎日続けるのが大変
・高齢になると点眼そのものが難しい
・つい忘れてしまう
・複数の目薬で負担が増える

こうした理由で、「理想通りに続けること」が難しい場面が少なくありません。

つまり、
👉 薬が効くかどうか以上に、「続けられるかどうか」が結果を左右する
という構造になっています。


■ 海外で起きている変化:最初からレーザーという選択

近年、海外では大きな変化が起きています。

2019年の英国の研究では、
👉 最初からレーザー治療を選ぶ方が合理的である可能性
が示されました。

これは単なる治療法の違いではありません。


■ 治療の考え方が変わっている

これまで
→ まず点眼、難しければレーザー

これから
👉 最初から「続けやすい方法」を選ぶ

つまり、

👉
「効く治療」から「続く治療」へ

という転換です。


■ 日本の現状とこれから

日本ではまだレーザーは補助的な位置付けですが、

正常眼圧緑内障が多い

高齢化が進んでいる

という背景を考えると、

👉 「点眼を続ける難しさ」はむしろ大きい
とも言えます。

さらに、日本人を対象とした研究でも
👉 レーザーを最初に選ぶ有用性が示され始めています


■ 発想の転換:「頑張る治療」から「任せられる治療」へ

ここで少し視点を変えてみます。

点眼治療は、極端に言えば
👉 「患者さんの頑張りに支えられる治療」
です。

一方でレーザー治療は、
👉 「一度治療すれば、その効果を医療側で維持しやすい治療」
です。


■ SLTレーザーの本質

SLTは、

点眼を使わずに眼圧を下げる

数分で終わる外来治療

効果が数年続く

必要なら繰り返せる

といった特徴があります。

ここで重要なのは、

👉
「患者さんの日々の努力に左右されにくい」
という点です。


■ “未来の不確実性”を減らすという考え方

緑内障は長い病気です。

そのため、将来を考えるときに重要なのは、

今効いているか
ではなく
👉 「この状態が続くかどうか」

です。

点眼の場合は、

忘れてしまう日がある

途中でやめてしまう

正しく使えない

といった「ブレ」がどうしても生まれます。

一方でレーザーは、
👉
「やったか、やっていないか」だけで結果が決まる

治療です。

だからこそ、
👉
将来の見通しが立てやすい
という特徴があります。


■ 医療は「未来を設計するもの」へ

これからの医療で重要なのは、

👉
「一番良い治療を選ぶこと」ではなく
「将来にわたって破綻しにくい選択をすること」
です。

緑内障はまさにその代表的な疾患です。


■ 最後に

緑内障は、

👉
「治療すれば安心」ではなく
「続くかどうかで結果が決まる病気」

です。

そして今、世界では

👉
「頑張って続ける治療」から
「任せられる治療」へ

という変化が起きています。

その一つの選択肢が、レーザー治療です。

未来は偶然ではなく、選択で変わります。
その選択を支えるのが、これからの医療だと考えています。


(※本記事は一般的な医療情報の提供を目的としています。治療の適応は個々の状態により異なるため、必ず医師とご相談ください。)


医療法人社団久視会 いわみ眼科
理事長:岩見 久司(医学博士・日本眼科学会認定 眼科専門医)
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